Wildcat Lake を搭載する開発中の次世代 Chromebook について、これまで「Ojal」と「Matsu」という 2 つのリファレンスボードが確認されていましたが、新たに 3 つ目のリファレンスボード「Kodkod」と Matsu の派生版となる新しいベースボード「Ocicat」の開発が明らかになりました。
いずれも開発が始まったばかりで詳細は限られていますが、筆者が確認した開発中コードから分かった現時点の情報をまとめます。
第 3 のリファレンスボード「Kodkod」が新たに確認
新しく確認されたボード名は 「Kodkod」 で、これが Ojal と Matsu に続く 3 つ目のリファレンスボードになります。

Chromebook の開発では、Google が複数の“ひな形(リファレンス)”を用意し、それをもとに OEM が実際の製品を設計していきます。
今回 Kodkod が追加されたことで、Wildcat Lake にはすでに 3 系統のリファレンスが並行して動いていることになります。
Kodkod は、現時点の情報を見る限り Ojal をコピーしたもので、筐体の構造、ポート配置、バッテリー構成などもほぼ同等になると考えられます。

そのため、デバイスはクラムシェルタイプになり、2 つの USB-C ポートと 1 つの USB-A ポートを備える可能性があります。また、キーレイアウトから 14 インチ以下のテンキーレスが想定されます。
「Matsu」から派生した新ベースボード「Ocicat」も登場
もうひとつの新情報として、Matsu をベースにした派生ボード 「Ocicat」が確認されました。

これまで Wildcat Lake はリファレンス段階にとどまっていましたが、「Ocicat」は実際にメーカーが開発に使う“実機向けベースボード”の位置づけで、これが最初の Wildcat Lake 搭載 Chromebook となる可能性があります。

仕様の詳細やどのメーカーが採用するかは不明ですが、Matsu を元にしている点から、タッチ対応のコンバーチブルタイプ、2 つのUSB-C、1 つの USB-A を搭載し、こちらもキーレイアウトから 14 インチサイズ以下になると予想されます。
リファレンスのみだった Wildcat Lake に派生ボードが登場したことで、製品化に向けた準備が実際に進み始めているサインと言えます。
まとめ
今回、Ojal と Matsu に加えて Kodkod(第 3 のリファレンスボード)、さらに Ocicat(Matsu 派生の実機向けベース)が登場したことで、Wildcat Lake の開発ラインは少なくとも 4 系統が並行して進んでいることになります。
このうち実際の製品に最も近いのは Matsu 系列の派生である Ocicat と見られ、Kodkod を含むリファレンス 3 系統は OEM が採用するための基盤としての役割が中心になると予想されます。
Intel N シリーズ(N100 など)の後継として、Wildcat Lake が Chromebook の次期エントリー〜スタンダードクラスを担うチップセットとなる可能性は高く、今後メーカー情報や実機の存在が明らかになっていくはずです。
HelenTech では、このほかにも現在開発中の Chromebook に関する情報を追っています。


