この記事では、2025 年 10 月 26 日から 11 月 1 日までの 1 週間にあった、Chromebook / ChromeOS および関連するサービスなどについての主なニュースやアップデートをまとめています。
今週は次のようなトピックがありました。
- MediaTek が Chromebook 向け新チップ「Kompanio 540」を発表
- Core Ultra 5 搭載「Acer Chromebook Plus Enterprise 714」を北米で正式発表
- Core 3 N355 搭載「Lenovo Chromebook Plus 2-in-1」が米国 Best Buy で発売
- その他、マイナーアップデートや開発中の機種、セール情報など
以下、各トピックの詳細を簡単に紹介します。
MediaTek が Chromebook 向け新チップ「Kompanio 540」を発表
MediaTek が、学生向けの Chromebook に最適化された新チップ「Kompanio 540」を発表しました。
このチップはこれまで「MT8189」と呼ばれていたもので、Kompanio 838 (MT8188) をベースとしながらも、「Kompanio 520」の後継チップとしてリリースされました。
そのため、現在教育向けやエントリークラスの Chromebook に採用されている「Kompanio 520」から、CPU のシングルコアは 50% 向上、マルチコアは 30% 向上、グラフィックス性能は 75% 向上、バッテリー駆動時間も最大 35% 向上と、大幅なパフォーマンス向上となっています。
Kompanio 540 を搭載する Chromebook は、2026 年 1 月以降に各メーカーから順次発売される予定です。
なお、Kompanio 540 (MT8189) を搭載する Chromebook については、以下の記事で開発状況をまとめています。
「Acer Chromebook Plus Enterprise 714 (CBE794-1)」が北米で正式発表
今年 5 月に Acer 公式サイトに突如掲載された「Acer Chromebook Plus 714」のエンタープライズ向け 2025 年モデルが正式に発表されました。
この「Acer Chromebook Plus Enterprise 714 (CBE794)」は、120Hz リフレッシュレートを備えた 14 インチ 1,920×1,200 解像度ディスプレイ、Intel Core Ultra 5 115U、最大 16GB RAM と最大 512GB SSD を搭載したハイエンドモデルです。
また、2 つの USB-C / Thunderbolt 4 ポートや 2 つの USB-A ポート、HDMI、Ethernet などを備え、タッチ対応で最大 20.5 時間、タッチ非対応で最大 15 時間というバッテリー駆動時間も備えています。
企業向けの Chromebook として非常に優れたパフォーマンスを持つモデルですが、北米での販売価格は 1499,99 ドル(約 22.8 万円)と高額です。
現時点では、日本国内での展開について明らかにされていないものの、日本語ページが公開されていたことから、企業向けでの展開は十分に考えられます。
単純な性能とコストで考えたら、同じ Core Ultra 5 を搭載した「ASUS ExpertBook CX54 Chromebook Plus」のほうが手頃かもしれません。
Core 3 N355 搭載「Lenovo Chromebook Plus 2-in-1」が Best Buy で発売
Lenovo は新たに Intel Core 3 N355 プロセッサを搭載した「Lenovo Chromebook Plus 2-in-1」を、米国 Best Buy で発売しました。
このモデルは、今年 1 月に CES 2025 で発表されており、日本でも 3 月頃から教育・法人向けで販売を開始している「Lenovo Chromebook Plus 2-in-1」の CPU 違いです。
先行して販売されているモデルは Core 5 120U と Core 7 150U を搭載しているため、ややコスト高の印象があるため、Lenovo は CPU をワンランク落として Core 3 N355 を搭載し、価格も控えめのモデルを投入したと考えられます。
Best Buy では 579 ドル(約 8.8 万円)で販売されており、Chromebook Plus としてはミドルクラスにあたる構成ですが、教育や一般ユーザー向けに良い選択肢になると考えられます。
Core 3 N355 を搭載するモデルの日本投入については不明ですが、すでに上位 2 モデルが展開されていることから、投入される可能性は十分にあります。
ChromeOS 141 の 2 回目のマイナーアップデート展開、遅れていた機種もアップデート
ChromeOS 141 に 2 回目のマイナーアップデート(141.0.7390.134)が展開されました。
このアップデートにより、Kompanio Ultra を搭載する Chromebook Plus や一部教育向けモデルなど、アップデートの提供が遅れていたデバイスも最新バージョンに更新されます。
大きな問題などは発生していませんが、一部デバイスでは ChromeOS 141 のメジャーアップデート以後に、「タッチパッドが反応しない、または動作が不安定になる」という問題が報告されています。
開発中の機種とセール情報など
最初にお伝えしている Kompanio 540 を搭載する Chromebook に、新しく「Finley」と呼ばれるデバイスの開発が始まりました。現状では詳細は不明なものの、これにより Kompanio 540 を搭載する Chromebook は 12 種類が開発されていることになりました。
今週は Amazon で「スマイルSALE」を開催しています。対象となっている Chromebook は多くありませんが、タブレットタイプの「Lenovo Chromebook Duet 11 Gen 9」や Intel N150 と 8GB RAM を搭載する 14 インチクラムシェルタイプ「ASUS Chromebook CX14 CX1405」がお買い得となっています。
また、今週は以下のような How To 記事を投稿しました。
まとめ
今週の Chromebook 関連ニュースは、MediaTek が学生向け Chromebook の新チップ「Kompanio 540」を発表したことが最大の話題です。
ハードウェア面では、Acer のハイエンド法人向け「Chromebook Plus Enterprise 714」や、Lenovo の Core 3 N355 搭載「Chromebook Plus 2-in-1」も登場し、日本での投入にも期待です。
また、今後登場予定の Kompanio 540 搭載モデルや ChromeOS 142 以降の動向にも注目です。引き続き主要なアップデートや開発状況を追ってお伝えしていきます。


