Google は、2025 年 10 月の「Workspace Drops」として、Gemini を活用した新しい生成 AI 機能や、データ保護を強化するセキュリティアップデートなどを発表しました。
Gemini によるストーリーテリング機能をスライド・Vids・Gemini アプリに拡大
Google Vids は月間 250 万人以上が利用する動画作成ツールで、Gemini による AI 支援で動画制作がより簡単になっています。
今回のアップデートでは、最新の動画生成モデル「Veo 3.1」を導入し、音声品質や映像のリアリティ、ナレーション制御を改善しました。
さらに、Google スライドのプレゼンテーションを Vids に変換して、スクリプトや音声、BGM を含む動画として生成できるようになっています。
また、Gemini アプリからトピックを指定するだけで自動的にスライドを生成し、テーマや関連画像を含めたプレゼン資料を作成・エクスポートできるようになりました。
Gemini によるスプレッドシートの研究・分析支援を強化
Google スプレッドシートでは、Gemini が複雑なデータ操作や分析を自動で処理する新機能を追加しました。
たとえば、「アーカイブ済みの行を削除し、条件付き書式を適用し、備考欄を追加して」といった複数の操作を 1 つのプロンプトで完了できます。
また、AI 関数にウェブ検索機能が追加され、スプレッドシート上の企業名リストから関連ニュースを自動収集するなど、リサーチ用途にも対応しました。この AI 関数は、日本語を含む 8 言語(スペイン語、ポルトガル語、日本語、韓国語、フランス語、イタリア語、ドイツ語)に拡大されています。
ドライブと Gmail に新しい AI セキュリティ機能を追加
Workspace 全体のデータ保護強化として、AI を活用したランサムウェア検知機能が Google ドライブに導入されました。
Windows・macOS 向けのデスクトップ版 Google ドライブ において、AI が不審なファイル挙動を検出すると同期を自動停止し、被害を最小限に抑えます。加えて、ファイルの一括復元機能により、破損前の状態にロールバックすることも可能です。
Gmail では、組織外の受信者を含むあらゆるメール宛先に対してエンドツーエンド暗号化を提供し、外部送信時でも機密性を維持します。
また、Microsoft 365 と並行運用できる「Business Continuity」プランも発表され、災害時や障害発生時の業務継続をサポートします。
Gemini が Meet・チャット・ドライブのモバイルに拡大
Gemini はより多くのアプリに統合され、利用シーンが拡大しています。
- Google Meet:音声翻訳機能を拡張し、英語とドイツ語・フランス語・イタリア語・ポルトガル語・スペイン語の双方向翻訳に対応。声のトーンや抑揚も保持したリアルタイム翻訳が可能です。
- Google チャット: メールやドキュメント同様に、文法修正やトーン調整を支援する「Help me refine」機能を追加。また、長文スレッドを自動要約するオンデマンド要約機能も追加されています。
- Google ドライブモバイル版: スマートフォンから直接 Gemini を使い、長文ドキュメントの要約や内容検索を実行できます。
提供開始時期
これらの新機能は順次、Google Workspace 利用者向けに展開されています。Gemini の統合によって、より効率的かつ安全な業務環境が実現される見込みです。
出典: Google Workspace


