現状のChromebookでゲームをするとなれば、ブラウザ版アプリかAndroidアプリ、クラウドゲーミングサービスを利用してのゲームプレイが主軸です。特にマシンパワーを必要とするAAAタイトルなどはGeForce NOWやXbox Cloud Gamingを利用するしかなく、Googleはクラウドゲーミング向けとしたChromebookも発表しています。
そしてChromebookでゲームをプレイするための新たな選択肢として、GoogleとValveが協力したことによってChromeOSでもローカル環境でもAAAタイトルをプレイできるプラットフォーム「Steam」の展開が始まりました。
ただ、「Steam on ChromeOS Beta」という名称のとおりベータ版という扱いで、リリース初期に比べて対応デバイスは増えましたが、それでもまだごく一部のデバイスでしかベータ版のプレイを行うことができません。そこで今回は記事執筆時点で対応しているChromebookをまとめておきます。
対応しているChromebookは?
対応するChromebookが増えたとは言え、ある程度のスペックが必要になるため対象数は限られています。先月の時点では、インテルの第11世代Core i3以上もしくはAMD Ryzen 3(5000シリーズ)以上のプロセッサ、8GBRAM以上が必要となります。
Steam on ChromeOS Beta の公式対応機種は以下のとおりですが、日本国内で販売されているモデルとそうでないモデルに分けておきます。なお、日本発売済みで※が付くものは法人向けモデルになります。
日本発売済み
- ASUS Chromebook CX9 (CX9400)
- ASUS Chromebook Flip CX5 (CX5500)
- ASUS Chromebook Flip CX5 (CX5601)
- ASUS Chromebook Vibe CX55 Flip
- Lenovo ThinkPad C14 Chromebook ※
- HP Elite c645 G2 Chromebook ※
- HP Elite Dragonfly Chromebook ※
- HP Pro c640 G2 Chromebook ※
海外のみ
- Acer Chromebook 514 (CB514-1W)
- Acer Chromebook 515 (CB515-1W)
- Acer Chromebook 516 GE
- Acer Chromebook Spin 514 (CP514-3H, CP514-3HH, CP514-3WH)
- Acer Chromebook Spin 713 (CP713-3W)
- Acer Chromebook Spin 714 (CP714-1WN)
- Acer Chromebook Vero 514
- Framework Laptop Chromebook Edition
- HP Elite c640 14 inch G3 Chromebook
- IdeaPad Gaming Chromebook 16
- Lenovo 5i-14 Chromebook
- Lenovo Flex 5i Chromebook 14
このリストは記事執筆時点で確認できているものであり、新しいモデルが追加されるとリストも更新されるため、当サイトもそれに合わせて反映させていく予定です。
海外だと案外多くの機種が対応していますが、日本ではASUSのChromebookがほとんどで、他メーカーに関しては一部法人向けモデルのみが対応しています。つまり個人ユーザーが購入できる機種は基本的にASUSのChromebookしかありません。日本も最近は海外から大きく遅れずに新しいモデルがリリースされていますが、ほとんどはCeleron~Pentiumあたりのスタンダードなモデルです。ハイエンドの需要が限られているからだと思いますが、今後に期待したいですね。
Steam on ChromeOS Beta を有効にするには?
続いてChromebookで「Steam on ChromeOS Beta」を有効にする方法です。Canaryに比べて非常に簡単になりました。ChromeOSのバージョンが108.0.5359.24 以降で有効にできます。
- サポートされているChromebookで、OSをベータチャンネルに切り替える
- 更新後にフラグ chrome://flags##borealis-enabled を有効(enable)にする
- 再起動してChromeOSのランチャーから”Steam”を検索
- 指示に従ってSteamをインストール
- Steamアカウントでログインしてゲームプレイ
このような手順となっています。これでChromebookでSteamを経由してゲームプレイが可能になりますが、すべてのゲームが機能するわけではありません。機能するゲームに関してもGoogleがリストを公開しています。
現在対応しているゲームは?
以下がそのリストになりますが、公式より引用しているためタイトルが英語になっています。
公式に確認できているゲームですが、一部はパフォーマンスに影響が出ているものやバグ報告などもあり、さらにゲーム内の設定を手動で調整してパフォーマンスを最適化する必要があります。重たいゲームほど解像度を下げたり、他のウィンドウを閉じてバックグラウンド動作を減らしたり、グラフィック設定も下げたりすることでパフォーマンスを最適化して、ようやくプレイできるわけです。
このあたりがWindowsなどのゲーミングPCやクラウドゲーミングサービスなどと違って手間のかかるポイントですが、現時点ではあくまでベータ版となりますので今後解決することに期待したいですね。
最後に
現時点ではベータ版となる「Steam on ChromeOS Beta」ですが、これがStable(安定版)へと展開される日付は特に決まっていません。公式によれば準備が整い次第拡大するという言い方になっています。
またChromebookは一部の高品質・高解像度ゲームをプレイするためのハードウェア(外部GPU)を搭載する機種がないため、現状ではサポートされないと考えておくべきです。しかし今後は登場する可能性がありますので、そうなれば対象ゲームとデバイスが更新されるはずです。
Steam on ChromeOS Beta に何か進展があれば、改めてお伝えしていきます。
- Steam on ChromeOS Beta – The Chromium Projects