ASUS ROG Phone 9 を実機レビュー。使いやすさはそのままにパフォーマンスが向上したゲーミングスマートフォン

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今回の記事では、ASUS が国内発売した最新のゲーミングスマートフォン「ROG Phone 9」の実機レビューをお届けします。なお、記事執筆にあたり実機の貸出を受けています。

ASUS ROG Phone 9 シリーズは、昨年11月にグローバル市場でリリースされましたが、日本では2025年3月26日に発表、28日から発売となります。今回もベースの ROG Phone 9 と ROG Phone 9 Pro の2モデルがあり、今回はベースモデルのレビューです。

ROG Phone 9 と ROG Phone 9 Pro の仕様はほとんど共通しており、主な違いは望遠カメラの有無と、リアパネルに搭載された「AniMe Vision」の LED 個数とカスタマイズ機能の有無です。

前世代の ROG Phone 8 から引き続きハイエンドなゲーミングスマートフォンで、IP68 防塵・防水性能やワイヤレス充電を備え、日本向けモデルはおサイフケータイ(Felica)にも対応し、高性能なだけでなく普段使いしやすいことも特長です。

目次

スペック

まずは ASUS ROG Phone 9 シリーズのスペックです。

ROG Phone 9ROG Phone 9 Pro
ディスプレイ6.78インチ
2,400×1,080
AMOLED LPTO
1-185Hz リフレッシュレート
720Hz タッチサンプリングレート
最大2,500nits 輝度
Gorilla Glass Victus 2
CPUSnapdragon 8 Elite
RAM16GB
* LPDDR5X-9600
16GB
24GB (Pro Edition)
* LPDDR5X-9600
内部ストレージ256GB UFS4.0512GB
1TB (Pro Edition)
* UFS4.0
外部ストレージ
リアカメラ50MP メイン(LYT-900)
13MP 超広角
5MP マクロ
* メインは6軸ハイブリットジンバルスタビ
50MP メイン(LYT-900)
13MP 超広角
32MP 望遠
* メインは6軸ハイブリットジンバルスタビ
フロントカメラ32MP
バッテリー5,800mAh
65W 有線急速充電
15W ワイヤレス充電
ポートUSB-C ×2
3.5mm オーディオジャック
ネットワーク5G
Wi-Fi 7
Bluetooth 5.3
NFC
その他IP68 防塵・防水
画面下指紋センサ
AirTrigger
専用ゲーミングデバイス対応
サイズ163.8×77.0×8.9mm
重さ227g

両者の違う点について、ROG Phone 9 シリーズは Sony LYT-700 センサの 50MP メインカメラ、13MP 超広角カメラまで共通していますが、ベースモデルの ROG Phone 9 は 5MP マクロカメラを搭載することに対し、ROG Phone 9 Pro には 32MP 望遠カメラが搭載されています。

前世代の ROG Phone 8 シリーズでは、ベースも Pro も 32MP の望遠カメラが搭載されていましたので、ベースモデルはややダウングレードされました。しかし、ズーム写真を撮影する機会がなければ大きな影響はありません。

なお、どちらもメインカメラに6軸ハイブリッドジンバルスタビライザーや OIS (光学式手ぶれ補正)、EIS (電子式手ぶれ補正)が搭載されているため、メインカメラを使った写真・動画撮影に差はありません。

実機レビュー

ROG Phone 9 の本体デザインは、前世代 ROG Phone 8 を踏襲しつつ、ロゴの位置が中央に移動したり AniMe Vision が追加されるなどの変化があります。前回はファントムブラックとレベルグレーの2色でしたが、今回はファントムブラックとストームホワイトの2色になりました。

今回の実機はストームホワイトですが、派手すぎず地味すぎずちょうどよいデザインで、指紋も目立ちにくく扱いやすいです。

リアパネルはツートンになっていて、上半分ほどはツルッとしたフラットな表面、下半分あたりから少しザラッとして加工のある表面になっています。下半分の加工のある表面部分は、ちょうど片手持ちしたときに触れることになり、何も加工がない側よりも少しですが滑り止めに役立っています。

下側には AniMe Vision があり、ROG Phone 9 では10種類以上のプリセットのアニメーションから選択できるようになっています。設定は Armoury Crate アプリから変更でき、エフェクトを表示するタイミングや時間などをカスタマイズすることもできます。

ディスプレイを下にして伏せた状態でも、通知(ベルアイコンのみ)や時間を確認することができるため、便利です。常時オンにしておいたり、全部をオフにすることも可能です。

パフォーマンス

ROG Phone 9 は6.78インチディスプレイを搭載し、画面も高解像度&高精細で鮮やかな色合いのため、写真や動画を見るにもよく、最大2,500nits と明るいため日の差すような外で使っても画面がしっかりと見えます。

ゲーム中に最大 185Hz のリフレッシュレート、通常時は1Hz〜120Hz の可変リフレッシュレートを備えた。リフレッシュレートが高いことで画面の動作が滑らかに見え、特に動きの速いゲーム中での操作感が向上し、ウェブサイトのスクロール操作などでも快適になります。

