Google が、Android のファイル共有機能「Quick Share(旧 ニアバイシェア)」に新しいセキュリティ強化機能を追加する準備を進めていることが明らかになりました。
今後、「高度な保護機能(Advanced Protection)」を有効にしているユーザーでは、ファイル送信時に追加の確認操作が求められる可能性があります。
Quick Share に送信確認機能を追加
Android Authority の Mishaal Rahman 氏によると、Google は Quick Share の通信基盤である「Nearby」ライブラリに、advanced_protection_enabled という新しいフラグを追加しました。このフラグが有効な場合、ファイル転送時に送信者側で確認操作が求められるようになります。

現在の Quick Share では、受信側は転送を承認する必要がありますが、送信側は制限なく転送を開始できる仕様です。そのため、他人が一時的にスマートフォンを操作して不正にファイルを送信するリスクが残っていました。
しかし、今回の変更により、「高度な保護機能」を有効にしている端末では、送信時に本人確認を求める仕様へ切り替わる可能性があります。
「高度な保護機能」とは
「高度な保護機能」は、Android 16 で導入された包括的なセキュリティ設定で、システム全体の安全性を強化する複数の保護機能を一括で有効化できます。
このモードをオンにすると、以下のような追加保護が適用されます。
- Google 電話アプリで「通話 ID」と「迷惑電話対策」を自動有効化
- Google Chrome が HTTPS 接続を強制し、JavaScript の最適化を無効化
- 対応アプリが「高度な保護機能」を検出して独自の防御機能を有効化
Quick Share の新機能も、この仕組みと連携して動作する設計とみられます。「高度な保護機能」に関するより詳しい内容や、設定方法などについては以下の記事をご覧ください。
生体認証による確認の可能性も
現時点では、送信確認がどのように実装されるかは不明ですが、単なる確認ダイアログの可能性というだけでなく、指紋認証や顔認証などの生体認証を求める仕様になることも考えられます。
後者の場合、スマートフォンを不正に操作された際の「ファイル窃取」を防ぐ効果が期待できます。
まとめ
Google は近年、「盗難保護機能」や「デバイスのロック後の保護」など、物理的な窃取や不正操作を防ぐ新機能を段階的に導入しています。
Quick Share の送信確認機能は、こうしたセキュリティ強化の流れに沿ったものであり、Android 16 世代での総合的な保護体制の一部といえます。
現在は開発段階とみられますが、今後の Google Play 開発者サービスや Quick Share アプリの更新により、段階的に実装される可能性があります。セキュリティを重視するユーザーにとって、注目すべきアップデートとなるかもしれません。


