Android 版 Chrome ブラウザに、Web サイトに共有する位置情報をより細かく制御できる新しいオプション「おおよその位置情報 (approximate location)」が試験的に導入されていることが分かりました。
この機能は Android 版 Chrome のバージョン 142.0.7444.171 で確認されており、Web サイトごとに「おおよその位置情報」だけを共有できるようになります。
Web サイトごとに「おおよその位置情報」だけを共有可能に
Android のシステム設定で以前からアプリ向けに「正確」と「おおよそ」の 2 段階の位置情報権限を提供していましたが、今回の新機能は Chrome ブラウザ内でも Web サイト単位の位置情報精度を切り替えられるようになります。
従来は Chrome アプリ全体に対して「正確」または「おおよそ」のどちらか一方を設定する必要があり、アプリ側で「おおよそ」にすると地図サービスやナビなど、正確な座標を必要とするサイトの動作に支障が出るケースがありました。
そのため、Chrome アプリ自体には正確な位置情報の権限を与えつつ、個々の Web サイトには「おおよそ」だけを設定するといったことが可能になります。

例えば、天気やニュースのローカル情報だけを知りたいサイトに対して、GPS レベルの位置情報を提供せずに済むため、プライバシー保護の観点でもメリットがあります。
テスト段階のため利用できる環境は限定的
Android Authority によれば、この位置情報設定は A/B テストとして実施されている可能性が高く、全ユーザーに表示されているわけではありません。
なお、筆者の環境 (Pixel 10 Pro / Chrome 142.0.7444.171) でもフラグ「Approximate Geolocation Permission (#approximate-geolocation-permission)」有効にすることで、機能を確認することができました。

まだ開発中の機能となるため、有効にしても設定部分が英語表記のままとなっています。
まとめ
Android 版 Chrome がテストしている「Web サイトごとのおおよその位置情報」機能は、位置情報を必要とする Web サービスを日常的に使うユーザーにとって、プライバシーと利便性の両立に役立つものと言えます。
正式リリース時期は不明ですが、すでに Android で導入されていることや、フラグでも利用可能になっていることから、近々のアップデートで導入される可能性があります。


