今回の記事では、2025年1月16日に日本で販売を開始した Shokz OpenFit 2 オープンイヤー型完全ワイヤレスイヤホンの実機レビューをお届けします。なお、レビューにあたり、実機の提供を受けています。
Shokz の新しいオープンイヤータイプの OpenFit 2 は、高周波ユニットと低周波ユニットの2つの独立したスピーカーを搭載し、17.3mm 相当の大型ドライバーで高品質な低音再生、Shokz OpenBass 2.0 による強力な低音を備え、物理ボタンとタッチコントロールの両操作に対応しています。
イヤホンの片耳は約9.4gと軽量で、イヤホン単体で最長11時間(ケース含めて最大48時間)のバッテリー駆動、IP55防水性能、AI ノイズキャンセリング搭載マイクと最大2台のデバイスに同時接続できるマルチポイント接続を備えています。
この他には、Shokz アプリによる4つのプリセットとカスタム EQ 設定、ボタンやタッチ操作のカスタマイズ、「イヤホンを探す」機能などにも対応します。なお、この Shokz OpenFit 2 は骨伝導ではなく、空気伝導式です。
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デザイン・装着感・操作性
Shokz OpenFit 2 のケースは正方形に近いフラットな形状で、ケースのサイズは67.5×67.5×27.8mm、重さはイヤホン込みで約69.8gです。
少し大きめのケースですがポケットに入れることもでき、ハンドバッグなどであれば問題はありません。カラーはブラックとベージュの2種類があります。
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ケースの手前側には充電状態を確認できる LED インジケーターがあり、背面には充電用の USB-C ポートがあります。ペアリングボタンは蓋を開いた中にあります。
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残念ながらケースのワイヤレス充電は対応しておらず、充電はケーブル経由のみです。充電時間は最大100分ほどで、ケーブルでも不便なわけではありませんが、ワイヤレスに慣れているとちょっとだけ手間がかかります。
イヤホンはフックで耳に引っ掛けるオープンイヤータイプのイヤホンです。フックにはニッケルチタンを採用しており、軽くて負担も少なく、長時間装着していてもほとんど負担には感じません。しっかりとフィットします。
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オープンイヤーなので、基本的には周囲の音に気を配りたい場面での着用が主になります。例えば、私の場合は主に家事や日課のウォーキング、読書中などに使っています。片耳だけで利用できるので、運転中の通話用として使うのもアリだと思います。
自宅での仕事中にラジオを4時間程度聴きっぱなしで使ってみましたが、軽さとフィット感の良さから耳が痛くなったり負担に感じることはありませんでした。
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また、イヤーフック上部が細く(薄く)なっているため、メガネやサングラスを着用しているときでも、違和感はあまりありません。メガネユーザーではないので常時着用している場合はわかりませんが、少なくともサングラスのように特定の時間だけ併用する場合には、ほぼ気になりませんでした。
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実際に日課のウォーキングや軽めのジョギングで試してみましたが、ズレたりすることはなく、汗をかいてもムレることもほぼありません。ちなみにイヤホンは IP55 防水性能を備えているため、汗や小雨で濡れたとしても安心です。
イヤホン本体には、多機能物理ボタンとタッチコントロールの2種類が用意されています。タッチ操作だけだと、思い通りに操作できないことや手が濡れているときなどにうまく反応しないことはありがちですので、物理ボタンが搭載されている点は便利でした。
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また、どちらもアプリから機能のカスタマイズと有効・無効を変更することができます。物理ボタンの操作は、1回押し、2回押し、3回押し、長押しで操作が割り当てられていますが、1回押しのみ左右とも再生/停止の割り当てに固定です。以下は物理ボタンのカスタマイズ可能な操作です。
- 物理ボタンの操作
- 2回押し : 左/次へ、右/次へ
- 3回押し : 左/前へ、右/前へ
- 長押し : 左/音量を下げる、右/音量を上げる
- タッチコントロールの操作
- 長押し : アシスタントを呼び出す
アプリからカスタマイズすることはできますが、個別で自由に設定できるわけではなく、プリセットが用意されているため、そこから選択することになります。
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なお、タッチコントロールの長押し操作は、音声アシスタントの起動のみを割り当てることができます(デフォルトではオフになっている)。物理ボタンもタッチコントロールもカスタマイズの自由度が低いことは少し残念ですが、変更できるだけで十分です。
