Google は Android 16 の主要なオーディオ機能の一つである「音声の共有 (Audio Share)」をアップデートし、最新の Google Play 開発者サービス v25.38 で「ファストペア (Fast Pair)」に対応しました。
これにより、Pixel スマートフォンから複数のイヤホンやスピーカーへ同時に音声をキャストする際の利便性が向上します。
音声の共有がファストペアに対応
音声の共有は、1 台のスマートフォンから複数の Bluetooth オーディオ機器へ同時に音声を再生できる機能です。友人と同じ音楽を聴いたり、複数人で映画を鑑賞したりする際に役立ちます。

これまでの音声の共有では、新しいイヤホンなどを接続する際に、手動でペアリングするか、QR コードをスキャンする必要がありました。これが今回のアップデートにより、Android の便利な接続機能であるファストペアで音声の共有を利用できるようになります。
ファストペアは、近くにある対応オーディオ機器を自動的に検出し、スマートフォンの画面に接続を促すポップアップを表示する機能です。
これにより、手動でのペアリング操作が不要になり、これまで以上に素早く、直感的に複数のイヤホンを接続して音声の共有を開始できます。
なお、記事執筆時点では、筆者の Google Pixel 10 Pro および対応デバイスで確認することはできませんでした。
対応デバイスと要件
この機能を利用するには、スマートフォンとオーディオ機器の両方が特定の要件を満たす必要があります。
対応する Pixel スマートフォン
ファストペアを利用した音声の共有は、Auracast に対応する、以下の Pixel スマートフォンで利用可能です。
- Pixel 8 / Pixel 8 Pro
- Pixel 9 シリーズ
- Pixel 10 シリーズ
なお、Pixel 8a や Pixel 9a といった a シリーズのモデルは対象外とされています。
必要なオーディオ機器の仕様
音声の共有を利用するために、接続するイヤホンやスピーカー側にも以下の仕様が求められます。
- Auracast またはブロードキャストオーディオへの対応
- Bluetooth Low Energy (BLE)
- Bluetooth 5.3 以降
これらの要件を満たすオーディオ機器を用意する必要があります。
Auracast に対応するデバイスとして、例えば Google Pixel Buds Pro 2 があります。最近では、Sony の WH-1000XM6 および WF-1000XM5 のファームウェアアップデート (v3.0.0) により、「Audio Sharing with Fast Pair」に対応しました。
Google Play 開発者サービスのアップデート方法
この機能は、Google Play 開発者サービスのバージョン 25.38 以降で提供されます。お使いの Pixel スマートフォンでアップデートを確認するには、以下の手順を実行します。
- スマートフォンの [設定] アプリを開きます。
- 一番上のプロフィール写真をタップし、[すべてのサービス] を選択します。
- 「プライバシーとセキュリティ」の項目にある [システム サービス] をタップします。
- 一覧から「Google Play 開発者サービス」を探してタップします。
- アップデートが利用可能な場合は、この画面で更新できます。

Pixel デバイス以外の場合
Pixel デバイスに限らず、音声の共有機能は他のメーカーでも独自の形で実装が進んでいます。
例えば、Samsung は以前から「デュアルオーディオ」という名称で、2 組のイヤホンに同時に音声を送信する機能を提供しています。また、Xiaomi も最近、同社のフラッグシップモデルで Auracast ベースのオーディオストリームに対応しました。
OS 標準の機能として音声の共有が進化することで、今後さらに多くのデバイスで手軽に音声共有が利用できるようになることが期待されます。