Google は 2025 年 12 月 4 日（米国時間）、Gemini アプリで利用できる高度推論モード「Gemini 3 Deep Think」の一般提供を開始したことを発表しました。
今回のアップデートにより、Google AI Ultra プラン加入者であれば、Gemini 3 Pro モデルを選択して「Deep Think」モードを有効にするだけで、より複雑な数学や科学、論理的な問題に強い推論能力を利用できます。
Gemini 3 Deep Think が一般提供に
Deep Think モードは、単純な一連の思考プロセスではなく、複数の仮説や解法を同時に探索して結合する「並列推論（advanced parallel reasoning）」が特長です。
これにより、従来の Gemini モデルよりも大幅に高い精度で複雑な課題へアプローチできるようになります。
Google によると、内部評価では以下のような結果が確認されています。
- Humanity’s Last Exam：41.0%（ツールなし）
- ARC-AGI-2：45.1%（コード実行あり）※業界最高水準
これらの結果は、Deep Think モードが高度な推論タスクに特化していることを示しており、これまで専門領域で利用されてきた技術が一般向けに開放されたことになります。
数学・プログラミング競技で示された性能
Deep Think 系モデルは、すでに国際的な競技で高い成果を上げています。2025 年の国際数学オリンピック（IMO）では、Gemini Deep Think（Advanced）が 6 問中 5 問を完答し、金メダル相当の 35 点を獲得しました。
また、国際大学対抗プログラミングコンテスト（ICPC）2025 World Finals では、Gemini 2.5 Deep Think が 12 問中 10 問を正解し、参加チームの総合 2 位に相当する結果を収めています。
これらの実績が、新たに一般提供された Gemini 3 Deep Think にも活かされており、学習や研究、エンジニアリング領域での活用が期待されます。
仕組みと特長
Deep Think は、従来の大規模言語モデルに対して次の点で強みを持っています。
- 複数の推論ルートを同時に探索する並列推論
- 定理証明など多段階推論データを利用した強化学習
- 自然言語だけでエンドツーエンドの問題解決が可能
これにより、複雑な数式、証明問題、アルゴリズムの設計など、多くのステップが必要な課題でも、人間のように複数の可能性を比較しながら結論へ導くことができます。
まとめ
Gemini 3 Deep Think の一般提供により、学術系競技で実証された高度な推論能力を一般ユーザーが利用できるようになりました。
ただし、Gemini 3 Deep Think を使うためには月額 36,400 円の Google AI Ultra プランに加入する必要があり、実質的にはプロユーザー向けとなります。
出典: Google Blog
