AppSheet Enterprise Plus ユーザー向けに、Gemini を活用した新しい「AI タスク」が追加されました。
この機能により、既存の AppSheet Automation に、データの抽出・分類・要約といった高度な AI 機能を直接組み込むことが可能になります。
これまで手作業で行っていた請求書の処理やリクエストの分類などを自動化し、ビジネスプロセスの効率を大幅に向上させることができます。
Gemini 搭載の AI タスクで可能になること
新しい AI タスクは、AppSheet のオートメーション内で以下の機能を提供します。
- 抽出 (Extract / Extract Rows): アップロードされた写真や、請求書のような複雑な PDF から主要な情報を自動で抽出します。
- 分類 (Categorize): 入力されたリクエストの内容を分析し、事前に定義したカテゴリに自動で分類・割り振りします。
- 要約 (Summarize): 顧客からの問い合わせや検査ログなどの長いテキストを要約します。
また、統合されたテスト機能により、ワークフロー内の各ステップを個別に素早くテストすることも可能です。

ビジネスユーザー向けの簡単で強力な AI
AppSheet に搭載された Gemini は、高度な AI 機能を専門知識なしでアプリに組み込めるように設計されています。
- すぐに利用可能: これらの AI 機能は、複雑な設定なしですぐに利用を開始できます。
- コンテキストによるカスタマイズ: 特定のニーズに合わせて、追加の指示やコンテキストを与えることで、結果を簡単に調整できます。
具体的な活用例
Google は、以下のような活用例を一例として紹介しています。
- PDF の契約書から購入詳細を抽出し、担当チームごとに注文を分類した上で、フォローアップのアクションアイテムを割り当てる。
- 現場で撮影した写真から、機器のモデル名やシリアルナンバーなどの情報を抽出する。
- 従業員の経費申請内容を分析し、「出張」「食事」「ソフトウェア」「研修」といったカテゴリに自動で分類する。
- 顧客からの長い問い合わせ内容や、日々の検査ログなどを簡潔に要約する。
管理者向けのガバナンス機能
管理者は、組織内の AppSheet Enterprise ユーザーによる Gemini の利用状況を可視化し、制御することができます。
管理コンソールでは、以下の項目が確認可能です。
- 組織に付与されたクレジット数
- 消費されたクレジット数
- Gemini を利用しているユーザーとアプリケーション
また、ガバナンスポリシーを定義することで、AI タスクの使用を特定のユーザーに制限したり、機能自体を無効にしたりすることもできます。
正式リリースにあたっての追加改善点
プレビュー期間を経て、正式リリースにあたり以下の点が改善されました。
- 対応列タイプの拡充:
Extract
とCategorize
タスクで、REF
(テーブル間の参照)、Date
、Time
、Price
といった、より多くの列タイプを扱えるようになりました。 - 非構造化テキストからの抽出: 画像や PDF ファイルだけでなく、データソース内の非構造化テキストデータ(
Text
およびLongText
列)も抽出の対象として選択可能になりました。 - スケジュール実行: すべての AI タスクを、特定のスケジュールに基づいて自動で実行できるようになりました。
利用を開始する方法
この機能はデフォルトで有効になっており、AppSheet の管理者は、ポリシーを通じて利用を制御できます。
ユーザーは管理者が許可している限り、自身のアプリでこの機能を有効にできます。
展開スケジュールと対象プラン
この機能はすでに利用可能になっており、AppSheet Enterprise Plus を利用しているユーザーに限られます。