すでに日本でも発売されているASUSの「Chromebook C423」と海外で発売が開始しているものの国内未発表の「Chromebook C434」は、いずれも14インチのChromebookであり、国内に限って言えば「C423」が唯一の14インチモデルと言えます。
一方の「C434」は、国内で未発表ながら技適取得が確認されたので期待されていますし、米国のAmazonにもm3/4GBRAMモデルながら登場したことで、購入の敷居が下がっていると思うので、今後検討する方もいるかもしれません。
そんなわけで今回は、同じASUSの14インチChromebookである「C423」と「C434」のスペックを比較しつつ、どんな違いがあるかを見ていこうと思います。
スペック比較
まずは単純なスペックを比較していこうと思います。
すでに国内で発売されている「C423」に関しては国内のスペックを、国内未発表の「C434」は海外発売で開始がされたモデルのスペックをピックアップしています。
2019/04/17に「C434」も国内発表されたため、いずれも国内販売モデルに修正しています。
Chromebook C423 |
Chromebook C434 |
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ディスプレイ | 14インチ 1,920 × 1,080 ノングレア タッチ非搭載 |
14インチ 1,920 ×1,080 グレア(sRGB 100%) タッチ対応 |
CPU | Celeron N3350 1.1-2.4GHz(2core) |
Core m3-8100Y 1.1-3.4GHz(2core) |
RAM | 4GB | 8GB |
内部ストレージ | 32GB eMMC | 32GB eMMC |
外部ストレージ | microSD | |
インターフェース | USB-C(3.1 G1) ×2 USB-A(3.0) ×2 イヤホンジャック |
USB-C(3.1 G1) ×2 USB-A(3.1) ×1 イヤホンジャック |
バッテリー駆動時間 | 約10時間 | |
サイズ | 幅322.6×奥行228 厚み16.1mm |
幅320×奥行203 厚み15.2mm |
重さ | 1.25kg | 1.5kg |
価格 | 42,800円(税抜) | 84,800円 |
両者のスペックはこんな感じになっています。
価格については、すでに国内発売している「C423」は国内価格ですが、「C434」は未発売なので単純に海外価格をドル円換算しています。
なお、「C434」は海外で販売開始されたばかりのモデルスペックで紹介していますが、発表時点ではこの他にも複数のバリエーションが登場しています。
ただ、これまでのASUSの展開から予想すると、「C434」もm3の4GBRAMあるい8GBRAM、i5モデルあたりがメインになると思います。
現時点ではどちらの機種もm3の4GBRAMモデルとなっていますので、ひとまずCPUの性能について比較しておきます。
CPUの違い
何度か当ブログではCeleronのN3350と第8世代Core m3 ー8100Yの比較を登場させていますので、今回もそこからの紹介です。
Geekbench シングル |
Geekbench マルチ |
PASSMARK | |
N3350 | 1389 | 2328 | 1105 |
m3-8100Y | 3990 | 6624 | 3461 |
単純なスコア比較ですが、こんな感じです。
いずれのスコアもエントリークラスのN3350と比較して倍以上のスコアとなっています。
Chromebookでは、エントリークラスのCPUでも十分動作しますし、個人的な体感で言えばm3はとても快適な部類になりますので、N3350を採用する「C423」は一般ユーザー含め万人向け、m3を採用する「C434」はより作業量の多い方やスペックに余裕がほしい方に向けたものと考えるのが良いかもしれません。
ただこの性能面での違いが価格に直結していると言えるため、最終的には導入コストの問題になると思います。
では他の箇所についても気になるところを比較していきます。
ディスプレイ
まずはディスプレイから。
どちらも14インチディスプレイで、フルHD(1,920×1,080)を採用しているところは共通しています。
しかし「C423」はノングレア(非光沢)でタッチ操作に非対応、「C434」はグレア(光沢あり)でタッチ操作に対応したモデルとなっています。
また「C434」はsRGB100%ですので、より正確な色合いを表現することができるようになっています。
ちなみに「C423」は180度まで開くタイプのクラムシェルタイプですが、「C434」は360度回転するヒンジを採用しているためコンバーチブルタイプとなっています。
個人的には、タッチ操作の有無というより、液晶がグレアかノングレアかが主なポイントになると思います。
映り込みが少なく目に優しいのはノングレアを採用する「C423」かと思います。ただ色味が正確でないことによって、やや暗く感じてしまうことが難点かも。
色のキレイさや見やすさを重視する方は「C434」の方が良いかと思います。
360度ヒンジを採用していることもあって、客先などで相手に画面を見せたり、簡易なプレゼンをする必要がある場合には、「C434」の方がよりキレイに感じると思います。
個人的にはグレア液晶が色味など含め見やすくて好きなので、「C434」が良いかなあ。
サイズと重さ
ディスプレイに続いてここもポイントかと思います。
先程のディスプレイの画像をご覧頂いて気づくとおり、上下のベゼルを含めて全体的に「C434」がよりコンパクトになっています。
しかし重さで言えば、「C423」は1.25kgと14インチノートパソコンとしては軽量な部類ですが、「C434」は1.5kgと一般的な重さになっています。
