Acerの新型Chromebook15といえば、どちらかと言うと「Chromebook Spin 15」の方が話題に挙がりがちな気がしますが、今回は同時に発表されている「Chromebook 15 (CB315)」について取り上げようと思います。
実はこの15インチのChromebookは、昨年後半にもAcerから「CB515-1HT-P39B」というモデルがリリースされています。それから1年経たずに新しいモデルがリリースされたということもあって、個人的にとても気になったということ。
というわけで、2017年発売の「Chromebook 15(CB515-1HT-P39B)」と2018年発売の「Chromebook 15(CB315)」のスペックなど比較していこうと思います。
CB315とCB515の比較
2018年モデル CB315 | 2017年モデル CB515 | |
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ディスプレイ | 15.6インチ IPS 1,920 × 1,080 タッチ対応 | 15.6インチ IPS 1,920 × 1,080 タッチ対応 |
CPU | Celeron N3350 Celeron N3450 Pentium N4200 | Pentium N4200 |
RAM | 4GB 8GB | 4GB |
内部ストレージ | 32GB 64GB | 32GB |
外部ストレージ | microSD | microSD |
ポート | USB-C ×2 USB3.0 ×2 | USB-C ×1 USB3.0 ×2 |
キーボード | バックライトつき | バックライトなし |
バッテリー | 最大13時間 | 最大14時間 |
サイズ | 幅384.5 × 奥行256.2 × 厚み20.0mm | 幅377.9 × 奥行256.0 × 厚み19.0mm |
重さ | 1.81kg | 1.95kg |
価格 | $349 約39,000円 | $399.99 約44,000円 |
スペックについてはこんな感じです。
「CB315」のCPUですが、搭載CPUがいくつか存在しており、最近アップされているハンズオン動画などではPentium4200やCeleronN3350を搭載しているものがほとんどのようです。ここでは公式サイトに掲載されていたCPUのCeleronN3350モデルをベースとして価格を出しています。
いずれもChromebookだけでなく最近のモバイルノートパソコンにも多く採用されているCPUで、実績もあり安定しているプロセッサを採用しています。
一応、ざっくりとCPUの比較をしておくと…
Celeron N3350 | Celeron N3450 | Pentium N4200 | |
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リリース | 2016年9月 | 2016年9月 | 2016年8月 |
コア数 | 2 | 4 | 4 |
スレッド数 | 2 | 4 | 4 |
動作周波数 | 1.1Ghz | 1.1GHz | 1.1GHz |
最大動作周波数 | 2.4GHz | 2.2GHz | 2.5GHz |
内蔵グラフィックス | Intel HDGraphics 500 | Intel HDGraphics 500 | Intel HDGraphics 505 |
PASS Mark | 1159 | 1640 | 2066 |
このような性能となっています。
先に価格についてコメントしておくと、CeleronN3350とPentiumN4200は約7,000円ほど価格差があるため、今回掲載しているCB315とCB515のCPU性能の差が影響していると思われます。そのためCB315もN4200搭載モデルであればプラス5〜7,000円程度となることが想定されます。
といってもChromebookであればいずれのCPUを選択しても快適に動作しますのでご安心ください。
搭載RAMについても、CB315のベースモデル(N3350)は4GBRAMとなっており、旧モデルのCB515と変わりはありません。しかし新型「CB315」は8GB搭載モデルも選択できるようになるため、複数のタブを開いて作業することを考える場合は8GBを選べるのは強いと思います。
内部ストレージに関しても、「CB315」のベースは32GBで旧モデルと変わりはありません。しかしこちらも64GBを選ぶことができるので、私のようにChromebookでLinuxなどをデュアルブートすることを考えている方は、ストレージ容量に余裕のある64GBを選べるのはありがたいですね。
外部ストレージはいずれもmicroSDによる増設が可能となっていますが、最大容量については不明です。
