2020年9月から、国内ではクラウドファンディングサイトのCampfireで出資を募っていた「Unihertz Jelly 2」ですが、もちろん私も出資しまして2月中旬頃にようやく到着となりました。
この「Jelly 2」ですが、日本で販売するモデルはFelica(おサイフケータイ)に対応した限定モデルとなっているため、3インチという超コンパクトさを活かして電子マネー決済用端末として期待できる1台です。
また2021年2月20日から公式ストアにて日本国内向けモデルの予約販売を開始しており、手軽に購入できるようになりました。ということで今回は、Felicaを搭載する3インチの超コンパクトスマートフォン「Unihertz Jelly 2」のレビューをしていきます。
実機レビュー
では実機レビューに入る前に、「Jelly 2」の基本仕様(スペック)と付属品から紹介しておきます。
基本仕様
OS | Android 10 |
ディスプレイ | 3インチ 854×480 326ppi |
CPU | MediaTek Helio P60 |
RAM | 6GB |
内部ストレージ | 128GB UFS2.1 |
外部ストレージ | microSD |
リアカメラ | 16MP AF |
フロントカメラ | 8MP FF |
ネットワーク | Wi-Fi ac Bluetooth 4.2 |
ポート | USB-C イヤホンジャック |
バッテリー | 2,000mAh |
その他 | 指紋センサ 顔認証 NFC/Felica(おサイフケータイ) DSDS 赤外線ポートあり プログラマブルキー |
サイズ | 95×49.4×16.5mm |
重さ | 110g |
まずは基本仕様ですが、見た目の割にミドルレンジ寄りのスペックとなっています。
3インチとコンパクトなディスプレイですが、326ppiとなっているため画質は良いと思います。
CPUにはタブレットなどでも採用されているMediaTekのHelio P60に6GBRAMを搭載し、128GBストレージにmicroSDスロットも備えています。
リアカメラは16MP、フロントカメラは8MPを搭載、指紋センサやNFC/Felica、USB-Cポートなど低価格かつコンパクトモデルであっても外していない構成なのが特長です。
バッテリーが2,000mAhと一般的なサイズのスマートフォンに比べると少ないですが、本体サイズやそもそもできることが限られる(サイズ的に)ため、案外この容量でも何とかなります。
あとは対応バンドも幅広くカバーしているのが特長です
- GSM: 2/3/5/8
- WCDMA: 1,2,4,5,6,8,19
- TDSCDMA: 34/39
- FDD/TDD LTE: 1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/28A/28B/34/38/39/40/41/66
- CDMA2000: BC0/BC1
ソフトバンクとドコモ、楽天の回線を使って試してみましたが電波は問題なく掴みました。
コンパクトながら欲しい機能はちゃんと含まれているのが今回の「Jelly 2」の利点だと思います。
付属品
続いて本体以外に同梱されていた付属品を紹介しておきます。
取説と充電器(日本用プラグ)、USB-C to Aケーブル、画面保護フィルムの予備、ここに写っていませんがストラップもあります。
また「Jelly 2」は、最初から本体に画面保護フィルムが貼られていますので、それとは別に予備も含まれていることになります。
特殊なサイズなので、フィルムが欲しいとなってもすぐ購入できないため、こういう配慮は嬉しいですね。ただ、そこまで良いフィルムでないことと画面のフチまでしっかりカバーできていないのは仕方なし。
また上の画像を見て何となくわかって頂けると思いますが、柔らかい樹脂素材の透明な保護ケースも本体に付属しています。
本体はコンパクトだか厚みはそれなり
本体の外観をチェックしていきますが、「Jelly 2」のサイズ感のイメージはこんな感じです。めちゃくちゃコンパクト。
まずはディスプレイ側から。
3インチとコンパクトですが、上下に幅広なベゼルがあり、とくに下側にはハードウェア側にナビゲーションボタンが搭載されています。
Android 10になってからジェスチャーナビゲーション操作ができるようになりましたので無用になりがちですが、Jelly 2のようにサイズが小さいと、誤操作もしづらくあると便利でした。
続いて側面。
左側面にはボリュームボタン、上側面にはイヤホンジャックと赤外線センサー、右側面には電源ボタンとプログラマブルキー(色がついているボタン)、SIMカード&MicroSDスロット、USB-Cポート、下側面にはスピーカーとマイクがあります。
充電用のUSB-Cポートが一般的なスマホのように下側面ではなく右側面にあることと、色がついている右側面のボタンは電源ではなくプログラマブルキーであることに注意が必要な程度です。
あと側面の写真を見ていただくと感じるかもしれませんが、3インチとコンパクトサイズですが厚みはそれなりにありますので、ポケットに入れると少しモッコリします。
裏面に行くと、シングルカメラと指紋センサ、Unihertzのロゴと並んでFelicaのロゴがあります。
上の画像だと少し青色が強いですが、実際にはもう少しグリーン寄りのメタリックカラーとなっています。
ちなみに指紋センサが搭載されていますが、個人的にはそこまで反応が良いとは思わなかったので、顔認証と合わせて使う方が便利かなと思います。
ピュアAndroidに近いのでスッキリとした中身
