Google ChromeOS には Android デバイスと Chromebook を統合するいくつかの機能があり、そのうち一つには Android デバイス間でシームレスなファイル共有のできる「クイック共有 (Quick Share)」も含まれています。
今回、この「クイック共有」がピアツーピアの Wi-Fi 接続 (Wi-Fi ダイレクト)を ChromeOS でもサポートするよう開発に取り組まれていることが報告され、今後のアップデートによってこのサポートが追加されれば、現在の「クイック共有」よりもより高速でファイル転送が可能になることが期待できます。
もともと「ニアバイ シェア (Nearby Share)」と呼ばれていた「クイック共有」は、Android デバイス、Chromebook (ChromeOS デバイス)、Windows PC の間でファイルを共有できる仕組みで、Android と ChromeOS には組み込まれているものです。
「クイック共有」は Bluetooth または Wi-Fi によるファイル転送をサポートしており、Bluetooth は近くのデバイスをスキャンするために使われますが、実際のファイル転送は Wi-Fi が優先されます。これは Bluetooth が Wi-Fi よりもデータの送信速度が遅いためです。
デバイス同士で同じ Wi-Fi ネットワークに接続すれば Wi-Fi による転送が可能になりますが、そうでない場合が問題になります。現在取り組まれている開発では、これを解消するために Wi-Fi Direct を使用すると、ルーターやアクセスポイントを必要とせず Wi-Fi 対応デバイス同士で直接接続できるようになるため、場所やネットワークに関係なく高速なファイル転送が「クイック共有」でも可能になります。
現時点では ChromeOS は Wi-Fi ダイレクトをサポートしておらず、「クイック共有」もその機能を活かしきれていません。しかし、Google の ChromeOS チームは過去数ヶ月の間、ピアツーピアの Wi-Fi サポートの実装に取り組んでおり、ここ数日で ChromeOS に Wi-Fi ダイレクトを有効にするためのフラグを追加するコード変更が行われています。
とは言え、この変更がいつ Chromebook に展開されるのかはまだわかりません。Wi-Fi Direct をサポートする Wi-Fi チップは最新モデルではなくても対応しているため、この機能が有効になれば既存の Chromebook でもサポートされる可能性があります。