Acer Chromebook Spin 713(CP713-2W)をレビュー。ハイスペックで最もおすすめできる1台

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今回は、海外でも評判の良いハイスペックモデルの今後のスタンダードモデルとなりそうな「Acer Chromebook Spin 713(CP713-2W)」を購入したのでレビューしていきたいと思います。

Acerは、8月25日に突如として複数のChromebookを国内向けに発表していますが、そのうち最もハイエンドなモデルが「Acer Chromebook Spin 713」です。いつぞやの展開と同じく、私は発表2週間ほど前に米国Bestbuyで購入し、到着を待っている段階で国内発表、そしてその2日後に届いたという、まるで狙ったかのような流れでショックが大きい…。

それはさておき、「Acer Chromebook Spin 713(CP713-2W)」のスペックからおさらいです。

目次

Acer Chromebook Spin 713 のスペック

今回私が購入したモデルと国内発表モデルを紹介しておきます。

 購入したモデル国内発表モデル
ディスプレイ13.5インチ IPS
2,256 × 1,504
360度ヒンジ
CPUCore i5-10210UCore i3-10110U
RAM8GB
内部ストレージ128GB PCIe NVMe64GB eMMC
外部ストレージmicroSD
ポートUSB-C(3.1) ×2
USB-A(3.1) ×1
HDMI ×1
イヤホンジャック
ネットワークBluetooth 5.0
Wi-Fi 6
その他バックライトキーボード
MIL-STD 810G
US配列
USI対応(オプション)
バッテリー最大10時間
サイズ300.6×235×16.8mm
重さ1.37kg
価格629ドル
(実質9万円ほど)
89,800円
(税込)

本来はCeleronからCore i7まで複数ありますが、海外ではCore i5モデルが主流となっていて、日本ではその一つ下のCore i3モデルが販売されることになりました。

ディスプレイなど見た目の部分は基本共通していて、MILスペックやバックライトキーボード、Wi-Fi 6、前モデルより軽い1.37kgなど、より実用的で高い次元でバランスの取れたスペックになっているのが特長です。

モデルによる主な違いは、CPUとストレージ容量と規格にあります。

私が購入しているのは、Core i5-10210Uと8GBRAM、128GB PCIe NVMeストレージを採用しているモデルで、海外での本体価格は629ドル(約67,000円)とかなりコストパフォーマンスに優れています。

しかし日本から購入する場合には、代理購入が必要(このモデルはBestBuyで購入するしかない)なため、転送料金と輸入費用諸々を含めて9万円ほどかかりました。

この点から考えると性能に違いはありますが、わざわざ代理購入と転送を利用して手間を考えると、国内のCore i3モデルが9万円程度という価格でも損をすることはないと思います。

ちなみに国内でもUS配列キーボードとなっているため、いよいよ無理に輸入する必要もなかったかも…。

ベンチマークを比較

Corei 5-10210UとCore i3-10110Uのベンチマークを参考までに比較しておきます。

項目は順に、PASSMark、GeekbenchのSingleとMulti、Octaneスコアとなっていて、このうちCore i5モデルは実測値、Core i3モデルは参考値です。

この2種類を比較するとそれなりの差を感じますが、第10世代のCore i3は十分にハイスペックで、第8世代のCore i3やi5のUシリーズを上回る性能になっていますので、コーディングやLinuxを前提としない場合なら、Core i3-10110Uでも満足の行く性能だと思います。

開封と同梱物

まずは化粧箱から。

このモデルはハイエンドですが、化粧箱ではなくダンボールに入っています。

Acerらしいといえばらしいですが、より実用的なモデルであるというイメージです。

同梱品は、充電ケーブルと取説類が同封されています。

今回は海外モデルなのでミッキーですが、国内では一般的な日本向けプラグが同梱されるはずです。

では外観などを含め実際の使用感をレビューしていきます。

MILスペック、軽めで扱いやすい

パッと見た感じは、最近流行りのマグネシウム合金系のような雰囲気がありますが、実際には樹脂製のボディとなっています。

サイズと厚み、MILスペックに準拠した堅牢性の割に1.37kgと比較的軽めという特長がありますので、置いても持ち運んでも使いやすいChromebookだと思います。

厚みの比較のため「Pixelbook」と重ねてみましたが、1.8倍くらいの差があります。

また、13.5インチと一般的なノートパソコンに比べて縦幅が良くも悪くも広いため、13インチにピッタリのバッグやスリーブなどによっては収まらない可能性があるので注意が必要です。

