Android 版 Google Chrome の「新しいタブページ」に表示される Google Discover のニュースフィードにおいて、AI を活用した音声による記事の要約機能がテストされている可能性が報告されました。
この機能が展開されれば、記事を読む代わりに音声でニュースの概要を把握できるようになり、移動中や何か作業をしているときなど、画面を見なくても情報を得ることが容易になります。
AI によるニュースフィードの音声要約機能
この新機能は、Chrome のプレリリース版である Canary で発見されました。
ユーザーが新しいタブを開くと、「フィードを読み上げ」 という新しいオプションが表示されます。これをタップするとプレーヤーが起動し、AI が生成した各記事の要約を自然で会話的なトーンで読み上げます。


一つの要約が終わると、プレーヤーは自動的に次の記事の要約へと進むため、ユーザーが都度操作する必要はありません。また、再生コントロールによって、次の記事へスキップしたり、前の記事に戻ったりすることも可能です。
既存の読み上げ機能との違い
現在、Android 版 Chrome には、表示している Web ページ全体を読み上げる「このページを読み上げ」 機能がすでに存在します。

しかし、今回テストされている新機能は、単一のページではなく、Discover のニュースフィード全体を対象としている点が大きな違いです。ユーザーは数回のタップで、フィード内の複数の記事の概要を連続して音声で聴くことができます。
パブリッシャーへの影響に関する懸念
この機能はユーザーにとって利便性が高い一方で、Web サイト運営者 (パブリッシャー) への影響を懸念する声もあります。
この機能は記事のページを実際に開くことなく、Google の AI が内容を読み上げる仕組みです。そのため、ユーザーが記事の要約を音声で聞いて満足した場合、Web サイトへの実際のアクセス数が減少し、パブリッシャーの収益機会が損なわれる可能性があると指摘されています。
まとめ
今回発見された Discover フィードの AI 音声要約機能は、まだ Chrome Canary の一部ユーザーにのみ提供されているテスト段階のものです。
マルチタスクをこなしながら情報を得たいユーザーや、聴覚を通じて情報を吸収することを好むユーザーにとっては、非常に便利な機能となる可能性があります。一方で、Web サイト運営者にとっては、アクセス数減少につながる懸念材料ともなり得ます。