先日、早くも発表のあったASUS初となるChrome OS搭載のタブレット端末「ASUS ChromeTablet CT 100」ですが、既存かつChrome OS初であった「Acer Chromebook Tab 10」と何が同じでどこが違うのか気になったので比較していこうと思います。
両者のスペックを見たことがある方はお気づきかもしれませんが、外観の素材感に違いはあれども、スペックについてはほぼ同じで、ポートやスタイラスペンの収納位置なども変わらないっぽいんですよね。
「Acer Chromebook Tab 10」を持っている身として、「ASUS Chromebook Table CT100」のどこがどう良いのかを比較しつつ見ていこうと思います。
スペックの違い
ASUS |
Acer |
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ディスプレイ |
9.7インチ |
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CPU |
Rockchip OP1 |
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RAM |
4GB |
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内部ストレージ |
32GB eMMC |
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外部ストレージ |
microSD |
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カメラ |
リア 5MP |
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ポート |
USB-C(3.1 Gen1) ×1 |
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バッテリー駆動時間 |
約10時間 |
約9時間 |
サイズ |
縦238.8 × 幅172.2 |
縦238.2 × 幅172.2 |
重さ |
568g |
520g |
価格 |
– |
$339.99 |
ざっくりとスペックを見ていくと、このような違いが…というよりスペックはほぼ同じ端末と言ってしまって良いでしょう。
バッテリー駆動時間に1時間の違いがありますが、公称値を参考にしているのでおそらく実働に大差はないと思います。
内蔵式スタイラスペンについても両者大きな違いはないようで、いずれもWacomのEMRペンを利用しています。
重さが約50gほど「ASUS CT100」が重くなっていますが、おそらくこの違いはこれから紹介する本体外観と機能面による違いが影響しているかと思われます。
外観について
スペックについてはほぼ変わらないということがわかりましたので、まずは外見の違いから見ていきます。
相変わらず適当な画像ですみません。ただざっくりとしたイメージの違いはわかっていただけると思います。
「Tab10」ではディスプレイ面にあったメーカーロゴが「CT100」では裏面中央に移動しています。
しかし電源ボタンやボリュームキー、カメラやスタイラス、ポート類の配置にも違いはないようです。
ASUSにはスタイラスが飛び出てる画像がなかったので似たアングルの画像です。
あと微妙な違いと言えば、上側面のスピーカー部分の切り込みが「Tab10」が3つに対して「CT100」は2つになっているみたいですね。
両者の違いは堅牢性
では結局、何が違うのかというと本体の丈夫さ、堅牢性です。
正直申しますと、「Acer Tab10」は何となく剛性が低いと思います。
ちょっとした本体の捻りであったり、片手で本体下部を掴んで持ち上げたりすると、何となくプラスチッキーな感じが危うく感じることが多々あります。
人によっては、ディスプレイ部分とカバーの樹脂部分がパカパカと音がなったりして心配になるという人もいるみたいなので、扱いには必要以上に気をつける必要がありました。
しかし今回リリースされる「ASUS CT100」は、「Acer Tab10」であったこの弱点をカバーするため、米国軍規格MIL-STD 810G準拠のテストをクリアすることで堅牢性を手に入れています。
これのおかげで多少扱いが雑になったとしても大丈夫、かな。
さらに「Acer Tab 10」と異なる点として、本体外観の4側面と角部に追加されているラバー製バンパーと背面樹脂の表面加工です。
4つの側面を覆うラバー製バンパーはなんとなく色味の違いでわかってもらえるかと思います。
裏面の表面加工の違いですが、「Tab 10」はストライプのような加工になっていますが、「CT100」ではディンプル加工となっていて、より滑りにくくなっているのではないかと思われます。
たぶん、「Blackberry KEY2」みたいな感じに仕上がってるんじゃないかと。
これらの追加点によって、引っかき傷や指紋がよりつきにくく、落下や衝撃をできるだけ軽減するような設計になっているようです。
で、おそらくラバーバンパーを追加したことで重さが50gほど増加してしまっていると考えられます。
「ASUS CT100」の方がより教育現場向け?
