Google、アプリ操作を自動化する「Computer Control」を Android 17 向けに開発中か

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Google Pixel 9 Pro、Google Pixel 9 Pro Fold、Google Pixel Tablet のリアパネルを並べている写真

Google は、AI エージェントがユーザーに代わって Android アプリを操作する新しいフレームワーク「Computer Control」を開発していることが明らかになりました。

これは Android Authority が Android 16 QPR2 Beta 2 のコードを解析した結果、同機能の開発が進められていることに加え、将来的に Android 17 で導入される可能性があることを示唆しました。

目次

AIがスマホを操作する「Project Astra」の進化

Google は開発者向け会議 Google I/O 2025 で、次世代 AI アシスタントプロジェクト「Project Astra」のデモを公開しました。デモでは、AI がスマートフォンの画面を認識し、ユーザーの指示に応じて複数のアプリを横断してタスクを自動で実行する様子が示されました。

このデモは AI によるアプリ操作の大きな可能性を示しましたが、AI の動作が遅いことや、通知や着信などで操作が中断される可能性があるといった課題も明らかになりました。

今回発見された「Computer Control」は、これらの課題を解決し、より安定したアプリの自動操作を実現するための新しいフレームワークと考えられます。

新機能「Computer Control」の仕組み

Computer Control は、信頼されたアプリだけが他のアプリを安全かつ安定して操作できるように設計されています。

その中心となるのが「Virtual Device Manager (VDM)」と呼ばれる技術で、これは Chromebook で Android アプリをストリーミングする機能などですでに利用されています。

Chromebook で Pixel スマートフォンのアプリストリーミングをしている様子
Chromebook のアプリストリーミング

仮想ディスプレイで安定したバックグラウンド実行を実現

VDM は、ユーザーが見ているメインのディスプレイとは別に、バックグラウンドで仮想ディスプレイを作成する技術です。Computer Control はこの仮想ディスプレイ上でアプリを起動し、自動操作を行います。

これにより、ユーザーがスマートフォンをロックしている間でも AI はタスクを実行し続けることができます。また、自動操作のプロセスがユーザーの通常のスマートフォン利用を妨げることがありません。さらに、ユーザーは自動化の様子を別の画面で確認し、必要に応じて手動で操作を修正することも可能な設計になっています。

厳格な権限管理によるセキュリティの確保

Computer Control を利用するには、ACCESS_COMPUTER_CONTROL という新しい権限が必要になります。この権限は、Google やデバイスのメーカーによって署名され、許可リストに登録された、信頼性の高い特権的なアプリにしか付与されません。

一般のアプリがユーザーの許可なく他のアプリを操作することはできないため、セキュリティやプライバシーが保護される仕組みです。

Computer Control による影響と今後の期待

Computer Control は、AI によるアプリ操作を OS レベルで標準化する重要な一歩であり、この機能が実現すれば、以下のような利点が期待できます。

  • タスクの効率化: 複数のアプリにまたがる複雑な操作(例: スケジュール調整、オンラインでの注文)を、AI に一任できます。
  • アクセシビリティの向上: スマートフォンの細かい操作が困難なユーザーでも、音声指示などで簡単にタスクを実行できるようになります。

この機能は、かつて話題となった AI ガジェット「Rabbit R1」が目指した、AI がユーザーの代わりにタスクを実行するというコンセプトを、既存のスマートフォンでより洗練させて実現するものと言えます。

ただし、処理がデバイス上で完結するのか(Gemini Nano を利用)、あるいはサーバー側で行われるのかなど、まだ不明な点も多く残されています。

今回明らかになった情報は Android Authority によるコード解析に基づくものであり、Google からの正式発表ではありません。そのため、必ずしも来年の Android 17 で登場するとは限りませんが、Google が AI エージェントを Android に深く統合しようとしていることは確かです。

出典: Android Authority

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著者情報

HelenTech の運営をしている 尾村 真英 です。これまでに 50台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動中で、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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