Google が、新しい画像生成 AI モデルとなる「Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)」を発表しました。
数ヶ月前に公開された「Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)」の上位版にあたり、より高度なテキストレンダリングや物理的なシーンコントロール、検索と連携した「事実に基づく画像生成」を可能にする点が特長とされています。
すでに Gemini アプリや Google Workspace など複数のサービスで展開が始まっており、一般ユーザーからクリエイター、開発者まで幅広く活用できるモデルになっています。
なお、筆者の Workspace アカウントでもすでに新モデルの利用が可能になっていました。
「Nano Banana Pro」とは?
Nano Banana Pro は、Google の最新モデル「Gemini 3 Pro」で構築された画像生成モデルです。

従来よりも高い忠実度での生成を目指しており、画像中の文字表現や複雑な書体の再現性、光源を含むシーン全体の物理的な制御が大幅に向上しています。
さらに Google 検索とのグラウンディング機能により、天気やスポーツ結果など最新情報を反映した画像生成も行うことができます。
特に日本のユーザーに関係する点として、画像内テキストの多言語生成や、看板・文書などの翻訳をレイアウトを崩さずに置き換える機能が強化されており、より自然なローカライズ画像を作成できるようになりました。
主な改善点
Nano Banana Pro は 2K/4K の高解像度生成に対応し、光源やカメラアングル、フォーカス、カラーグレーディングなど、写真撮影に近い物理的な調整を細かくコントロールできます。
複数のショットや人物を統合したシーン構築も強化され、最大 5 名のキャラクターでも一貫した描写が可能です。

さらに、今回のモデルでは画像内テキストの表現力も大幅に向上し、複雑な書体やカリグラフィー、細かな文字配置の再現性が高まりました。
また、看板やメニューなどのローカライズでは元のレイアウトを維持したまま自然に別言語へ置き換えることができます。
日本語を含む多言語環境での利用を想定した改善となっており、画像制作の幅が大きく広がります。
安全性と透明性
Nano Banana Pro で生成または編集された画像には、SynthID による不可視のデジタル透かしが自動で埋め込まれます。
Gemini アプリでは、この SynthID を元に「画像が Google AI で生成されたかどうか」を確認する機能が提供されており、今後は音声・動画にも対象が拡大される予定です。
また、無料ユーザーと Pro ユーザーが生成した画像には可視透かし(Gemini の sparkle マーク)が追加されます。
Ultra ユーザーや開発者向けの出力では可視透かしが除外され、プロ用途の制作にも利用できます。
提供状況と利用方法
Nano Banana Pro は Google AI Studio や Vertex AI の Gemini API 経由で利用でき、有料プレビューとして展開が始まっています。
Adobe や Figma などのクリエイティブプラットフォームとも統合される予定で、ワークフローに組み込みやすい環境が整えられています。
また Google 広告の画像生成モデルが Nano Banana Pro にアップグレードされており、より自然な広告クリエイティブを生成できるようになります。
一般ユーザー向けには、Gemini アプリの「画像を生成」から利用できます。Thinking モデルを選ぶことで Nano Banana Pro が適用され、無料ユーザーには限定的なクォータ、有料プランではさらに多くの生成が可能です。
Google Workspace では Google スライドと Google Vids にて本日から展開が開始されており、NotebookLM や AI 動画制作ツール「Flow」でも利用できるようになります。
Google検索の AI モードでも米国ユーザー向けに導入されており、Google AI Pro / Ultra プランの加入者が利用できます。
まとめ
Nano Banana Pro は、プロユーザーだけでなく Gemini アプリや Google Workspace アカウントなど、誰でも試せる点が魅力です。
検索情報を反映した画像生成や、自然なローカライズ機能、2K/4K での高忠実度出力など、実用面での向上が多く、個人から企業まで幅広く活用できるアップデートになっています。
出典: Google Blog


