次世代ストレージ規格「UFS 5.0」がほぼ完成。2027年のスマホはさらに高速化へ

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Samsung Galaxy S25 Ultra のディスプレイの写真

ストレージ規格を策定する標準化団体 JEDEC が、次世代規格となる「UFS 5.0」をほぼ完成させたと発表しました。

スマートフォンの性能を左右するのは、プロセッサだけではありません。アプリの起動や写真の保存といった日常的な操作の快適さは、データの読み書きを担うストレージ性能にも大きく影響します。

新しい UFS 5.0 の登場によって、今後のスマートフォンは処理速度と電力効率の両面で大きく進化することが期待されています。

目次

UFS 5.0 がもたらす性能向上

UFS(Universal Flash Storage)は、スマートフォンなどのデジタル機器でデータの読み書きを管理するための技術規格です。今回の UFS 5.0 はその最新バージョンであり、転送速度や電力効率の大幅な改善が図られています。

UFS 4.0 の約 2 倍となる転送速度

JEDEC によると、UFS 5.0 は最大で 10.8GB/s のシーケンシャル性能(連続したデータ読み書き速度)を実現します。これは、現在のハイエンドスマートフォンに搭載されている UFS 4.0 と比べて理論上およそ 2 倍の速度にあたります。

この高速化によって、ユーザーは以下のような体感的な改善を得られる可能性があります。

  • アプリの起動時間の短縮
  • スムーズなマルチタスク処理
  • カメラの画像処理速度の向上(高画質撮影時の保存など)

AI 処理の最適化と省電力化

UFS 5.0 は単に高速化を目指すだけでなく、近年のスマートフォンで重要視される AI 処理の最適化にも貢献します。オンデバイス AI による翻訳や生成、画像編集といったタスクをより効率的に処理できるようになります。

また、ストレージの高速化は一般的に電力消費の増加を伴いますが、UFS 5.0 では動作効率を高める設計により省電力性も向上。

さらに、UFS 4.x との下位互換性も維持されており、メーカーが円滑に新規格へ移行できるようになっています。

UFS 5.0 の採用は 2027 年以降に

UFS 5.0 は現在、最終調整の段階にあります。2024 年に Samsung Semiconductor が公開したロードマップでは、2027 年に UFS 5.0 への移行を予定していることが示されています。

この計画が進めば、Galaxy S27 シリーズなど 2027 年のフラッグシップモデルで初採用される可能性があります。

一方、来年登場が見込まれる Galaxy S26 シリーズでは、現行の UFS 4.0 を改良した UFS 4.1 が搭載される見通しです。

今後は AI 処理の高度化にあわせて、ストレージ性能の重要性がさらに高まると見られます。UFS 5.0 は、次世代スマートフォンの基盤を支える中核技術となります。

出典: Android Authority, JEDEC

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著者情報

HelenTech の運営をしている 尾村 真英 です。これまでに 50台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動中で、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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