先日サラッと発表されたASUSのChromebook新モデル「ASUS Chromebook Flip C434」ですが、前記事内でも触れたとおり、現行「Chromebook Flip C302CA」の後継モデルという位置づけでリリースされています。
関連ASUSが「Chromebook Flip C434」も発表!14インチで第8世代Yシリーズ採用の「C302」後継機
後継モデルと言っても、同じようなサイズ感ではなく大型化していますし、地味に変更・追加点が存在しています。
そこで改めて、新モデル「Chromebook C434」と現行モデル「Chromebook C302CA」のスペックなどを比較してみようと思います。
スペックの違い
C434TA | C302CA | |
ディスプレイ | 14インチ IPS 1,920 × 1,080 タッチスクリーン |
12.5インチ IPS 1,920 × 1,080 タッチスクリーン |
CPU | Core m3-8100Y Core i5-8200Y Core i7-8500Y |
Core m3-6Y30 Core m5-6Y54 Core m7-6Y75 |
RAM | 4GB / 8GB | |
内部ストレージ | 32GB eMMC 64GB eMMC 128GB eMMC |
|
外部ストレージ | microSD (最大2TB) |
microSD |
ポート | USB-C ×2 USB3.1 ×1 イヤホンジャック |
USB-C ×2 イヤホンジャック |
その他 | バックライトキーボード | |
バッテリー | 最大10時間 | |
サイズ | 幅320 × 奥行202 × 厚み15.7mm |
幅304 × 奥行210 × 厚み13.7mm |
重さ | 1.45kg | 1.18kg |
価格 | 569ドルから | 499ドルから |
基本的なスペックについては、こんな感じになっています。
ちなみに「C302」には、Pentium 4405Yを採用した32GBストレージモデルがカタログ上存在しますが、一般にはほとんど流通していないと思いましたので除外しています。
では、各箇所をチェックしていきましょう。
ディスプレイとサイズ
いずれもIPS方式のグレア(光沢)タイプの液晶で、タッチスクリーンに対応しています。
当然ながらタブレットモードやテントモードも利用可能になっています。
また調べたところ、新モデルはsRGB色域を100%カバーしているようですので、色味を気にする方や画像編集などに使いやすくなったと言えそうです。
フルHDというのも同じですが、前モデルが12.5インチだったのに対し、新モデルでは14インチとかなり大型化した印象です。
ただ大型化したと言っても、「C434」はベゼルの狭いタイプのノートパソコンなので、体感的に大画面ですが、実寸は2cmほど広がった程度で、平均的な13インチノートパソコンと同じくらいの横幅に収まっています。2mmほど厚みが増してますが。
その影響で、上下左右のベゼルと奥行きはわずかに「C302」の方が大きくなっています。
ただこの大型化に伴って、個人的に「C302」の推しポイントであった重さが300gほど増加してしまったのは「C434」の残念ポイントだと思います。
とは言うものの、私自身同サイズ感で1.5kgほどの「Acer Chromebook R13」を愛機として使っていましたから、1.45kgくらいならちょっと重く感じるかもしれませんが持ち運ぶのも特に問題はないと思います。…が、軽いほうがやっぱり楽ですからね(笑)
CPU性能について
こちらは発表時の記事で、新モデル「C434」に搭載される第8世代Core mシリーズに関するベンチマークは紹介しています。
しかし、現行モデルとの比較はしていませんので、改めてベンチマークの結果を紹介しておきます。
製品 / CPU型番
|
CPU性能
|
Geekbench |
PASS MARK
|
||
シングル | マルチ | ||||
C302 | m3-6Y30 | 0.9-2.2Ghz(2core) | 2600 | 4900 | 3051 |
C434 | m3-8100Y | 1.1-3.4Ghz(2core) | 3800 | 7000 | 3612 |
C302 | m5-6Y54 | 1.1-2.7Ghz(2core) | 3100 | 5800 | 3367 |
C434 | i5-8200Y | 1.3-3.9Ghz(2core) | 3909 | 8164 | 4320 |
C302 | m7-6Y75 | 1.2-3.1Ghz(2core) | 3400 | 6700 | 3485 |
C434 | i7-8500Y | 1.5-4.2Ghz(2core) | 3767 | 8002 | 3590 |
今回はGeekbenchのシングルとマルチ、PASS MARKのベンチマークスコアを参考にしています。
m3モデルの比較
数字だけだとわかりづらいので、それぞれのCPUごとグラフにしてみました。
まずm3モデルの比較ですが、現行の「C302」(青)から比べると新型「C434」(赤)は、かなりスペックアップしていることがわかります。
シングルスコアもマルチスコアも大幅に上昇していますので、m3だからといって侮れないパワーを秘めたモデルかと思います。
ただでさえ軽量なChrome OSですので、ほとんどのユーザーはm3モデルでも十分そうなパフォーマンスだと思います。
m5 / i5モデルの比較
次は「C302」のm5と「C434」のi5モデルの比較です。