キーボードとトラックパッドも十分快適

私が購入したものも日本で販売されるものも、英語配列キーボードとなります。

Chrome OSらしい配列で、コンバーチブルタイプですので右上のキーはロックキーになっており、電源ボタンは側面にあります。

キーはしっかりと押し込んだ感じがありますが、深すぎず浅すぎないため、そこまで力を入れなくてもタイピングできるので、わりと使いやすいと思います。

キーピッチも一般的でバックライトも搭載しています。

わずかにキーと筐体に隙間があるのでゴミなどは心配ですが、これは他の機種にも言えることなので、そこまで気にすることでもないかな。

あと筐体はプラスチックですが、キーボード部分のパーツも柔らかすぎずちゃんとした剛性はあります。

トラックパッドはわりと大きめで、縦7.7cm、幅10.6cmと扱いやすいサイズです。

トラックパッドは滑りも反応も良く、押し込んだ際のクリック音もそこまでうるさくないため、ここも一般的なChromebookという仕上がりです。

パームレスト部分はサラッとした感じ

筐体がプラスチックということでパームレストのベタつきなどを気にしましたが、「Acer Chromebook Spin 713」はサラッとした触感(パウダーっぽいというかザラッというか)です。

そのため長時間作業していても、ベタっとした感じもありません。

また熱も感じにくいので夏場の季節でもそこまで気にならず良いと思います。

ポート類も充実して使いやすい

AcerのChromebookの特長かもしれませんが、ポートもしっかりと揃っていて家庭でも学校でも仕事でも使いやすいモデルです。

左側面にはUSB-C、USB-A、イヤホンジャック、MicroSDカードスロット。

右側面にはUSB-C、HDMIポート、電源ボタンとボリュームボタンが備わっています。

左右のUSB-CとUSB-Aポートがあるので使いやさは一般的なChromebookですが、HDMIポートも備わっているので、外部モニタの使用やプロジェクターに繋げる場合には重宝すると思います。

また私の場合、USB-C対応モニタにつなげながら別のモニタにHDMI出力しているので、この機種ならハブも使わず一つのUSB-Cポートを自由に使えるというメリットがあります。

外部モニタやプロジェクターにHDMIで接続する可能性のある人で、ハイスペックなChromebookを探しているなら「Acer Chromebook Spin 713」はかなりおすすめできる1台だと思います

傾斜のつくヒンジで排熱対策も

購入するまで全然意識していませんでしたが、「Acer Chromebook Spin 713」は天板を開いて行くと90度以上の角度で天板部分が下に回り込み、キーボードに傾斜がつくタイプとなっています。

review-acer-chromebook-spin-713-67

90度以上に開いていくと…

こんな風に本体が持ち上がり、傾斜がつくようになります。

最終的にはタブレットモードとしても利用可能です。

またChromebookにはファンレスが多いですが、「Acer Chromebook Spin 713」はファン付きモデルとなります。

上部分(ヒンジ側)が給排気口

ヒンジによって本体が持ち上がることで、キーが少し打ちやすくなるだけでなく、本体底面に設置されている給排気口部分のスペースも確保されますので熱対策にもなっています。

たださすがに、34インチ(3,440×1440)と24インチ(フルHD)へ出力すると常時ゆっくりとファンは回ります。

ビデオ会議でも落ちにくい

最近のWeb会議需要が高まり、私もこれまで「Pixelbook Go」などChromebookを使ってGoogle MeetやSkype、Zoomなどをやりましたが、ファンレスであるためか20〜30分も経つとかなり本体が熱くなりますし、固まってしまうことも多々ありました。

しかしAcer Chromebook Spin 713にしてからは、熱も多少はマシな感じがしますし落ちにくくなったとも感じますので、ファン付きなことはメリットだと思います。

また、電源を入れたときに一瞬ファンが大きく(早く)なりますが、それ以降は一般的な使い方をしている限りはほとんどファンの音は気になりません。

ある程度の時間、Youtubeなど動画を閲覧しながら他のことをするとファンが回り出したりしますが、十分に静かな部類だと思います。

ディスプレイは高解像度でキレイ

13.5インチに3:2のアスペクト比となっていて、解像度は2,256 × 1,504と高解像度になっています。

2014×1313で使用中

グレア液晶であるためやや反射が強いことは気になりますが、どこでもフルHD以上の解像度で作業ができますし、縦が広いディスプレイなのでどこでも広く作業領域を取れるのは大変に便利です。

360度ヒンジでテントモードやタブレットモードにも利用が可能で、USIスタイラスペンにも対応しています。

ただ正直なところ、13.5インチをタブレットとして使うのはキツイので、このようにテントモードにしてプレゼン資料を流してみたり、動画を閲覧するときにうまく活用する方が良いと思います。

ペンは”USI”スタイラスペンです

公式サイトにも書かれていませんでしたが、「Acer Chromebook Spin 713」が対応しているスタイラスペンは一般的な電子ペンではなく新規格の”USI”ペンです。

