Google は 2025 年 8 月 6 日、ターミナルで利用できる AI エージェント「Gemini CLI」を拡張し、新たに「Gemini CLI GitHub Actions」を発表しました。これにより、開発者は自身の GitHub リポジトリに無料で強力な AI コーディングパートナーを導入し、開発ワークフローの自動化と効率化を図ることができます。
この機能は現在プレビュー版として公開されており、google-github-actions/run-gemini-cli からアクセスできます。
チーム開発を支援する AI パートナー
今年 6 月にリリースされた「Gemini CLI」は、個人のターミナルでの AI 活用を目的としていました。これに対し、今回発表された「Gemini CLI GitHub Actions」は、複数人の開発者が協力するプラットフォーム上でのコラボレーションを強化するために開発されました。
新しい Issues の作成や Pull requests といったイベントをトリガーとして、プロジェクト全体の文脈を理解し、バックグラウンドでタスクを自動処理します。これにより、開発チームは定型的な作業から解放され、より重要な業務に集中できます。
3 つの強力なオープンソースワークフロー
「Gemini CLI GitHub Actions」は、コーディングをより良く、より速く進めるための 3 つの主要なワークフローを提供します。
インテリジェントな Issues の振り分け
新しい Issues が作成されると、Gemini CLI がその内容を自動で分析し、適切なラベル付けや優先順位の決定を行います。これにより、Issues 管理の負担が軽減されます。
Pull requests レビューの迅速化
コードの変更に対するレビューを AI が支援します。Gemini CLI が Pull requests の品質、スタイル、正確性などをチェックし、即座にフィードバックを提供するため、人間のレビュー担当者はより複雑な意思決定に専念できます。
オンデマンドでの共同作業
任意の Issues や Pull requests 内で @gemini-cli
とメンションするだけで、Gemini CLI に特定の作業を依頼できます。例えば、以下のような指示が可能です。
- 「このバグのテストを書いて」
- 「上記の変更を実装して」
- 「別の解決策を検討して」
- 「この明確なバグを修正して」
これらのワークフローはオープンソースで提供されており、プロジェクトのニーズに合わせて自由にカスタマイズしたり、独自のワークフローを作成したりすることも可能です。
エンタープライズレベルのセキュリティと制御
「Gemini CLI GitHub Actions」は、現代のソフトウェア開発に不可欠なセキュリティと柔軟性を最優先に設計されています。
- セキュアな認証: Google Cloud の Workload Identity Federation (WIF) を活用することで、API キーを長期間保持する必要がなくなり、認証情報漏洩のリスクを大幅に低減します。
- きめ細かな制御: コマンドの許可リスト機能などにより、エージェントが実行できる操作を明示的に承認できます。最小権限の原則に基づき、システムを安全に保ちます。
- 完全な可視化: 業界標準の OpenTelemetry と統合されており、ログやメトリクスを Google Cloud Monitoring などのプラットフォームでリアルタイムに監視できます。
利用方法と今後の展開
「Gemini CLI GitHub Actions」は、本日よりベータ版として提供が開始されています。Google AI Studio の無料利用枠で利用できるほか、Vertex AI および Gemini Code Assist の Standard / Enterprise プランでもサポートされています。個人ユーザー向けの Gemini Code Assist 無料利用枠でのサポートも近日中に開始される予定です。
利用を開始するには、Gemini CLI 0.1.18 以降をダウンロードし、/setup-github
コマンドを実行してください。
詳細については、Google Cloud Blog の「AI コーディングの新たなパートナー:Gemini CLI GitHub Actions を発表」をご覧ください。
出典: Google