Google Cloud によれば、Windows 10 のサポート終了が近づく中、多くの企業が Windows 11 への移行を進めており、OS が新しくなっても多くのユーザーはウェブでの作業において、使い慣れた Chrome ブラウザの操作性を好む傾向があるとしています。
Google Cloud は、Chrome が Microsoft 環境で働く数億人のビジネスユーザーにも利用されている信頼性の高いブラウザであると述べ、OS の種類やバージョンを問わず、Chrome Enterprise を利用して IT チームが組織のニーズに合わせてブラウザを管理し、生産性とセキュリティを向上させる 5 つの方法を紹介しています。
Microsoft 365 との統合でカレンダーやファイルに素早くアクセス
Google Cloud によると、Outlook カレンダーの確認や OneDrive 内の重要なファイルの検索、SharePoint の最新情報の閲覧が、Chrome Enterprise によってより効率的になります。これは、新しいタブページに Microsoft 365 の主要ツールを統合する機能によって実現されます。
ユーザーが新しいタブを開くと、今後の会議予定や最近アクセスしたファイル、SharePoint の更新情報が即座に表示され、タブを切り替える手間が省けます。IT チームはこの設定をユーザー向けに簡単に構成でき、業務に必要な情報へ自動的に素早くアクセスできる環境を構築できるとのことです。

柔軟な ID 管理
Chrome Enterprise は、既存の Microsoft (またはその他のサードパーティ) の ID ソリューションを使用して Chrome を管理できるよう、幅広い ID 統合を提供していると説明しています。
Microsoft Entra との統合により、ユーザーは既存の Entra ID を使って Chrome にサインインできます。さらに、Microsoft の条件付きアクセスでポリシーを作成し、サインインした Chrome プロファイルの利用を強制することも可能です。これにより、組織のリソースには、組織が管理するプロファイルからのみアクセスできるようになります。
また、新しい Universal Enrollment の統合により、ID を Google と同期する必要なく、ユーザーは任意のサードパーティ ID で Chrome にサインインできます。
Google Cloud は、これにより組織が Google ID を使用していない場合でも、IT チームは管理されたブラウザのセキュリティとパーソナライズのメリットを享受できるとしています。
Windows 11 で Chrome へのアクセスを容易に
OS の移行後、従業員のワークフローが中断され、新しいデフォルト設定や個人設定の再設定に時間を費やすことが課題となりがちです。
Google Cloud は、ユーザーが Windows 11 の新しいインターフェースに慣れる過程で、IT チームが Chrome へのアクセスを容易にできる方法があるとしています。
Chrome Enterprise では、ポリシーを設定して Chrome を Windows 11 のタスクバーにピン留めしたり、組織全体で Chrome をデフォルトブラウザに設定したりできます。これにより、OS のバージョンに関わらず一貫したエクスペリエンスを提供できると述べています。
組織に合わせた Chrome のカスタマイズ
Google Cloud は、Chrome Enterprise を使って適切なアプリやデータへのアクセスを容易にし、組織のデータを安全に保ちながらポリシーを適用できると紹介しています。
会社のロゴやカラーで Chrome をブランディングすることにより、仕事用プロファイルと個人用プロファイルの違いを従業員に明確に示すことができます。さらに、IT 管理者は新しいタブページのフッターに会社名とロゴを表示させるなど、ブラウザ全体をカスタマイズすることも可能です。

これは、仕事のコンテキストを強化し、企業プロファイルが業務用であることをユーザーに意識させるのに役立ちます。
また、重要な社内リソースへの迅速なアクセスを可能にする、一元管理されたブックマークなどの便利なカスタマイズも適用できるとのことです。
広範な可視性とセキュリティインサイトの獲得
組織のブラウザ環境を理解することは、セキュリティと計画のために不可欠です。Google Cloud によると、Chrome Enterprise はプラットフォームや OS を横断した広範な可視性とセキュリティインサイトを提供するレポーティング機能を備えています。

この機能により、まだ移行が必要な Windows 10 搭載マシンを特定しやすくなるなど、IT チームは状況を先取りして対応できます。これらのインサイトは、情報に基づいた意思決定を可能にし、セキュリティ体制を改善し、進化する環境へのスムーズな移行を保証するとしています。
まとめ
Google Cloud は、Windows 11 への移行が進む中でも、Chrome Enterprise が Microsoft 環境において安全なサービスを提供するための投資を続けていると強調し、ユーザーに愛される使い慣れた操作性と、IT およびセキュリティチームが必要とする高度な管理機能・データ保護機能を両立させるものだとまとめています。
また、まだ Windows 11 への移行を完了していない組織には、ChromeOS Flex を利用して、ユーザーのデバイスをサポートされ、セキュリティが確保された OS に迅速に移行する方法も提示しています。
より詳しい内容については、Google Cloud 公式ブログ「5 ways Chrome Enterprise enhances Windows 11 environments」をご覧ください。
出典: Google Cloud