Google が、モバイルデバイスの側面(サイドフレーム)および背面に触れることで様々な操作を可能にする新たな特許技術を公開したことが、2025年 4 月に公開された国際特許出願 (WIPO 公開番号: WO2025071578) により明らかになりました。
この技術は、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスの操作性、特に片手での利用や画面を見ない状況での利便性を向上させる可能性があります。
公開された特許技術
この情報は Patently Apple が最初に報じており、公開された特許情報によると、この技術はモバイルデバイスの筐体、具体的には側面フレームと背面の表面にタッチセンサーを組み込み、ユーザーが行うタッチジェスチャー(タップ、スワイプなど)を検出するものです。

特許文書では、この技術の主な利点として、ユーザーがデバイスを片手でしっかりと保持したまま、親指や他の指でディスプレイに触れたり、画面を注視したりすることなく、直感的に様々な操作を実行できる点を挙げています。
具体的に想定されている操作例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 音量調整: 側面をスワイプして音量を変更
- メディアコントロール: 動画や音楽の再生/一時停止、早送り/巻き戻し
- カメラ操作: 特定のジェスチャーでカメラを起動、シャッターを切る
- アプリケーション起動: よく使うアプリへのショートカット
- スクリーンショット撮影
- 通知の操作
また、この技術の適用範囲として、スマートフォン以外にタブレット、ノートパソコン、デスクトップパソコン、スマートスピーカー、電子書籍リーダー、スマートウォッチなども挙げられています。
過去の機能との関連性と進化
この側面・背面でのタッチジェスチャー技術は、過去の Pixel モデルに搭載されていた側面を握る「Active Edge」や、現行モデルの背面タップ「クイックタップ」のコンセプトを発展させたものと捉えることができます。

Active Edge が「握る」動作に限定されていたのに対し、新特許では側面・背面での多様なタッチジェスチャーに対応し、より多くの機能を割り当てられる可能性があります。
スマートフォンが高機能化・大型化する中で、片手でも操作性しやすいかどうかは重要です。また、歩行中や何か他の作業をしている際に、画面を注視せずに素早く操作したいという場合もあります。
この特許技術を活用することで、これらのケースに対応しやすくなるとともに、物理ボタンを増やすことなく、操作性の向上と機能性の両立を目指すものと言えます。
期待と課題、使う機会があるか?
筐体の側面や背面に組み込まれたタッチセンサーにより様々な操作が可能になれば、デバイスの利便性は大きく向上します。特に、満員電車の中や、荷物を持っている時など、片手しか使えない状況での恩恵は大きいと考えられます。
しかし、意図しないタッチによる誤操作や機能のカスタマイズ性なども考える必要があります。あるいは、センサーの感度調整、特定の持ち方を学習する機能、特定のジェスチャーのみを有効にするなどのオプションも用意されているほうが良いかもしれません。
なお、特許のなかでは Google は機械学習モデルを使用して、デバイスへの誤入力を減らす工夫を検討していることが記載されています。
また、保護ケースを装着した場合に使えるかどうかも問題になります。仮に機能が実装されたとしてもどの程度のユーザーが活用するかも気になるところですね。
まとめ
Google が公開した側面・背面のタッチ操作を可能にする技術に関する特許は、モバイルデバイスの操作性、特に片手での利用や画面外操作の利便性を向上させる可能性はあるものの、必ずしもすぐに製品に搭載されることを保証するものではありません。
いずれにせよ、Google は将来のデバイスで物理的な操作方法を活用した新しい仕組みを導入する可能性があり、それに取り組んでいるようです。
出典 : WIPO, Patently Apple, Android Authority