USIスタイラスペンを使えば、メーカーや機種に左右されず、ペアリングも不要なので自由に使うことができます。

私は13.5インチの大きさを活かして、メモを書いたり簡単なイラストを描いたりするにはちょうどよいと思います。

ただ、これも利用するアプリによって若干の違いが出てきますので、注意する必要があります。

個人的には簡単なメモはGoogle Keep、ノート書きのようなものはAndroidアプリのSquidを使いましたが、気合を入れなければこれでも十分使えると思います。

全体性能も文句なし

「Acer Chromebook Spin 713」が手元に届いてから、ほぼ全ての作業を「Spin 713」でこなしていますが、さすが第10世代CPUとフルHD+の高解像度だけあって、家でも出先でもストレスなく作業をこなせます。

思わぬ誤算だったのは、ストレージも高速なおかげだと思いますが、LinuxだけでなくLightroomなども読み込み、書き込みがとてもスムーズで、とにかくChrome OSでどうしてもモッサリと感じてしまう部分が大体解消できているという点です。

Chrome OSだけで完結するならCore i3でも十分だと思いますが、より快適な動作やLinuxの利用を考える方はCore i5モデルを選ぶと、もっと幸せを感じるはずです。

バッテリーの持ちも非常に良い

出先(スタバ)でYoutube Musicで音楽を流しつつ、Chromeタブを20〜30個開いた状態でLightroomやGravit Designerなどを使いつつ半日くらい作業していましたが、大体7時間くらいは余裕で持つ感じです。

輝度を下げたり、作業量を調整すれば8時間は確実に持ちそうな感じがありますので、出張や外で長時間作業をするような方でも十分使えるモデルになっています。

大きな問題点はほぼないが…

実際にこの数日使っていて、正直完成度はめちゃくちゃ高く大きな問題点はほぼありません。

あえて挙げるとすれば、スピーカーの音(位置)とWebカメラの性能くらいでしょうか。

スピーカーの音が少し気になる

このように底面に設定されているため、使っている机などによっては音がイマイチに感じることもあるかもしれません。

この点は外付けスピーカーやイヤホン、ヘッドホンで解決できますので、気になる人は気になる…という位置づけだと思います。

Webカメラが720pなこと

この他に私が使っていて気になると言えば、Webカメラが720pであることでしょうか。

「Pixelbook Go」や「Duet Chromebook」など一部の機種は1080p対応Webカメラを搭載しているため、本体内蔵のカメラでもキレイな画質で撮影することが可能です。

とりあえず会議できればいい、という状態なら何も問題はないと思いますが、少し気合を入れて高画質でやりとりしたいときなどは別途外付けWebカメラなどを用意する必要になります。

それでもUSB-Aポートが一つあるおかげで、ハブなどを使わなくてもChromebookと接続できるので、ここもフォローできる問題だと思います。

あえて言うならこの2つくらいが気になった点ですね。

厚みがあるとかもう少し軽ければ‥という気持ちもありますが、MILスペックの安心感もあってか多少雑にしても気軽に持ち運べるというメリットがあるので、これはこれでありかもしれない。

まとめ – 現状のハイスペックはこれがベストです

ということで、ざっと「Acer Chromebook Spin 713」の実機レビューをまとめてみました。

最近はこんな感じで使ってます

私が実際に使ってみて感じたことは、とにかく高い次元でまとまっていて、ハイスペックでありながらスタンダードなChromebookと同じく気兼ねなく使えますし、性能面や価格面を見てもある意味でハイエンドChromebook基準点になるようなモデルが「Acer Chromebook Spin 713」だと思います。

ただし冒頭でも書いていますが、このモデルは海外輸入のハードルが少し高く費用も高めになるので、誰しもにオススメできるわけではありませんが、お金を出してでもより良い体験をしたいのであれば、Core i5 / 8GBRAM / 128GB PCIe NVMeストレージはおすすめできます。

一方、できる限り手間を抑えてハイスペックモデルを体験したいという方は、サポートなどを含めても安心できるため、10月23日に発売される国内版モデル(Acer Chromebook Spin 713 CP713-2W-A38P/E)を購入することをおすすめします。

とにかく「Acer Chromebook Spin 713(CP713-2W)」は、ハイエンドなChromebookを求めている一般ユーザーにとって、現状ではベストな選択肢になると思いますので、もし興味のある方は購入を検討してみてはいかがでしょうか。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Product Marketing Manager

Professional ChromeOS Administrator 取得者。これまでに40台以上の Chromebook を試し、業務でも Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行う。本業はアクセス解析や広告運用、ときにPMM。プロフィールはこちら

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