タッチサンプリングレートも高いため、タッチへの反応も速く、素早い操作が求められるゲーム(例えば FPS や TPS 系)において快適なプレイができます。ディスプレイに関して特に不満はありませんでした。

パフォーマンスの面では、最新のハイエンドチップ Snapdragon 8 Elite を搭載しているため、ブラウザや SNS、メール&チャット、ニュースアプリなど日常的に使用するアプリの動作は非常にスムーズです。

今回は原神やインフィニティニキなどのゲームをプレイしてみましたが、Armoury Crate の設定で一般的な使用でおすすめの「ダイナミック」を選択していても、プレイ中のほとんどのシーンでフレームレートが極端に落ちることもなく快適にプレイすることができます。自宅や出先で軽くゲームをする程度であれば問題もなく快適です。

もし腰を据えてプレイするのであれば、ゲームで最高のパフォーマンスを発揮する「Xモード」を使用することで、より快適なプレイが可能です。電源に接続できる環境であれば、これを常に使用するほうが良いかもしれません。

なお、ROG Phone 9 シリーズは USB-C が2つ搭載されており、1つは一般的なスマートフォンと同じように短辺にありますが、もう1つは長辺中央に搭載されているため、電源に接続しながら横持ちでゲームをプレイしてもケーブルが邪魔になりにくいです。

さらに ROG Phone 9 シリーズは、バッテリーを介さずに直接スマートフォンに電力を供給するバイパス充電に対応しているため、充電しながらゲームをプレイしても発熱とバッテリーの劣化を抑えることができます。また、熱の出るコンポーネントも本体中央に寄っており、持っていても手に熱を感じにくい点も特長です。とはいえ、ある程度の時間プレイしていると熱くなっていることはわかるので、最初から長時間ゲームをすることが確実であれば、AeroActive Cooler X があると安心です。

ちなみに、Android アプリの GeForce Now をインストールすれば「モンハンワイルズ」などの対応ゲームをプレイすることもできます。

ただ、モンハンの場合はコントローラーが必須なので、もし ROG Phone 9 でプレイするのであれば用意しておきましょう。

ゲームプレイ中の便利機能で言えば、ROG Phone シリーズには画面左上から中央に向かってスワイプすると呼び出せる「Game Genie」があります。これでゲームをプレイしながら、ゲーム向けの様々な設定の変更や情報の表示を変更することができます。現状は Android アプリのゲームのみに対応しているため、GeForce Now などでは表示させられません。

カメラ

カメラについては、今回の ROG Phone 9 には望遠カメラはなくなりましたが、ズーム写真を撮影することが少なければさほど問題ではありません。実際に何枚かの写真のサンプルを以下に紹介します。

まずは標準的な0.7倍、1倍、2倍を使った写真です。

続いて、ROG Phone 9 では推奨範囲外となる3倍と最大8倍も含めた写真です。

色はリアルな色味で再現されており、0.7〜2倍のレンジの写真はかなりキレイに撮影できていますが、それ以上のズームを使用すると粗が目立ちます。そのため、ベーシックな ROG Phone 9 では基本的にズームは使用しない(しても2倍まで)ユーザー向きです。ズームが必要であれば、上位モデルの ROG Phone 9 Pro がおすすめです。

なお、どちらもメインカメラに6軸ハイブリッドジンバルスタビライザーや OIS (光学式手ぶれ補正)と EIS (電子式手ぶれ補正)が搭載されているため、メインカメラを使った写真・動画撮影に差はありません。6軸ジンバルスタビライザーは、6つの軸で手ブレを補正する強力な手ブレ補正機能で、OISはレンズを物理的に動かすことで手ブレを補正する機能、EISは電子的に手ブレを補正する機能です。

ちなみに、今回の ROG Phone 9 シリーズでは AirTrigger をシャッターボタンとして使用できるようになりました。そのため、よりカメラっぽい使い方ができます。

これはデフォルトのカメラアプリの設定から変更することができます(デフォルト設定はオフ)。

AI 機能

ROG Phone 9 シリーズには、次のような AI 機能が搭載されています。太字は ROG Phone 9 シリーズで新たに利用可能になった機能です。

  • AI壁紙
  • AI文字起こし
    • サウンドレコーダーで会話の内容を録音し、リアルタイムで文字起こしができる
  • AI通話翻訳
    • 通話内容をリアルタイムで文字起こし/翻訳ができる機能。複数言語に対応
  • 写真・画像の検索機能
  • 設定内の検索機能
  • アプリ内の検索機能
  • AI流し撮り
    • 撮影時に動いている被写体ではなく、背景にぼかし効果を加える写真を撮影できる
  • ドキュメントキャプチャー
    • AIアルゴリズムによって、撮影した写真(例えば書籍)の画像や文字の歪みを補正し、映り込んだ影を除去することもできる
  • ポートレート動画
    • 被写体以外の背景をぼかして動画を撮影することが可能。映画のような撮影が簡単にできる
  • AI Grabber
    • ゲーム内に表示されているテキストデータをキャプチャーできる。画面内のテキストを翻訳することも可能
  • X Sense
    • ゲーム内のキーイベントを自動的に検出し、有益な情報がポップアップでユーザーに通知される
  • Xキャプチャー
  • AIノイズキャンセリング

