ASUS Zenfone 11 Ultra を実機レビュー。新しいデザインで大きくなってゲームでもちょうど良い

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ASUS Zenfone 11 Ultra を実機レビュー

今回の記事では、ASUS JAPAN が国内発売した「ASUS Zenfone 11 Ultra」の実機レビューをお届けします。なお、本レビューにあたり実機の貸出を受けています。

「ASUS Zenfone 11 Ultra」は、今年3月にグローバルで発表されているモデルで、前世代とはまた異なるデザインと素材を採用し、より大型サイズになったことが特長になるモデルです。カメラ性能の向上やディスプレイの輝度の向上、さらにオンデバイス AI 機能も組み込まれました。AI 以外でも日常生活での使いやすさという点では、IP65/IP68 防水・防塵を備え、日本向けモデルにはおサイフケータイ(Suica)も搭載されています。

OS は Android 14 ベースの Zen UI で動作しており、画面内でアプリをフローティング表示するエッジツール機能やアプリを複製することのできるツインアプリ機能といった独自機能のほか、最大2回の Android OS メジャーアップデートと4年間のセキュリティアップデートを保証されています。

ということで、まずは「ASUS Zenfone 11 Ultra」のスペックから紹介していきます。

目次

スペック

OSZen UI
based Android 14
ディスプレイ6.78インチ
2400×1080
1-120Hz LPTO
最大144Hz
AMOLED
最大2500nits
CPUSnapdragon 8 Gen 3
RAM12GB
16GB
※LPDDR5X
内部ストレージ256GB
512GB
※UFS4.0
外部ストレージ
リアカメラ50MP ジンバル OIS (Sony IMX890)
13MP 超広角(120度)
32MP 望遠(3倍光学ズーム、OIS)
フロントカメラ32MP (RGBW センサ)
ポートUSB-C
3.5mm イヤホンジャック
ネットワーク5G/4G
Wi-Fi 7
Bluetooth 5.3
NFC
Felica(おサイフケータイ)
バッテリー5,500mAh
65W有線高速充電
15Wワイヤレス充電
その他ディスプレイ内指紋センサ
IP65IP68 防塵・防水
ハイレゾ、aptXロスレス
nanoSIM デュアル
サイズ163.8×76.8×8.9mm
重さ約224g

基本的な構成は海外向けモデルと代わりませんが、日本向けでは Felica / おサイフケータイ に対応していることが大きなポイントとなります。

国内向けでは RAM とストレージ容量により2つの構成で展開され、12GBRAMと256GBストレージモデル、16GBRAMと512GBストレージモデルとなっています。なお、今回レビューしている実機は12GBRAMと256GBストレージを搭載しているベースモデルです。

デザイン

まずは本体のデザインですが、今回の実機は背面カラーがデザートサンドとなります。触り心地はツルっとしていて少し滑らせそうですが、サイズが大きいことでしっかりとフィットします。背面には ASUS の A をモチーフにしたデザインが採用されています。

背面部分で目立つのはカメラ部分の厚みで、おそらくジンバルスタビライザーが搭載されている影響だと思いますが、それなりに厚みがあります。このあたりのデザインは ROG Phone 8 に近いです。

本体の右側面にはボリュームボタンと電源ボタン、下部には USB-C ポートと3.5mmイヤホンジャックがあります。

イヤホンジャックは通常持ちのときに下にコネクタとケーブルが来るため、縦持ちしているときには気になりません。USB−C ポートも左よりにあるため、右利きであれば充電しながら使うときにも邪魔になりません。ただ、横持ちしたときにはどちらも手の位置と被るため注意が必要です。

ディスプレイは6.78インチと最近のフラッグシップモデルらしい大きさで、最大144Hzリフレッシュレートをサポート、1Hzから120Hz までの可変リフレッシュレート(自動/60Hz/120Hz)も備えています。

普段の使用でも滑らかなスクロールなどを実現し、ゲームなどではよりスムーズに表示することができます。また、高解像度で色再現度も Delta-E <1、DCI-P3 107% 色域をカバーしているためはっきりとしているため、動画やゲームもキレイな画面で見ることことができます。

なお、本体はIP65/IP68 防水を備えているため、突然の雨濡れたり、水没させてもすぐに拾えば使い続けることができるため、水場で使うことがあるときでも安心です。

全体的なデザインは昨年の ASUS Zenfone 10 とも異なり、どちらかと言えば ROG Phone 寄りとなっています。ゲーミング独自のカスタム機能はなく、より日常生活に向いているデザインになっているため、ROG Phone シリーズだと少し派手で、Zenfone 10 では小さすぎると感じていたユーザーには良い1台になります。

実際の使用感

まず、ASUS Zenfone 11 Ultra のパフォーマンスですが、参考までに実際のデバイスで測定したいくつかのベンチマークを紹介しておきます。いずれもデフォルトの場合(高性能ではなくダイナミック)のスコアとなっています。

Snapdragon 8 Gen 3 を搭載しているのでスマートフォンでは現行で最高クラスの性能を持っており、よほど特殊な使い方をしない限り基本的な作業はもちろんゲームに至るまで非常にサクサク使うことができます。なお、スコア的にはパフォーマンスモードにするともう少し改善するため、軽めのゲームであればデフォルトのダイナミック、重たいゲームや処理を優先したい場合には高性能(パフォーマンス)に切り替えればOKです。

