Google は、8 月初めに発表した「Google Finance」における、AI を活用した新機能のテストを「Search Labs」を通じて米国のユーザーに広く提供し始めたことを発表しました。
これには自然言語での質問やチャートツールの強化などが含まれており、ユーザーはこれまで以上に直感的に金融情報を取得できるようになります。
Google Finance の新しい AI 機能
今回テストが開始された AI 機能は、ユーザーの情報収集と分析をサポートすることに重点を置いています。
金融関連の質問が可能に
最も大きな変更点として、AI を活用した新しい検索フィールドが導入されました。従来の銘柄検索に加えて、「イーサリアムが史上最高値を更新するのはいつか」といった、より具体的で複雑な質問を入力できます。
AI は質問に対して数秒で回答を生成し、その情報の根拠となったウェブサイトのリストも同時に提示します。また、ページ右側には新たに「Research」セクションが設けられ、その日の市場概況の要約を確認できます。
チャートツールとニュースフィードの強化
テクニカル分析に用いるチャートツールも更新され、「移動平均エンベロープ」などのより専門的な指標が利用可能になりました。これにより、市場の状況を多角的に分析する手助けとなります。
あわせて、最新の金融関連ニュースを集めたニュースフィードセクションも追加され、関連情報を一箇所で把握しやすくなっています。
新機能の利用方法
この AI 機能は現在、米国のユーザーを対象に Search Labs で提供されています。利用するには、Search Labs のページから「Turn this experiment on or off to access the new Google Finance」のトグルを有効にする必要があります。
なお、VPN などを利用してアクセス地域を米国に設定することで、米国外からでも試用できる可能性があります。実際に HelenTech で試してみたところ、Chrome とアカウントの言語設定を英語(米国)に切り替えて Google Search Labs にアクセスすることで、新しい Google Finance を有効にすることができました。


今後の展開
Google は、この新しい Google Finance を今後数週間以内に米国の一般ユーザー向けに展開を開始する予定です。将来的には、従来のクラシック版と新しい AI 版を選択できるオプションが追加される可能性も示唆されていますが、現在のテスト版ではこのオプションは確認されていません。
一方で、グローバルでの展開時期については、現時点では明らかにされていません。
まとめ
これまでの Google Finance は自分で情報を調べるツールでしたが、今回の AI 機能によって対話しながら金融に関する疑問を解決できる便利なツールになりそうです。他の AI サービスをわざわざ開かなくても、Google Finance の中で手軽に金融の疑問が解決できるようになれば、ユーザーにとってさらに便利なツールとなる可能性があります。