常に持ち歩くことを考えるのであれば「C423」の方が負担が少ないと思いますが、「C434」も1.5kg程度ですし、サイズもコンパクトなので持ち運ぶにも苦ではないと思います。
何となくの印象ですが、リモートワークも含め家や職場に母艦としてのパソコンがあるなら「C423」を使い、1台でいろいろ賄うつもりで持ち運ぶこともあるなら「C434」を選ぶというのが良いのかもしれません。
このあたりは他のスペックと比較しつつ見る方が良いと思います。
キーボード
ここは私が結構気にするところですが、Chromebookはほぼ共通ナノが嬉しいところ。
ただ比較材料として、ASUS公式に日本語キーボードの画像がないためUS配列キーボードの画像となっています。
いろいろと拡大しまくって見たところ、ほぼ同じサイズのキーボードになっています。
違いと言えば、クラムシェルの「C423」は右上のキーが電源キーになっていますが、コンバーチブルの「C434」は右上がロックキーになっています。
これから察するに、おそらく日本で「C434」が発売されるときの日本語配列キーボードは「C423」のそれとほぼ同じサイズ感と言っても良さそうです。
もう一つ大きな違いと言えばこれです。
「C434」には念願のバックライトキーボードが搭載されています。
これで暗がりでの作業にも支障が出にくくなりますので、よりビジネスモデルな側面が強くなりました。
キーボードそのものに差というより、機能面での差と言ってよさそうなので、バックライトキーボードが欲しい方は「C434」一択となりそうです。
インターフェース
ちょうどいい感じで両方側面が映る画像がなかったので「C434」だけ違いますが、採用されているインターフェースも微妙に異なっています。
USB Type-Cポートに関しては、いずれも3.1 Gen1が2つ左右に存在しています。
しかし「C423」はUSB-A 3.0が左右に2つ、「C434」はUSB-A 3.1が左側面に1つとなっています。
ChromebookでUSB-Aを活用する機会がどれほどあるかというところですが、周辺機器をつなげるためにはある方が良いですよね。
ここでの差はそこまで気にすることもない気がしますが、より多くのUSB-A周辺機器を使うことがあるなら「C423」、USBメモリなどたまに使う、あるいはあれば安心ということなら「C434」でも問題はないと思います。
ちなみにmicroSDスロットは「C423」は左側面、「C434」は右側面となっているようです。
価格について
ということで最後はこれを考えていこうと思います。
まず国内ですでに発売されている「C423」の価格は税抜42,800円となっています。
対する「C434」はドル円換算で64,000円ほどなわけですが、これまでの展開どおり、単純なドル円換算が国内価格になるわけではありません。
そこで参考になるのが同じくASUSの「Chromebook C302」があります。
この機種は、海外価格は発表当時499ドルでしたが、国内では69,800円で発売開始されたことを考えると、海外価格との差は大体15,000円程度となっています。
ここでも単純計算になりますが、「C434」の価格に同程度上乗せして、ASUSサイトの価格から想定すると、予想で79,800円くらいになるんじゃないかと思います。
ただそうなると、「C302」の8GBRAMモデルの価格とかち合っちゃうので、「C434」が4GBRAMであることを考えれば76,800円とかで少し抑えめになるか、あるいは8万円台を超えて8GBRAMの「C434」を出してくるという可能性もありそうですね。
いずれにしても現時点で国内未発表であるため、実際にどのスペックが出てどうなるかわかりませんが、少なくともChromebookではプレミアムな価格になりそうです。
まとめ
日本では現状ASUSだけが14インチをリリースしていることと、どちらの機種もスペックから考えると、ターゲットがしっかりと分かれているようなので、おそらく「C434」も出してくるんじゃないかなと思っています。
「Chromebook C423」は、エントリークラスで低価格なモデルかつ軽量なので、持ち運びを重視する学生や法人、もちろん一般ユーザーに向いても十分バランスの良い1台だと思います。
基本的にリモートで家や職場のPCにつなげて作業するという方にも良いんじゃないかな。
対して、ハイスペックなプレミアムモデルのためやや高価ですが、1台でなんでもこなせるパワフルさがあり、事務作業から持ち出して作業まで幅広く使えるので、法人やパワーユーザーに向けた「Chromebook C434」という立ち位置になりそうです。
「C434」も国内で発表されれば、おそらく一般ユーザーでも欲しい方はいると思いますし、個人的にも期待はしているんですけどね。
私としては、リモートを考えると軽量な「C423」と思っていたんですが、何だかんだ家で作業するときも多いので「C434」のハイスペックに惹かれています。
ただ8GBRAMモデルなのかどうなのか、価格も含め悩ましいところも多いんですが(笑)
また、国内主流のChromebookは11.6インチなので、少しでも大きい画面で見やすいものが欲しいとなると14インチの「C423」が唯一の選択肢となります。
ハイスペックモデルは必要ないし、画面は大きい方が良い…というのであれば、「C423」を選んでも問題はないと思います。
ただこの記事を書いている時点(2019/04/01)では、日本公式では「C423」が在庫切れの状態なんですよね。時期が時期なので、法人関係で大量に出ただけだと思いますので、近いうち在庫が復活するんじゃないでしょうか。
そんなこんなで、14インチChromebookの新たな選択肢としてASUSの「Chromebook C434」の日本発売を期待しつつ、Chromebookに興味を持っている方の参考になれば幸いです。
2019/04/17に日本国内でも「Chromebook C434」が正式に発表となり、同19日から販売開始となっています。