Microsoft が、Windows PC と Android スマートフォン間でのクリップボード同期機能のテストを行っていることが明らかになりました。
この機能により、PC でコピーしたテキストを Android スマートフォンへ簡単に転送でき、メッセージアプリなどを使った面倒な作業が不要になります。
Windows PC と Android の連携を強化する新機能
今回テストされているクリップボード同期機能は、Windows PC でコピーしたテキストやコードなどを、特別な操作なしに Android スマートフォンのキーボード上で利用できるようにするものです。
例えば、PC の画面に表示されている長い住所や複雑なパスワードをスマートフォンのアプリに入力したい場合、これまでは一度メールやチャットアプリで自分宛に送信する必要がありました。
しかしこの新機能を使えば、PC でコピーするだけで内容が同期され、すぐに貼り付けられます。

この機能はキーボードアプリに依存せず、Gboard や Samsung キーボードなど、さまざまなキーボードで動作することが確認されています。
これにより、Apple の Mac と iPhone の間で実現されているような、デバイス間のシームレスな連携が Windows と Android のエコシステムでも期待できます。
新機能の利用条件と設定方法
現在この機能は、Windows Insider Program の Dev ビルドで一部のユーザー向けに提供されています。

このクリップボード同期機能を利用するには、次のような条件を満たす必要があります。
- Windows Insider Program の Dev ビルドを利用している
- PC と Android スマートフォンで同じ Microsoft アカウントにログインしている
- Android スマートフォンに「Windows にリンク」アプリがインストールされ、PC と接続されている
- PC の「モバイル デバイス」設定でスマートフォンが接続されている
上記を満たした上で、以下の手順で機能を有効化できます。
- Windows PC の「設定」アプリを開きます。
- Bluetooth と[デバイス] > [モバイル デバイス] > [デバイスの管理] の順に進みます。
- 「PC のクリップボードへのアクセス」という項目のトグルをオンにします。
これにより、PC でコピーしたテキストが Android スマートフォンのキーボードに同期されるようになります。
SwiftKey の同期問題とネイティブ機能への期待
Microsoft は、以前から Android 向けキーボードアプリ「SwiftKey」でクリップボードの同期機能を提供しています。しかし、この機能は長期間にわたって正常に動作していません。
今回テストされている新機能は、Windows 11 にネイティブで統合されているため、「Windows にリンク」アプリを介して、より安定した動作が期待されます。
特定のキーボードアプリに縛られず、普段から使い慣れたキーボードで同期できる点も大きなメリットです。
この機能は一度 Dev ビルドに登場した後、一時的に削除されましたが、再び利用可能になったことから、Microsoft が正式リリースに向けて開発を進めている可能性が高いと考えられます。
まとめ
Windows PC と Android スマートフォン間のクリップボード同期機能は、まだテスト段階ですが、多くのユーザーにとって作業効率を向上させる可能性があります。
正式にリリースされるタイミングは不明ですが、今後のリリースに期待です。
出典: Windows Latest