これらの追加要素から考えれば、おそらく「Tab 10」よりも「CT100」の方が教育現場、とくに扱いが雑(ハード)になりがちな学年や授業で導入するのが向いているように思います。
対して、スペックで考えると一般向けならどちらでも問題はないように思いますので、結局は学生であってもモノの扱いに注意を払える年齢であれば、どちらでも良いんじゃないかなと思います。
あとはお金やメーカーサポートの問題になるかと思います。
実際に「Tab 10」を使っている身として思うこと
今回リリースされた「ASUS CT100」は、「Acer Tab 10」の弱点でもあった堅牢性や剛性という面をうまくクリアしてきた良いChrome OSタブレットだと思います。
しかし、外装の違いはあれどもボタン類やスタイラスの配置、さらにスペックが「Tab 10」とほぼ変わらないというのが残念な気がしてなりません。
私は「Acer Tab 10」購入時のレビューでも感じていましたが、ボタンやスタイラス等の配置がどうも使いづらいと思うことが多々あります。
関連「Acer Chromebook Tab 10」を購入したのでレビュー!ChromeOSタブレットもいい感じです。
さらにカバー等を利用しようと思うと、ほとんどのタブレットが左開きにもかかわらず右開きになってしまうことで使いにくさを一層感じてしまうという問題点もあるように思いました。
もしこのあたりの問題も改善してくれていれば、「ASUS CT100」をグイグイ推したくなる感じでしたが、制約があったのかわかりませんが残念です。
スペック等々については、Chrome OSですしタブレットとしてやれる範囲のことを考えるとこれで十分だと思いますが、何か変化があっても良かったかな。
あとは価格でしょうか。
海外での価格も気になりますが、やはり国内での販売と価格についても気になるところ。
すでに日本で「Acer Tab 10」が正規販売されていることを考えると、日本展開に勢いのあるASUSとしても遅れを取るわけにはいかないでしょうから、高くとも同価格帯で勝負してくると勝手に予想しています。
「教育現場」向けなのを忘れずに
一番大事なところは、結局はこれなんですよね。
「Tab 10」も同様にコンシューマ向けの製品じゃないので、ちょっと立ち位置が難しい端末だったりします。
あれこれ私も文句言っちゃいますが、そういうモノを求めている層に向けてリリースしているわけではないので仕方ないっちゃ仕方ないです。
教育現場での利用に関しては、管理者側も使う側もChrome OSであるからこそのメリットがあると思いますし、使う側は気軽に持ち運べたり、スタイラスを活用できたりとタブレットであるからこそ使い勝手の良さがあると思います。
より丈夫になったのなら、なおさらですし。
余談ですが「Tab 10」で気づいたことは、与えられた環境であれこれ試行錯誤する楽しさを見出す方がディスってるより幸せになれるんじゃないかなということ。
まとめ
ということで、「ASUS Chromebook Table CT100」と「Acer Chromebook Tab 10」についてスペックや外観を比較してみました。
個人的な意見で言えば、子供に使わせたりフィールドワークで持ち運びがあるなら「ASUS CT100」の方が安心・安全で良さそうな印象です。
そうでなければ、ぶっちゃけどちらを選んでも良さそうだなあという感じがしています。
ただ、取扱に関する不安は少ないですし、スペックに差もないことからも、これから新規購入するなら「ASUS Chromebook Tablet CT100」がオススメしやすいかな。
しかし発売時期や価格についてはまだわかっていませんので、すぐにでも使ってみたいとなると「Acer Chromebook Tab 10」を選ぶべきかと思います。
教育市場への投入ですし、仮に日本展開があるとすれば2月中とかに発売されないと予算取りとか間に合わないだろうから、もしかしたら近いうちに発表がある可能性もありますね。
今の時点ではこんな感じですが、実機が出たら感想が替わるかもしれませんので参考程度にとどめておいて頂ければ幸いです。