「Jelly 2」は、奇抜な独自UIなどは備えず、純粋なAndroidに近いUIのため非常にシンプルでスッキリとしています。
プリインアプリはいくつかありましたが、基本的にはUnihertzのツールキットみたいなもので、余計なゲームなどは含まれていないのは好感が持てます。
ただ注意したいのは、ランチャーはAndroidで一般的なドロワーではなく、iPhoneのように全アプリが表示される点です。
シンプルな操作感といえばそうなんですが、大量にアプリをインストールしてしまう人だとどこに何があるかわかりづらくなってしまう可能性があります。ただ、このサイズだとできることは限られるので、そんなことにもならなと思いますが。
動作はキビキビ、普段使いなら問題なし
正直、コンパクトなスマホの動作感に良い印象はなかったのですが、「Jelly 2」は想像以上にしっかりと動いてくれますし、普段使いのスマホとしても十分使える程度の性能はあると思います。
一応、実機で測定したGeekbenchのベンチマーク結果を掲載しておきます。
低価格帯のスマートフォンとしては、エントリーというよりミドルレンジ寄りの結果となっていますので用途は限られますがこれで十分だと思います。
このサイズだとゲームはしないだろうし、作業という作業もできないので、そう考えると非常に優れていると思います。
カメラは及第点だけど実用的
「Jelly 2」には16MPのリアカメラが搭載されていますが、正直キレイに撮影できるわけではありません。
しかし酷すぎるということでもないため、その性能はまずまずと言ったところです。
ちゃんときれいに残しておきたいものには向きませんが、例えば後で思い出すためだったり、仕事ならホワイトボードや書類をとりあえず撮影しておくという使い方なら問題なしだと思います。
Felica(おサイフケータイ)も問題なし
「Jelly 2」のウリは間違いなくコレだと思いますが、SuicaやQUICPayなどは問題なく使えます。
また付属している透明なケースを付けていてもちゃんと反応しますので、安心してお使いください。
基本的にFelicaやSuicaなどの決済で困ることはないと思いますが、もしiPhoneからの乗り換えやiPhoneのサブ機として持ちたい場合、一部のカードやサービスがGoogle Payでは使えない可能性があるため、その点は事前に確認するなどしてください(例えばオリコやアメックスのQuickPayはAndroidだと使えない)。
ちなみに本体サイズがコンパクトなので、例えばPayPayやスターバックスカードのバーコード決済(バーコードが表示された画面を見せてピッてやってもらうやつ)するときが心配でしたが、いずれも問題なく決済することができました。
余談ですが、ほとんどの店員さんはこのサイズが珍しいようで「Jelly 2」を見せるとウケてくれます。
バッテリーの持ちも悪くはないけど無難なところ
2週間ほどJelly 2をメインとして使ってみましたが、バッテリーの持ちはそこまで悪くないものの、ちょいちょい触っていると思っているよりも減ったなという印象があります。
私の場合、日中にGoogleニュースやInoreader、Smartnewsで情報収集をしたり、Google ChatやSlackで連絡をとったり、5分程度の電話を数回という感じだと、だいたい8時間で40〜50%あたりまで減りました。
電話とか通知の量が少ないときであれば、12時間で半分くらいという感じです。
思っているよりも減ったとは言え、私の使い方であれば1日は余裕で持ちましたし、いざとなればモバイルバッテリーでも充電可能なのでメインでもサブとしても優秀だと思います。
全体的に使いやすいけど、メインで使うには小さすぎた
性能面やFelicaなどの機能面を考えても、メイン機でもいけるんじゃないかと思いましたが、やっぱりチャットベースのコミュニケーションツールとしては小さすぎて厳しいのが正直な感想です。
サイズが小さいと当然ながら表示される文字も小さく、表示量も少ないので、それを確認するのが少し手間だったり、キーボードも小さいため文字入力は快適とまでは言えません。
ただ、通話がメインでメールやチャットはあまり使わないもしくは閲覧するだけ、テザリングができて、おサイフケータイがあれば良いという人であれば十分に使えます。
ビジネス用のガラケーを使ったことがある人であれば、アレを置き換えるにはちょうど良いスマートフォンというイメージだと思います。
あるいはノートパソコンやタブレットの相棒として、もしくはいま使っているスマートフォンなどがFelicaに対応していないけど、買い換えるよりサブで使える機種が欲しいと思っている人にも良い選択肢です。
またコンパクトさを活かしてキッズ用ケータイとしても良いかもしれません。
価格も手頃なので試すにもちょうどよい
冒頭でもお伝えしているとおり、これまではクラウドファンディングのリターンとしてでしたが、Felica搭載の日本向けモデルがUnihertzの公式ストアで予約販売を開始しています。
価格も219.99ドル(約24,000円ほど)と手頃な価格ですので、サブとしてちょうど良いと思います。
まとめ – 優秀なサブ機としておすすめ
ということでざっと「Unihertz Jelly 2」のレビューをまとめましたが、おサイフケータイ付きの超コンパクトさを活かして決済用のサブデバイスとして優秀なのでオススメです。
おサイフケータイ付きでコンパクトなスマホを探している人や子どもに持たせるスマホを探している人、あるいはビジネス用途のサブや通話メインのサブが欲しいと思っている人は、「Unihertz Jelly 2」をチェックしてみてはいかがでしょうか。