Google は、NotebookLM に搭載された「スライドデッキ」機能と、最新の画像生成モデル「Nano Banana Pro」を活用した 8 つの使用例を公式ブログで公開しました。
NotebookLM といえば、これまでは膨大な PDF やドキュメントを読み込ませて「理解する・要約する」ためのアシスタントという印象が強かったかもしれません。
しかし、Gemini 3 Pro をベースとした画像生成モデル「Nano Banana Pro」の統合により、リサーチからデザイン、資料作成までを一つのアプリで完結できるようになっています。
以下は、Google による 8 つの活用法を整理して紹介します。
Deep Research の結果をスライド化する
複雑な調査レポートを文字だけで理解するのは大変ですが、NotebookLM の「Deep Research」機能を使えば、調査結果をカスタムスライドに変換できます。

単にテキストを並べるだけでなく、Nano Banana Pro の表現力を使って、例えば「世界の新年の祝い」というテーマであれば、各国の建築様式や祝祭の雰囲気を反映した画像を生成し、視覚的にわかりやすいスライドに仕上げてくれます。
情報を整理する手間が省けるため、最初のアウトライン作成として非常に優秀です。
メモ書きからスライドを生成
プレゼン資料の作成で最も時間がかかるのは、構成とデザインの調整です。
NotebookLM を使えば、箇条書きのドキュメントや、Google スライドの下書き、あるいは「手書きのメモ」をアップロードするだけで、完全なスライドデッキを構築できるとしています。

簡単な指示を加えるだけでデザインも調整してくれるため、急ぎで資料を作らなければならないビジネスパーソンにとっては、強力な時短ツールになります。
新しいアイデアのブレインストーミング
既存のソースを元に、新しいコンセプトを練る際にも役立ちます。
Google の例では、ジェーン・オースティンの小説に関するノートブックを使用して、「ホリデーシーズンのファンフィクション(二次創作)の続編」の企画書を作成させています。

ブランドスタイルに合わせて調整
NotebookLM に既存のスライドやブランドガイドライン(ブランドブック)をアップロードし、「ブランドの配色やスタイルを適用して」と指示することで、生成されるスライドのトーン&マナーを統一できます。

AI が作った資料はデザインがちぐはぐになりがちですが、この機能があれば、そのまま社内会議に持ち込めるレベルの資料が生成できる可能性が高まります。
イラストで難解なトピックを解説
数字ばかりのデータ資料は、聴衆に伝わりにくいものです。NotebookLM はデータを比喩やインフォグラフィックに変換して視覚化することができます。
「世界観光統計」のような堅いデータでも、Nano Banana Pro の生成能力により、魅力的なインフォグラフィック風の画像として出力することで、直感的に理解できる資料に変わります。

特に Nano Banana Pro はテキスト描画能力が向上しているため、グラフや図解の精度にも期待が持てます。
長文コンテンツを絵本やマンガ風に
長いドキュメントや書籍全体を、視覚的な物語に変換することも可能です。
ユニークな例として、19 世紀の料理本を現代の「マンガ」スタイルで再解釈し、各ページにマンガ風の解説を入れるといった使い方が紹介されています。

教育現場や、子供向けの資料作成において、難しい内容を噛み砕いて伝えるのに最適な手法と言えます。
写真をレシピ本に変換
料理の写真を数枚撮影し、NotebookLM に読み込ませるだけで、レシピ本を作成できます。
Gemini の画像認識能力が料理の内容を理解し、あるいはメモ書きのレシピを参照して、見栄えの良いレシピガイドに仕上げてくれます。

これは趣味の範囲だけでなく、飲食店でのメニュー作成の下書きなど、小規模ビジネスの現場でも応用できそうな機能です。
自由なスタイルで計画をスケッチ
スライドのデザインは、必ずしもビジネスライクである必要はありません。「黒板にチョークで書いたようなスタイルで、新年の抱負リストを作って」といった具体的な視覚スタイルの指定が可能です。

自分の好みのスタイルを指定できるため、堅苦しいプレゼンだけでなく、個人的な目標管理や学校での発表など、幅広い用途で「自分らしさ」を出せるのが魅力です。
まとめ
現在、スライドデッキ機能は 18 歳以上のすべての NotebookLM ユーザーが利用可能です。また、AI Ultra プランを利用しているユーザーは、通常よりも 2 倍長いデッキを生成できるなどの特典が用意されています。
これまでの NotebookLM は「情報をインプットする場所」でしたが、これからは「アウトプットを生み出す場所」へと進化しました。
特に Nano Banana Pro の画像生成能力が加わったことで、資料作成のワークフローが大きく変わる可能性があります。
出典: Google Blog


