MediaTek は新しいフラッグシップモバイルプロセッサとなる MediaTek Dimensity 9300 を正式に発表しました。MediaTekによれば、新しいDimensity 9300は昨年リリースされた Dimensity 9200 よりもパフォーマンスの大幅な向上と消費電力の改善が行われており、Qualcommの新しい Snapdragon 8 Gen 3 プロセッサと主要なベンチマークでは同等の性能を達成したことを伝えています。
Dimensity 9300 は、MediaTekがパフォーマンス重視とする All Big Core アーキテクチャを備えており、最大3.25GHzで動作する4つの Cortex-X4 CPU と 最大2.0GHzで動作する4つの Cortex-A720 CPU を採用しています。これによりシングルコアパフォーマンスが15%向上、マルチコアパフォーマンスに関しては40%向上したとしています。
以前にリークされたベンチマークスコアと同じように、MediaTekも自社におけるAnTuTuスコアは200万ポイントを超えたとしており、これはSnapdragon 8 Gen 3 とほぼ同等のベンチマークスコアです。
また、Arm Immortalis G720 GPUを搭載したことで、特定のゲームベンチマークでは以前のプロセッサからGPUパフォーマンスが46%向上しており、新しいAPU 790 AI プロセッサによって機械学習のパフォーマンスも大幅に向上し、最大8倍の処理速度となっています。
この他には、Android 14 の Ultra HDR フォーマットをサポートすることや、最大6.5Gbpsの Wi-Fi 7 をサポート、シームレスな5G接続のための5G R16 モデムが搭載されていることなどが紹介されました。
性能面ではかなり期待できるプロセッサですが、実機での使用感がまだわからないため詳細については実機レビューを待つしかありません。なお、直近ではDimensity 9300を搭載するスマートフォンはVivo X100およびX100 Proが登場すると言われています。