多くは他の Android デバイスでも利用することのできるものですが、通話内容をリアルタイムで翻訳/文字起こしする「AI通話翻訳」や「AI 流し撮り」はユニークな機能です。

また、Game Genie に組み込まれていてゲームプレイ中にゲーム内テキストをキャプチャーしたり翻訳できる「AI Grabber」とゲーム中に情報を通知する「X Sense」 も使いどころ次第では便利な機能です。

とはいえ、これらの機能を使う機会がどれほどあるかはユーザー次第で、今回のレビュー中にはこれらの機能が必要なシーン(意図的に使おうとしない限りは)はありませんでした。

その他の便利な点

AI が使えるようになったというのも便利な点ですが、それ以外にも ROG Phone 9 シリーズでは、ワイヤレス充電や NFC、おサイフケータイ(Felica) のサポート、通話の録音機能、IP68 防塵・防水といった日常生活でも便利な機能を備えています。

とくに前世代から追加されたワイヤレス充電とおサイフケータイのサポートは日常使いの利便性を向上させるため、引き続き搭載されたことは素直に嬉しいですね。なお、マイナンバーカード機能機能(スマホ用電子証明書)にも対応予定となっています。

通話録音機能は電話アプリ使用時に通話を自動的に録音することができ、デフォルトの電話アプリ以外にも LINE などの通話機能のあるアプリでも通話を録音することができます。プライベートや仕事など複数のアプリでの通話が多いユーザーには便利な機能です。

気になった点

前世代からパフォーマンスも向上し、使い勝手という点では特に大きな不満はありません。しかし、ベースモデルから望遠カメラがなくなってしまったのは、人によっては残念かもしれません。また、カメラの突起部分の高さがあるので、ポケットなどで引っかかりやすいです。これはカメラモジュールの大きな最近のフラッグシップにはありがちな問題ですので、仕方ないですね。

この他の点では、明らかに不満を感じるような点はありませんでした。ゲームをプレイしないユーザーにとっては宝の持ち腐れになる可能性はありますが、ROG Phone 9 を検討するユーザーはおそらくゲームがメインか、ゲームの比重は高めだと思いますので、その心配はないと思います。

価格と構成、アクセサリー

最後に、国内で販売される ASUS ROG Phone 9 シリーズの価格と構成は次のとおりです。

  • ROG Phone 9 (ホワイト) : 159,800円
  • ROG Phone 9 (ブラック) : 159,800円
  • ROG Phone 9 Pro : 189,800円
  • ROG Phone 9 Pro Edition : 239,800円

ROG Phone 9 シリーズには、ベーシックな ROG Phone 9 と ROG Phone 9 Pro の2種類があり、スペックは共通していますが、リアパネルの Anime Vision が異なります。また、Pro モデルは KDDI 専売モデルとなります。

一方、ROG Phone 9 Pro Edtion は、より高い性能を求めるユーザー向けに 24GB RAM と 1TB ストレージを搭載しており、AeroActive Cooler X Pro が同梱されています。

なお、AeroActive Cooler X Pro などのアクセサリーは単品でも販売され、各アクセサリーの価格は次のとおりです。

  • AeroActive Cooler X : 11,980円
  • AeroActive Cooler X Pro : 13,980円
  • ROG Chill Case ː 3,980円
  • Rog phone 9 Antibacterial Glass screen protector ː 3,480円

AeroActive Cooler X / Cooler X Pro はベーシックな ROG Phone 9 でも利用することができるため、必要に応じて追加購入することができます。ただ、在庫が限られている可能性もあるため、購入するなら早めが安心です。

まとめ

今回はベースの ASUS ROG Phone 9 を使用した実機レビューでしたが、上位の ROG Phone 9 Pro との違いは望遠カメラの有無とリアパネルの AniMe Vision くらいのため、これら2つが必要でなければベースモデルでも十分です。

デザインも扱いやすく、普段使いの性能にも不満はありません。とくにゲームプレイでは高いパフォーマンスを発揮するため、日常的にゲームをプレイするユーザーであれば検討すべきスマートフォンです。また、前モデル同様に普段の使い勝手も向上しているため、長時間ゲームをプレイするユーザーだけでなく、空き時間など短い時間でもゲームをプレイするようなライトユーザーにもお勧めです。

単純に、普段使いとゲームでデバイスを分けずに1台のスマートフォンを使いたいというユーザーには特におすすめですので、ぜひ検討してみてください。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Technical Writer

月間平均130万PVの当サイトを8年以上運営している 尾村 真英 です。これまでに 50台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動中で、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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