こちらも全体的な向上が見られ、「C434」の方が良い結果になっています。
数値的に、現行モデルもそうですがマルチスコアの伸びが高くなるため、より重たい処理や複数の作業を並行して行う場合などに強い傾向があります。
ですので、今後のChrome OS次第ではありますが、画像処理や重たいコード処理、Linuxアプリを中心に活用する場合などは、「C434」のi5モデルを選ぶほうが安心だと思います。
ただ、これまでの感じから行くと入手方法が結構限られそうな感じなので、そこが問題なければ、ヘビーユーザーには良い選択肢だと思います。
m7 / i7モデルの比較
では最後にm7/i7モデルの比較です。
まぁ、新旧どちらも言えることですが、m3とm5(i5)のモデルと比べてあまり伸びが良くないんですよね。
元々の数値自体も、m5(i5)モデルと大差はありませんし、コスト面を考えると正直オススメはしないモデルかなあと思います。
どっちにしても「C434」の方が上
いずれにしても、「C434」の方がスペックは向上しているので、スペックを重視される方は「C434」を選ぶほうが良さそうですね。
その上で、「C434」のなかで安価かつバランスの良いm3モデルが最もオススメで、さらに上のスペックが必要ならi5モデルを…という展開のような気がします。
CPUについてはこんな感じで。
RAMとストレージ
おそらく現行モデルと変わらず4GBRAM/32 or 64GBストレージや8GB/64 or 128GBとかって感じに出てくる気がします。
ただせっかく新モデル「C434」には、16GBRAMや128GB以上のストレージ、もしくはeMMCでない高速なSSDを搭載するモデルがあっても良かったかなあと思います。
しかしコスト面を考えると、ちょっと手の出しにくい価格になりそうな気がしますので、普及を狙うならコレもありか…と思わなくもないです。
いずれにしても、ここを基準にあえて選ぶことはないと思いますので、参考程度に。
ポート類
新モデルではUSB-Cポート2つにUSB3.1ポートが1つ追加されたことで、使い回ししやすくなったと思います。
ビジネスや学生ならUSBメモリを使うことも多いでしょうし、マウスなどのUSBレシーバー指したりもしやすくなりましたので、ここはプラス点ですね。
あとバックライトキーボードは健在のようなので、これも一安心です。
USモデルですがキー配置も素直ですし、本体サイズが大きくなった分、キーピッチにも余裕が出たのかな…?これは実機なりで測定しないとわからないですね、公表してないみたいですし。
ポート類に関しては、やっぱり「C434」の方が使い勝手の面では勝ると思います。
バッテリーについて
ASUSのUS公式サイトに出ていましたが、新モデル「C434」も最大10時間駆動となるようです。
重さがネックにはなりますが、1日外出して作業をする際にも安心して使えるバッテリーかと思います。
この点についても、どちらも同じくらい持つだろうというところでドローです。
価格について
現行モデルは500ドルを切るところからスタートしたので、569ドルスタートの「C434」は割高な印象を受けてしまいますが、それでも他の14インチクラスのハイスペックChromebookのことを考えれば安価であると言うこともできると思います。
同クラスChromebookのことを考えると、このスペックでこの価格ならまだコストパフォーマンスは良いと感じます。
この点については「Google Pixelbook」を使っている身としては、この価格でこのスペックなら全然OKだと思うって感じになってしまうんですよね。もう少し軽ければ…。
単純なコストパフォーマンスという意味では「C302CA」は圧倒的に良いと思います。
しかし、Chrome OSには自動更新ポリシーの期限が存在しますので、長く使いたいのであれば多少高くても「C434」を選ぶ方が安心ではないでしょうか。
ちなみに「C302」の自動更新ポリシーは2022年11月までなので、あと3年と10ヶ月ほどです。
大学生活のはじまりに買うなら、ポリシーは4年以上ある「C434」のが良いかな。
まとめ
ということで、長くなってしまいましたがざっくりとASUSの「Chromebook C434」と「C302」について比較してみました。
結論から申せば、今後のことを考えて、サイズ感さえ許せば「Chromebook C434」を購入するほうが使い勝手も良く、長く使えるモデルではないかと思います。
あとは単純に、Googleの自動更新ポリシーの期限が「C302」より長いこともありますし、法人なんかで導入する際には「C434」の方がより都合が良いかと思います。
もちろん一般ユーザーや学生、ビジネスで個人用に使うとしても使い勝手の良い1台に仕上がっていると思います。
コスト的にもm3モデルであれば、スペックのバランスも良くコストパフォーマンスに優れている印象ですので、今後13インチ以上の大きめChromebookの購入を検討するときには、第一候補として考えても良いかと思います。
ということで、国内でも発売が開始していますので、興味のある方は公式ストアをご覧ください。
ちなみに「Chromebook C302CA」はAmazonでも正規版が販売されていますので、こちらも参考までにどうぞ。
[amazon asin=”B078GMZL1J” kw=”ASUS Chromebook C302CA”]
関連ASUSが「Chromebook Flip C434」も発表!14インチで第8世代Yシリーズ採用の「C302」後継機