アプリについて
アプリについてですが、アプリからは物理ボタンとタッチコントロールのカスタマイズ以外に EQ の設定やマルチポイントの設定と切り替えを行うことができます。
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アプリ自体はかなりシンプルな構成なので、設定や操作に困ることはないと思います。また、アプリを使うためにログインは必須ではないため、設定を変えるためだけにメンバーアカウントを作成する必要がないことは良かったです。
ただ、マルチポイントペアリングの設定はデフォルトではオフになっているようなので、これを有効にするためにはアプリをインストールしなければならないという点は面倒でした。
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とは言え、ファームウェアアップデートもアプリ経由で行われるため、1度はアプリをインストールする必要があります(今回のレビュー中にも EQ のアップデート EU_V_05 があった)。
音質・使用感
実際に Shokz OpenFit 2 を1週間程度使ってみましたが、音については骨伝導タイプではなくても Shokz の DualBoost テクノロジーと低音を届ける Shokz OpenBass 2.0 のおかげか、デフォルトでも低音がしっかりと聴くことができます。家事で水を流しているときや、車通りが多い場所でのウォーキング中でもしっかりと音が届きます。
音質はデフォルトでも十分だと感じましたが、アプリからイコライザーを調整することもできます。プリセットで用意されている4つのオプションまたはカスタムイコライザを設定することもできる(2パターン保存可能)ため、状況に応じて使い分けても良いですね。
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私は普段デフォルトですが、ウォーキングのときはたまに「低音強め」の設定にしています。イコライザは毎回アプリ経由で切り替える必要があるため、タッチコントロールの長押しに割り当てることができたらもっと便利だったかもしれません。
オープンイヤータイプで空気振動型ですが、家事やウォーキングなど屋外での使用中でも音楽やポッドキャストを聴くことで特に不満はありませんでした。ただ、当然ながら周りの音をシャットアウトしたいときには向きませんので、ここは適宜使い分けが必要です。私の場合、主に家事やウォーキング、読書中に音楽やラジオを聴くときと、ポッドキャストや動画視聴をするときにも Shokz OpenFit 2 を使いますが、どの状況でも快適です。
また、マルチポイントに対応しているため、最大2台のデバイスに同時に接続してシームレスに接続を切り替えることができます。例えば、タブレットとスマートフォンを同時に接続していて、タブレットで音楽や動画を視聴しているときにスマートフォンで着信があっても、そのまま OpenFit 2 で通話に出ることができます。また、通話が終わるとタブレットで再生している音楽または動画に戻るため、切り替えの手間もありません。
ちなみにマイクについて、自宅の仕事部屋で Pixel スマートフォン (Pixel Recorder)を使用して録音したサンプルを紹介します。
聞いてみた限りでは、しっかりと声を聞くことができ、着用中に急に電話がかかってきても問題はないと思います。
全体的にかなり快適に使うことができますが、例えば、着脱検知がないので毎回手動で再生/停止が必要なこと、ケースが有線充電なのでケーブルが必要になること(ほぼワイヤレス充電使っている)、イヤホンは探せるけどケースは探せないことなどが気になる点でした。
とはいえ、いずれもあれば良い程度の機能なので、ないからといって問題とまでは言えません。
バッテリーについて
最後にバッテリーについてですが、1日あたり、だいたい3〜4時間程度連続して TuneIn で BBC Radio 1 を聞いていたところ、1時間あたり10%前後のバッテリー消費なのでかなり長持ちです。イヤホンの急速充電にも対応しているため、こまめにケースの充電さえしていれば、バッテリーに不安はありません。
まとめ
Shokz OpenFit 2は、運動時だけでなく日常使いとしても、音楽を聴きながら周囲の音にも気を配りたいときに最適なオープンイヤー型ワイヤレスイヤホンです。使うシーンは人によって様々ですが、一般的なイヤホンよりも使うタイミングは選ぶかもしれません。
しかし、OpenFit 2 はオープンイヤーの周囲の音を自然に聞き取れる快適さとクリアな高音質と低音の良さのバランスが良いオープンイヤーイヤホンなのでオススメです。
Shokz OpenFit 2 の価格は25,880円となっていて、公式サイトや Amazon.co.jp などで購入することができます。高級なモデルですが、価格に見合うだけの仕上がりだと思いますので、ぜひ OpenFit 2 を試してみてください。
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Shokz 公式サイトはこちら。