AnTuTu は、2025 年 8 月における Android フラッグシップスマートフォンの性能ランキングを発表しました。今月も Qualcomm の Snapdragon 8 Leading Version と MediaTek の Dimensity 9400+ がランキング上位を独占し、特に Qualcomm 製チップの優位性が際立つ結果となっています。
このランキングは、2025 年 8 月 1 日から 8 月 31 日までに収集されたデータに基づいています。集計対象は 1,000 回以上の有効なスコアを持つモデルに限定されており、公表されているスコアは最高値ではなく平均値のため、実際の性能をより現実的に反映しています。
2025 年 8 月 AnTuTu Androidスマホ性能ランキング
2025 年 8 月のランキングにおける上位 3 モデルは次のとおりです。
1 位: Red Magic 10S Pro+
平均スコア 2,947,567 点で首位を獲得したのは「Red Magic 10S Pro+」で、これで 4 ヶ月連続のトップとなります。
搭載されている「Snapdragon 8 Elite Leading Edition」は、標準の Snapdragon 8 Elite を上回る特別版です。プライムコアの周波数が 4.32GHz から 4.47GHz へ、GPU 周波数が 1.1GHz から 1.2GHz へと引き上げられています。さらに、積極的なパフォーマンスチューニングにより、チップの性能を最大限に引き出しています。
2 位: Vivo X200 Ultra
平均スコア 2,899,541 点で2位となったのは「Vivo X200 Ultra」です。
このモデルはカメラ性能に重点を置いており、14mm、35mm、85mm の焦点距離を持つトリプルレンズを搭載していますが、ゲームや日常使用においても強力なパフォーマンスを発揮します。
3 位: iQOO Neo 10 Pro+
3 位には平均スコア 2,875,495 点の「iQOO Neo 10 Pro+」がランクインしました。
iQOO の Neo シリーズは、フラッグシップに匹敵する性能を手頃な価格で提供するコンセプトを継続しており、本モデルもその方針を踏襲しています。
トップ10リスト
順位 | モデル名 | 搭載チップ | 平均スコア |
1 | Red Magic 10S Pro+ | Snapdragon 8 Elite Leading Edition | 2,947,567 |
2 | Vivo X200 Ultra | Snapdragon 8 Elite | 2,899,541 |
3 | iQOO Neo 10 Pro+ | Snapdragon 8 Elite | 2,875,495 |
4 | Vivo X200s | Dimensity 9400+ | 2,850,560 |
5 | Honor GT Pro | Snapdragon 8 Elite | 2,845,597 |
6 | OnePlus 13 | Snapdragon 8 Elite | 2,707,640 |
7 | iQOO 13 | Snapdragon 8 Elite | 2,678,652 |
8 | OPPO Find X8 Ultra | Snapdragon 8 Elite | 2,671,371 |
9 | Redmi K80 Ultra | Dimensity 9400+ | 2,667,221 |
10 | OnePlus Ace 5 Pro | Snapdragon 8 Elite | 2,659,857 |

次世代チップの動向
現在のランキングは既存のチップが中心ですが、9 月には Qualcomm と MediaTek から次世代チップの発表が控えています。
Snapdragon 8 Elite Gen 5
Qualcomm は 9 月 23 日のサミットで「Snapdragon 8 Elite Gen 5」を発表する予定です。
リーク情報によると、このチップは 4.61GHz のプライムコア2基と 3.63GHz のパフォーマンスコア6基を搭載。GPU は 1.2GHz で動作する Adreno 840 とされています。
Samsung の Galaxy S26 シリーズ向けには、プライムコアを 4.74GHz まで高めた特別版が用意されるとの噂もあります。
初期のベンチマークでは AnTuTu v11 で 400 万点を超えるスコアが報告されており、Xiaomi、Honor、iQOO、OnePlus、Realme などが最初の搭載メーカーになると見られています。
Dimensity 9500
MediaTek は 9 月 22 日に「Dimensity 9500」を発表予定です。TSMC の 3nm プロセスで製造され、4 つの Cortex-X930 コアと 4 つの Cortex-A730 コアで構成されます。GPU は 12 コアの Mali-G1 Ultra を搭載し、トップコアの周波数は 4.00GHz に達する可能性があります。
このチップは AI および機械学習タスクを高速化する ARM の Scalable Matrix Extension もサポートしており、1TB の UFS 4.1 ストレージと組み合わせることで、AnTuTu スコアは 400 万点を超える可能性があると予測されています。
まとめ
2025年8月の AnTuTu ランキングは、既存のハイエンドチップを搭載したモデルがその性能の高さを改めて示す結果となりました。
しかし、今月には Qualcomm と MediaTek が相次いで次世代チップを発表することから、スマートフォンの性能基準は間もなく大きく引き上げられることになりそうです。
出典: AnTuTu