ポート周りは旧モデルより強化されており、「CB315」はUSB-Cポートが2つになっています。旧モデル「CB515」はUSB-Cポートは1つなので、少々使いづらいところはありますよね。実は私がいま使っている「Chromebook R13」もUSB-Cが一つしかないので、外部出力などの際にちょっと不便を感じています。このあたりはうまく改善してきたという印象です。
そして特徴なのが、「CB315」はバックライトキーボードを搭載しているということ。旧モデル含めバックライトを搭載している機種は少ないので、この価格でバックライト付きっていうのはとても良いんじゃないでしょうか。どうしても暗いところで作業する必要が出たときに、あると安心ですし効率も上がります。あとカッコイイ。
バッテリー駆動時間については、大きな変化はないようです。カタログ値的には1時間の違いがありますが、おそらく実働では差が見られないと予想できます。海外のレビューを見る限りでは、大体8〜9時間は持つというコメントが多々見受けられたので、おそらく1日外出したとしても問題なくバッテリーが持つ程度には仕上がっているようです。
しかし、持ち運びを考えたときに新モデル、旧モデルともに重さがネックではあります。
「CB315」は旧モデルより改善されたといっても約1.8kgありますから、バックに入れて持ち運ぶというのは少々キツイ気がしますね。日常的に同じような重さのノートパソコンを利用している方や社内・部屋内の移動であればそこまで苦は感じないと思いますけど、私のように軽さ命!のような方には結構しんどいと思います。
この点はSpinになっても大きく変わりないのがとても残念な気がします。といっても、Acerはいつも重いので慣れっこかもしれませんが(笑)
価格については先程も書きましたが、両者とも40,000円を超えてきますが、新型「CB315」は選択するスペック次第というところです。
あまりスペックを上げるのであれば、もう一つの新型「Chromebook Spin 15(CP315)」を選択する方が良いかもしれませんが、個人的にはCeleronN3450程度の性能で良いのであれば、この「CB315」を選ぶ方がコストパフォーマンスが良いような気がします。このあたりも搭載RAM数やストレージ容量がどのような構成になるか、というところですが。
しかし旧モデルは定価で44,000円($399)程度となっていますが、海外Amazonでは約40,000円($363.99)ですしBestBuyでは約38,000円($349)となっているため、新型と比較するとやや安く購入することができます。
価格を抑えたい方は旧モデルという選択肢もありそうです。
まとめ
ということで、ここまで新型の「Chromebook 15 CB315」と旧型の「Chromebook 15 CB515」を比較してみました。
当初は差があまりない感じがありましたが、細かく見ていくと新モデルは旧モデルの足りない部分をうまくフォローできている感じがあります。
なおスピーカーについてはどうしようもなかったので割愛しています。海外レビューやYoutubeなどで探せばおそらくあるはず…。
ちなみにいずれもAndroidアプリの実行は可能になっていて、新型「CB315」はLinuxアプリへの対応も早期に行われるそうです。
新型のCPUがN4200になったときの価格次第ではありますが、できれば価格を抑えたいという方や複雑なことはしないという方には旧モデルの「CB515」で十分かと思いますが、Linuxアプリや今後を見据えてできるだけ新しいChromebookが欲しいという方には新モデル「CB315」がおすすめできそうですね。
より上位のスペックが必要ということなら、「Chromebook Spin 15」を選ぶということもできますが、あとは予算の兼ね合いというところでしょう。
新型の「Chromebook 15 CB315」は5万円以内で15インチほどの大型のノートパソコン、Chromebookが欲しいという方には間違いなくおすすめできる1台だと思います。
ただ5万円くらいになると、Windowsノートパソコンにもそれなりの選択肢が増えてくるので、Windowsソフトをどうしても使う必要がある方はちょっと注意して考えた方が良いかもしれません。
このあたりの使い勝手などはChromebookユーザーに質問などしてみるのも良いかも。家電量販店の店員さんとかだとそもそもChromebookわかってない方も多いので(体験上)。
現時点は新モデルの「CB315」が購入可能なタイミングや国内での販売については不明なところが多いですので、今後の動向に注目です。
といっても実は日本Acerの公式ページにCB315のページが日本語で出ていましたので、近いうちに販売されそうですね。