Galaxy S25 Ultra は、Corning Gorilla Armor 2 を採用し、優れた耐久性に加えて画面の反射を大幅に低減させていますが、Samsung は次期モデルとなる Galaxy S26 Ultra で、ディスプレイに「Flex Magic Pixel」と呼ばれる新技術を採用する可能性があるようです。
この情報は韓国の Dealsite によるもので、「Flex Magic Pixel」は AI を活用してディスプレイの視野角を制御し、プライバシーを保護する技術とされています。
AI が視野角を制御するプライバシー技術「Flex Magic Pixel」
Flex Magic Pixel は、Samsung Display が開発した次世代ディスプレイ技術で、AI を利用してディスプレイのピクセルを調整し、特定の視野角を制御することで、隣にいる人から画面が見えにくくなる効果を生み出します。
これは、スマートフォンに「プライバシー保護フィルム」を貼った状態を、ディスプレイ自体で実現するようなものです。
Samsung Display はこの技術について、以下のように説明しています。
例えば、スマートデバイスのユーザーが公共の場所で銀行アプリケーションを起動すると、AI 技術が自動的にその環境を認識し、追加のセキュリティ機能を開始できます。そして、Flex Magic Pixel 技術を搭載した有機 EL (OLED) は、スマートデバイスのセキュリティをさらに強化することができます。
つまり、銀行アプリや SNS、チャットなど機密性の高いアプリを画面に表示すると、AI が利用シーンを判断し、自動的に視野角を狭めてくれるようになります。これにより、カフェや電車内などで、隣の人に画面を覗き見される心配がなくなります。
これまでも、画面の視野角を制限するプライバシー保護フィルムは存在しましたが、多くの場合、画面の輝度が低下したり、全体の画質が悪くなったりする欠点がありました。しかし、Dealsite によると Flex Magic Pixel はこれらの欠点がなく、最高の画質を維持しながらプライバシーを保護できるとされています。
PC で言えば HP の Sureview や Dell の Safe Screen、Lenovo の Privacy Guard (ePrivacy Screen) などと似たような機能になるかもしれません。
実現の鍵を握る「CoE」技術
Flex Magic Pixel の実現には、CoE (Color Filter on Encapsulation) という技術が鍵を握るとされ、これはディスプレイの偏光板をカラーフィルターに置き換えるもので、パネルをより薄く、明るく、省電力にする効果があります。
今回の情報によれば、この CoE 技術が Flex Magic Pixel 有効時の光量損失を補うために不可欠とのことです。なお、CoE はすでに Galaxy Z Fold シリーズで採用されており 、Galaxy S26 Ultra でも搭載される可能性があります。
まとめ
スマートフォンの画面プライバシーへの取り組みは過去にもあり、例えば BlackBerry の Android スマートフォンには、画面の大部分を暗くして一部だけを表示する「プライバシーシェード」機能が搭載されていました。しかし、Samsung の Flex Magic Pixel は、よりシームレスかつ強力な機能となりそうです。
とはいえ、現時点ではまだ導入されるかどうかは不明ですので、今後の展開に期待です。
出典: Android Authority, Dealsite, Samsung