Google は 2025 年 5 月20日(米国時間)に開催された Google I/O 2025 にて、テレビ向けの最新 OS となる「Android 16 for TV」のベータ版を発表しました。
このベータ版は、開発者が新しい API やデザイン要素を試し、将来の正式リリースに向けてアプリを準備できるよう設計されています。
主な新機能と開発者向けツール
以前から予告されていた AI アシスタント「Gemini」の Google TV への搭載が、今秋に予定されています。
これにより、ユーザーはより自然な会話を通じてテレビを操作が可能になり、見たいものを探したり、複雑な質問に対する回答を得たりすることができるようになります。
例えば、映画や番組を検索した後、Gemini はユーザーが利用するアプリから関連性の高いコンテンツを提案し、コンテンツの見つけやすさを大幅に向上することが期待できます。
さらに、ユーザーが興味を持ったトピックについて質問すると、関連動画とともに回答を得ることができます。

このほかにも、次のような変更があります。
- MediaQualityManager: 開発者は画質プロファイルをより細かく制御できるようになります。これにより、コンテンツに応じた最適な映像設定を提供しやすくなり、ユーザーはより美しい映像体験を得られる可能性があります。
- Eclipsa Audio コーデックのサポート: プラットフォームレベルで Eclipsa Audio コーデックがサポートされ、クリエイターは IAMF (Immersive Audio Model and Format) 空間オーディオ形式を利用できるようになります。これにより、家庭でも映画館のような没入感のあるサウンド体験が実現するかもしれません。
- メディア再生の改善: メディア再生の速度、一貫性、効率が向上します。
- HDMI-CEC の信頼性向上: HDMI で接続された機器間の連携機能 (HDMI-CEC) の信頼性が向上し、よりスムーズな操作が期待できます。
- 64 ビットカーネルのパフォーマンス最適化: 64 ビットカーネルのパフォーマンスが最適化され、システム全体の動作がより快適になる可能性があります。
- Video Discovery API: これにより、ホーム画面から視聴途中の動画を簡単に再開できたり、自分の契約しているサービスに合わせておすすめが表示されたりするなど、コンテンツが見つけやすくなることが期待されます。
- Jetpack Compose for TV: テレビアプリの開発ツールが安定版になり、将来的にはアプリの起動時間が速くなるなど、アプリ全体の品質向上に繋がるかもしれません。
まとめ
今回のベータ版リリースは主に開発者向けですが、これらの新機能や改善は、将来的にはユーザーの視聴体験を大きく向上させる可能性があります。
例えば、Gemini の搭載により、より自然な会話での音声操作や、自分に合ったコンテンツの提案が受けられるようになることが期待されます。
また、視聴途中の動画へのアクセスが簡単になったり、画質や音質の向上、HDMI 機器連携の改善も Google TV デバイスユーザーにとっては嬉しい変更点と言えそうです。
ただし、現時点では一般ユーザーが Android 16 for TV を利用できるのは、Gemini の搭載が予定されている今秋以降となる見込みです。