Qualcomm、Snapdragon 8 Elite Gen 5 を正式発表。第3世代Oryon CPU 搭載で性能と効率が向上

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Qualcomm、Snapdragon 8 Elite Gen 5 を正式発表。第3世代Oryon CPU 搭載で性能と効率が向上

Qualcomm は 2025 年 9 月 24 日(現地時間)、次世代の Android フラッグシップスマートフォンに搭載される最新のプロセッサ「Snapdragon 8 Elite Gen 5」を正式に発表しました。

この新しいチップは、最先端の 3nm プロセスで製造され、第 3 世代の Oryon CPU コアを搭載することで、性能と電力効率の大幅な向上を実現しています。さらに、AI 機能の強化や、プロ級の動画撮影を可能にする新機能も特徴です。

目次

CPU: 第 3 世代 Oryon コアで性能と効率が大幅向上

「Snapdragon 8 Elite Gen 5」の CPU には、Qualcomm が独自に開発した第 3 世代の「Oryon CPU」が搭載されています。

これは TSMC の 3nm プロセス(N3P)で製造されており、2 つの高性能プライムコア(最大 4.6GHz)と 6 つのパフォーマンスコア(最大 3.62GHz)で構成されています。

Qualcomm によると、前世代の Snapdragon 8 Elite と比較して、CPU 性能は 20% 向上し、電力効率は 35% も改善されています。これにより、アプリの起動やマルチタスクがより高速になるだけでなく、バッテリーの持続時間も向上することが期待されます。

GPU: Adreno も進化、ゲーミング体験を強化

グラフィックスを担当する Adreno GPU も次世代へと進化し、全体のパフォーマンスが 23% 向上した一方で、消費電力は 20% 削減されています。

新たに 18MB の専用キャッシュメモリとなる「Adreno High Performance Memory (HPM)」が搭載され、ゲーム開発者が利用することで、よりスムーズで応答性の高いゲームプレイと最大 10% の省電力を実現します。

さらに、Unreal Engine 5 の高度なグラフィックス機能である Nanite や Lumen をフルサポートしています。

AI: オンデバイスでの Agentic AI を実現

AI 処理を担う Hexagon NPU は、前世代から 37% 高速化し、ワットあたりの性能も 16% 向上しました。

デバイス上でユーザーの習慣や好み、会話を学習し、パーソナライズされた機能を提供する「Agentic AI」を実現しています。Qualcomm はこの機能を実現するため、「Personal Scribe」と「Personal Knowledge Graph」という新しい技術を導入しました。

また、INT2 という新しい精度をサポートしたことで、これまでスマートフォン上で実行が難しかった大規模な AI モデルも、デバイス上で動作させることが可能になります。

カメラ: APV コーデックを初サポート

Snapdragon 8 Elite Gen 5 は、Android 16 でサポートされた新しい動画コーデック「Advanced Professional Video (APV)」に、モバイルプロセッサとして世界で初めて対応しました。

APV は、Samsung が推進するプロ向けの規格で、「ほぼロスレス」な品質での動画撮影を可能にします。これにより、撮影後のカラーグレーディングやハイライト・シャドウの調整など、高度な編集が容易になり、スマートフォンの動画品質を大きく引き上げることが期待されます。

ISP (イメージシグナルプロセッサ) もトリプル 20-bit にアップグレードされ、ダイナミックレンジが4倍に向上しました。

さらに、画像処理技術会社の ArcSoft と共同開発した、動画のすべてのフレームを静止画のように高画質で処理する「Dragon Fusion」も搭載しています。

オーディオと接続性

オーディオ面では、「Snapdragon Audio Sense」により、プロレベルの録音が可能になります。強力な風切り音除去やオーディオズーム、HDR オーディオに対応し、Qualcomm は「外部マイクが不要になる」と謳っています。

接続性については、AI を活用して接続の信頼性と効率を高める最新の「X85 5G Modem-RF System」を搭載しています。また、「FastConnect 7900 Mobile Connectivity System」により、最新の Wi-Fi 7、Bluetooth 6.0、UWB (超広帯域無線) をサポートします。

搭載スマートフォン

Snapdragon 8 Elite Gen 5 は、今後登場する多くのフラッグシップモデルに採用される見込みです。Qualcomm は、以下のメーカーが搭載端末を発売する予定であると発表しています。

  • HONOR
  • iQOO
  • Nubia
  • OnePlus
  • OPPO
  • POCO
  • realme
  • REDMI
  • RedMagic
  • ROG
  • Samsung
  • Sony
  • vivo
  • Xiaomi
  • ZTE

最初の搭載スマートフォンは Xiaomi の「Xiaomi 17」シリーズとなり、「数日中」にも発表される見込みです。

また、パートナーリストに Samsung の名前が含まれていることから、2026年初頭に発表が期待される「Galaxy S26」シリーズへの搭載も確実視されています。

まとめ

「Snapdragon 8 Elite Gen 5」は、CPU と GPU の着実な性能向上はもちろんのこと、AI とカメラ機能にも大きなアップグレードが加わりました。

特に、プロ品質の動画撮影を可能にする APV コーデックへの対応により、これまで iPhone が優位とされてきた分野で Android スマートフォンが勝負できることが期待されます。

出典: Qualcomm

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著者情報

HelenTech の運営をしている 尾村 真英 です。これまでに 50台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動中で、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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