Google は 2025 年 11 月の Workspace Drop を発表し、Gemini 3 を基盤にした AI 機能の強化を中心に、スライドや Vids、Gemini アプリ、Meet、Gmail、ドライブなど主要アプリへの新機能導入をまとめて紹介しました。
今回は資料作成、会議、PDF 処理、動画生成まで幅広い領域で Gemini を活用できるようになるアップデートで、日常業務の時短につながる内容が中心です。
Nano Banana Pro が登場。スライド・Vids・Gemini アプリで高品質な画像生成が可能に
Google は新しい画像生成モデル 「Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)」 を正式に導入しました。
これは従来の画像生成よりも精度が高く、文字入りの図版やインフォグラフィック、構成の複雑な画像も破綻なく作れるのが特長です。
特に Google スライド では恩恵が大きく、「Beautify this slide」をクリックするだけでスライド全体を自動で整えたり、Help me visualize から詳細な指定を加えて画像・スライド・インフォグラフィックの形式を選び、内容を微調整することもできます。
デザインスキルがなくても、視覚的に統一された資料を短時間で作れるため、Google Workspace を日常的に使うビジネスユーザーには大きなメリットとなります。
Gemini 3 Pro が Gemini アプリに提供開始。高度な推論が資料作成にも活用可能に
Gemini 3 Pro が Workspace ユーザー向けの Gemini アプリに提供されました。
これにより、テキスト・画像・表・チャートをまたいだ推論性能が向上し、複雑な文章の読み解きやデータ分析、企画のアイデア出しがより正確になりました。
回答の読みやすさも改善されているため、ビジネス文書の整理やプレゼン資料の要点抽出などにも活用しやすくなっています。
Gmail・Meet・チャットの会議関連 AI 機能が強化。準備から振り返りまでを自動化
今回の Workspace Drop では、会議まわりの AI 機能が大きく強化されています。
Gmail:Help me schedule が会議時間を自動提案
メールの内容と Google カレンダーの空き状況をもとに、会議候補を Gmail から直接提示できるようになりました。メールのやり取りを何往復もする必要がなく、日程調整が大幅に効率化されます。
Meet:「Gemini に相談」が会議中でも提供
会議中に遅れて参加しても、Gemini に相談によって「ここまでの内容」をリアルタイムで要約できるようになりました。議論のポイント確認や抜け漏れチェックもその場で行えます。
チャット:Google Meet のチャットをそのまま Google チャットでやり取りが継続可能に
Google Meet のメッセージや共有ファイルが会議後もチャットに引き継がれるようになりました。会議で決まったタスクをチャット上ですぐに行動につなげやすくなり、チームの作業フローが途切れなくなります。
ドライブ:PDF を AI が「音声解説」を出力できるように
Google ドライブ上の PDF を Gemini が解析し、ポッドキャスト風の音声解説を生成できるようになりました。
長い文書でも、移動中や家事の合間に「聞いて理解」できるため、業務資料の下読みが圧倒的にしやすくなります。生成された音声はドライブの新しい「音声解説」フォルダに自動保存され、モバイルや PC からすぐ再生できます。
Vids:最大 3 つの画像と文章から 8 秒の動画を生成
Workspace の動画作成アプリ「Vids」では、Veo 3.1 を使った複数の画像から動画を生成する機能に対応しました。
これにより、複数の画像と短い指示文から、統一感のある 8 秒動画を自動生成できます。
プレゼン動画の素材づくりや社内オンボーディング、商品説明など、短尺クリップを頻繁に作る現場にとって時短効果が大きい機能です。
まとめ
2025 年 11 月の Google Workspace 関連のアップデートでは、日常の業務でさらに Gemini が活用しやすくなるものでした。
とくに Google スライドのデザイン自動化、PDF の音声概要、会議のリアルタイム要約とチャットの引き継ぎ、Vids の高品質動画生成などは、実用性の高い機能と言えます。
なお、Google によると 12 月の Workspace Drop は一旦お休みで、次回は 2026 年 1 月に再開される予定です。引き続き、HelenTech ではアップデート情報を追っていきます。