少なくとも私が最近プレイしているファイアーエムブレム ヒーローズではほぼ問題はありませんし、原神も少しプレイしましたがダイナミックのままで動作が重くなることは特にありませんでした。

バッテリー駆動時間に関しては、1時間ぶっ通しで FEH をプレイしてみたところ8%程度の消費でしたので、普段使い+アルファで少しゲームをする程度であれば、朝から夜までバッテリーは持つと思います。Zenfone 10 よりもバッテリー容量が多いことはメリットの一つだと思います。

仮にバッテリーが減ってもモバイルバッテリーで充電できますし、65W急速充電により0%から100%までの充電時間は約39分と非常に早いため、困るシーンはそこまで多くないはずです。ワイヤレス充電に対応している点も取り回しがしやすくて良いですね。

なお、ゲームをプレイすると発熱はそれなりにあるため、特に高負荷なゲームを長時間プレイする場合には、冷却システムが強化されて専用クーラーもオプションで用意されている ROG Phone 8 を選ぶほうが安心です。とは言え、ちょっとした空き時間にプレイするくらいなら Zenfone 11 Ultra で何も問題はありません。

あと、充電しながら使うときでもバイパス充電に対応しているため発熱を極力抑えることができます。これによりバッテリーへの負担が減らせるというメリットもあります。ゲームプレイ中は ROG Phone シリーズと同様に ASUS 独自機能のゲームアシストツール Game Genie をスワイプ操作から呼び出し、様々な便利機能を使うことができる点も地味なメリットです。

また、昨年の Zenfone 10 からアップグレードされている一つにはカメラがあり、Zenfone 10 では50MP(ジンバルスタビ、OIS)メインカメラと 13MP 超広角カメラのデュアル仕様でしたが、50MP(ジンバル、OIS、EIS、ロスレス2倍ズーム)のメインカメラと13MP超広角カメラ、さらに 32MP(3倍光学ズーム、最大30倍ズーム、OIS) 望遠カメラが追加されました。これは ROG Phone 8 シリーズとほぼ同じです。

実際にいくつかの場所で写真を撮影してみましたが、写真の色もはっきりと出ており、0.7〜3倍ズームまでは非常に精細な画像になっています。望遠カメラを使って撮影する機会の多いユーザーでも合うデバイスです。

一方、動画撮影でも被写体をリアルタイムで検出(人間、犬、猫)してフォーカスし、映画のように背景に少しボケをポートレート動画や手動シャッターや撮影時間を設定してトラフィックライトやライトグラフィティ、滝などのシーンを撮影できるライトトレイル機能があります。これらの機能も魅力ですが、ASUS Zenfone 11 Ultra にも6軸ジンバルモジュールとOIS/EIS 手ぶれ補正が搭載されているため、歩いたり走ったりしていても動画の振れをかなり抑えられることが大きなメリットになります。

スポーツやアクティビティ時や思い出の動画を撮影するときにはとても便利です。そのため、安定した動画撮影を考えてるユーザーにも Zenfone 11 Ultra は良い選択肢になると思います。

この他にも Zenfone 11 Ultra ではいくつかの AI 機能が利用でき、AI 文字起こし機能(ベータ版)、AI 通話翻訳機能(ベータ版)、AI 壁紙生成機能(約2.4GBのイメージキットをダウンロードする必要がある)、AI 画像検索機能(ギャラリーアプリ内)、AI ノイズキャンセリングといった機能をオンデバイスで使うことができます。また、Zen UI の便利機能として画面内に別のアプリをフローティングで表示する機能やインストール済みのアプリをもう1つ複製するツインアプリ機能、音楽や動画アプリでバックグラウンド再生や通知の変更などを行える Video Genie 機能などが含まれています。

価格

最後に価格についてですが、ASUS Zenfone 11 Ultra は2つの構成が選択でき、2つはRAMとストレージ容量による違いです。

  • 12GBRAM / 256GB ストレージ : 139,800円
  • 16GBRAM / 512GB ストレージ : 159,800円

Zenfone 11 Ultra は139,800円からとなっており、ROG Phone 8 シリーズよりも少し手頃な価格で購入することができます。一方、上位モデルは ROG Phone 8 (16GBRAM/256GBストレージ)と同じ価格設定になっています。

そのため、ASUS Zenfone 11 Ultra は ROG Phone 8 ほどゲーム向けの機能やオプションを必要としないユーザーで、大きな画面でハイスペックなスマートフォンを探しているユーザー向けの機種となります。

まとめ

ASUS Zenfone 11 Ultra はパフォーマンスと機能ではゲーミングスマートフォンと遜色のないレベルですが、アタッチメントなどによる拡張性や安定性では一歩譲ります。しかし、日常でも使いやすいデザインかつ大きなディスプレイになったことで、幅広い用途に対応できる1台だと思います。

昨年の Zenfone 10 からサイズが大きくなったことはユーザーによって良し悪しで、コンパクトでハイエンドなモデルを求めていたユーザーには Zenfone 10 はピッタリでした。一方、新しい Zenfone 11 Ultra はどちらかと言えば ROG Phone に近づいており、もう少し大きいサイズを求めていたユーザーや ROG Phone 8 よりも控えめなデザインかつ少し手頃な価格でカメラやゲーム機能を使いたいというユーザーにおすすめできるモデルです。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Product Marketing Manager

Professional ChromeOS Administrator 取得者。これまでに40台以上の Chromebook を試し、業務でも Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行う。本業はアクセス解析や広告運用、ときにPMM。プロフィールはこちら

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