ここ1〜2年の間でスタイラスペン対応として発売されたChromebookは、USI(Universal Stylus Initiative)規格に対応していることがほとんどです。
このUSIペンの大きなメリットとして、ペアリングが必要なく、同じUSI規格に準拠しているペンとデバイスであればどれでも使えるというもので、特に最近リリースされた新しいバージョンUSI 2.0は、ペンをワイヤレス充電できるようになったり、傾斜や強弱の認識機能が向上、対応色彩も増えるなどの大きな改善が行われていました。
デバイスを選ばず使えることが魅力なわけでしたが、どうやら新バージョンのUSI 2.0のみに対応したデバイス(Chromebook)は、古いバージョンのペンをサポートしていないことが報告されています。
この問題はChrome UnboxedがUSI 2.0をサポートした「Lenovo Duet 3 Chromebook」(今年5月に海外で発表されたタブレットタイプの新モデル)をレビューした際に報告しており、既存のUSIスタイラスペンの一部がデバイスで動作しないとこと伝えています。
どうやら、問題の原因は「Duet3 Chromebook」に採用しているディスプレイパネルにあり、USI2.0でしかサポートされていない技術を用いているため、それに対応していないUSI1.0規格のペンは正しく機能しない可能性があるとしています。
ですので、同じくUSI 2.0規格を採用している「HP Chromebook x2 11」の場合は下位互換のあるディスプレイとなっているため、1.0のスタイラスペンを使っても問題は起こらないことも伝えています。これについては私も実機で検証済みです。
つまり、現状ではデバイスとペンが対応している規格で以下の5つのパターンがあり、そのうちデバイスが2.0のみをサポートしているデバイスでUSI1.0規格のスタイラスペンを使うときに問題が生じる可能性があるということです。
つまり現状ではデバイスとペンが対応している規格に以下の4つのパターンがあり、そのうちデバイスが2.0(のみ)をサポートしている場合にUSI1.0規格のスタイラスペンを使うときに問題が生じる可能性があるということです。
- 【○】USI 1.0 ペン × USI 1.0 デバイス
- 【○】USI 2.0 ペン × USI 1.0 デバイス
- 【○】USI 2.0 ペン × USI 2.0 デバイス
- 【○】USI 1.0 ペン × USI 2.0(下位互換あり) デバイス
- 【X】USI 1.0 ペン × USI 2.0(新規格のみ) デバイス
全てのUSI2.0規格のChromebookで問題が起きるわけではないことが救いですが、ユニバーサルを謳った規格なのにこのような問題が早速起こってしまったことは残念です。なお、USI側もこの問題について把握しており、リリース前に解決に取り組んだものの解決には至らなかったことを伝えているようです。
Source: Chrome Unboxed, 9to5Google