以前から Google が Android Auto でエアコンなどを直接操作する機能の開発に取り組んでいることは報告されていましたが、その具体的なユーザーインターフェース (UI) を示す初めてのデモが公開されました。
このデモは Android Authority によるもので、この機能が実現すれば、Android Auto を利用中にわざわざ車両のシステム画面に切り替えることなくエアコンの温度や風量を調整できるようになり、利便性の向上が期待されます。ただし、後述するように、機能の利用には対応する車種や環境が必要となる点には注意が必要です。
明らかになった開発中のエアコン操作 UI
今回の Android Authority によるデモは、Android Auto アプリ (バージョン 14.3.151804) の内部コードを解析し、開発中のエアコン操作 UI を実際に有効化して、その具体的な見た目や動作を明らかにしています。
この機能が有効になると、画面下部の操作パネルに以下の項目が表示されるようです。
- 左右独立の温度調整
- 風量調整
- 運転席と助手席の設定の同期
- シートヒーター / ベンチレーション
- フロント / リアのデフロスター (曇り止め)
- その他の設定へのアクセス
デモでは比較的大きなディスプレイで表示されていますが、画面サイズによっては UI が最適化される可能性も考えられます。また、この操作パネルが有効な状態では、Google アシスタント / Gemini のマイクアイコンや通知アイコンなどが画面中央に移動していることが確認できます。
期待されるメリットと注意点
この機能は、特にエアコン操作をタッチスクリーンで行う車両にとって、運転中の視線移動や操作のステップを減らし、より便利になる可能性があります。タッチパネル中心のインターフェースを持つ車でも、Android Auto 利用中は別画面への切り替えが必要な場合があり、この機能はその手間を省くことが期待されます。
一方で、この機能が広く実用的になるためには、いくつかの注意点があります。
まず、大前提として、車両がデュアルゾーンエアコンやシートヒーターなどの対応ハードウェアを備え、かつ Android Auto と車両システムが連携するためのソフトウェア的な対応がされている必要があります。
純正システムではなく後付けされたディスプレイオーディオやカーナビを使用している場合や、車両のシステムと連携する仕組みを持たない古い車種などでは、この機能を利用することができない可能性は高いと考えられます。少なくとも筆者の愛車であるトヨタ 86 (ZN6 後期)などでは対応は難しいでしょう。
どのような車両が対応するかについて、あくまで一般的な推測ですが、比較的年式が新しく、メーカー純正のインフォテインメントシステムを搭載し、車両情報の連携が進んでいる車種などは、この機能に対応しやすい可能性があると考えられます。
ただし、たとえハードウェアや基本的な連携の仕組みがあっても、その連携がどの程度スムーズに行われるか、詳細な仕様などはまだ不明です。
まとめ
最近は、車載機能の操作に対応したカーナビやディスプレイオーディオ(メーカーオプション)も増えています。今回の Android Auto の新機能も、必要となる車両側の連携が進めば、日本でも利用可能になることが期待されます。
現時点では、この機能はまだ開発段階にあり、Google から正式なリリース時期などは発表されていません。とはいえ、Google は Android Auto の利便性向上に向けて着実に開発を進めており、今後の機能導入によって、より便利になることが期待できます。