Google は、家庭内のスマートデバイス向けに新しい AI 機能となる「Gemini for Home」を発表しました。
すでに開発者向けに発表されましたが、従来の Google アシスタントを置き換えるもので、スマートスピーカーやディスプレイだけでなく、カメラやドアベルなどのデバイスの機能も向上させます。
Gemini for Home により、デバイスとのやり取りはより会話的で、状況を深く理解するものへと進化します。
Gemini for Home の主な新機能
Gemini for Home は、より自然な会話、ハンズフリーでの専門的なサポート、スマートカメラの機能拡張など、多岐にわたるアップグレードを提供します。
より自然で文脈を理解する会話
これまでのスマートアシスタントは、特定のコマンドで操作する必要がありましたが、Gemini for Home では、人間と話すような自然な会話が可能です。
- 自然な音声と文脈理解: 10 種類の新しい自然な音声が選択可能になり、会話の文脈を維持します。例えば、「食洗機が排水されないんだけど、最初に何を確認すればいい?」と聞いた後、「フィルターは問題なさそう。次に確認することは?」と続けるだけで、Gemini は食洗機の話をしていることを理解します。
- 柔軟なメディア操作: 「石油作業員が宇宙に行って小惑星を爆破する映画の曲をかけて」といった曖昧な説明でも、Gemini は曲を理解して再生します。
- 高度なスマートホーム制御: 「オフィスの電気以外、すべての照明を消して」といった、例外を含む複雑な指示に対応できるようになります。
- 生活の調整をサポート: 「パッタイの材料を買い物リストに追加して」と頼むだけで、Gemini が必要な食材をリストアップします。アレルギーや分量に関する質問を投げかけることも可能です。
Gemini Live による自由な会話
「Hey Google, let’s chat (Ok, Google。会話しよう)」と話しかけることで、Gemini Live モードに切り替わります。このモードでは、ホットワードを繰り返す必要がなく、割り込みや話題の転換を含んだ、より自由な会話が可能です。

例えば、冷蔵庫にある食材を伝え、夕食の献立を一緒に考えたり、友人の誕生日パーティーの計画をテーマ決めからメニュー考案まで、会話形式でブレインストーミングしたりできます。
スマートカメラが「AI カメラ」に進化
Gemini はスマートカメラの機能を大幅に向上させ、単なる録画デバイスから状況を解釈・理解する「AI カメラ」へとアップグレードさせます。
- AI による状況説明: 「動きを検知」といった単純な通知ではなく、「配達員が荷物を玄関に置いて立ち去りました」のように、何が起きているかを具体的に説明する通知が届きます。
- Home Brief: 1 日の出来事を自動で要約し、重要なイベントの映像クリップとともに簡潔なレポートを提供します。これにより、長時間の録画映像を手動で確認する手間が省けます。
- Ask Home による動画検索: 「子供は何時に帰ってきた?」や「車のドアは閉め忘れていない?」など、自然な言葉で話しかけるだけで、関連する録画映像を瞬時に見つけることができます。
Ask Home で家全体をコントロール
Google Home アプリに統合された「Ask Home」機能は、自然言語による新しいコマンドセンターとして機能します。
- 自然言語でのデバイス操作: 「キッチンの電気以外を全部つけて、玄関の鍵を閉めて」といった複雑な操作を一度の指示で実行できます。
- 自然言語での自動化作成: これまで専門知識が必要だったオートメーションの設定が、会話で指示するだけで可能になります。「日没時にポーチのライトをつけて玄関の鍵を閉める自動化を作成して」と頼むだけで、ルーティンが作成されます。
提供方法と価格
Gemini for Home は、過去 10 年間に発売されたすべての Google 製スピーカー、スマートディスプレイ、カメラ、ドアベルに提供されます。
これらの新機能は、まず早期アクセスプログラムを通じて提供が開始されます。参加を希望する場合は、Google Home アプリ (バージョン 4.0 以降) の設定から登録できます。
基本的な音声アシスタント機能のアップグレードは無料で提供されますが、Gemini Live、AI を活用した通知、Home Brief、Ask Home による動画履歴の検索や自動化作成などの高度な機能は、新しい有料プラン「Google Home Premium」を通じて提供されます。
料金は月額 10 ドルからで、Google AI Pro および Ultra プランには追加費用なしで含まれます。
なお、記事執筆時点では日本国内での Gemini for Home のリリースは 2026 年初頭に予定されています。価格についても、正式リリース時に明らかになる見込みです。
また、Google は予告していたように新しい Google Nest Cam と Google Home スピーカーを発表しました。詳しくは以下の記事をご覧ください。
出典: Google