Google は最新 AI モデル「Gemini 3」を正式発表し、同時に Google 検索の AI モードへ段階的な導入を開始しました。
今回の展開は米国から始まり、まずは Google AI Pro および Ultra プランのユーザーが「Gemini 3 Pro」を本日より利用できます。数週間以内には米国内の一般ユーザーにも提供範囲が広がる予定です。
Gemini モデルが検索へ発表当日から導入されるのは今回が初めてで、検索における AI の扱い方が大きく変わりつつあります。
Gemini 3 が Google 検索へ導入開始
Gemini 3 は推論性能、マルチモーダル理解、エージェント機能などが強化された Google の最新モデルです。
とくに理解力が向上しており、質問の意図や文脈をこれまで以上に深く捉えることができるようになっています。
まず米国の Google AI Pro / Ultra のユーザーが AI モードのモデル選択から「思考モード (Thinking)」を選ぶことで利用可能となり、短期間のうちに米国内一般ユーザーにも拡大されます。Pro / Ultra では上限が高く設定され、より大規模な処理も実行できるようになります。

クエリファンアウト技術の進化で検索結果の幅が広がる
Gemini 3 の導入で、検索内部の「クエリファンアウト」も強化されます。これはユーザーの質問を多角的に分析し、関連するウェブ情報を幅広く探索する仕組みです。
Gemini 3 の推論精度が向上したことで、これまで拾いきれなかった情報源にも到達しやすくなるとされています。難しい質問にもより適切な回答を導きやすくなり、検索全体の精度向上につながることが期待されます。
自動モデル選択機能が強化。質問の難易度に応じて切り替え
Google は検索における「自動モデル選択」も改良し、高度な推論が必要な質問は Gemini 3 が優先され、短時間で処理できる質問には従来の高速モデルが割り当てられます。
ユーザー側で設定を変更する必要はなく、AI モードや AI 概要において、最適なモデルが自動的に選ばれるようになります。米国では Pro / Ultra 登録ユーザーから順次展開されます。
生成 UI が追加。回答の見え方がより柔軟に
Gemini 3 の能力を活かした「生成 UI」も導入されます。この仕組みは、質問内容に応じて最適なレイアウトをその場で生成し、画像・表・グリッドなどを組み合わせて回答を構築します。
例として挙げられているケースには、以下のようなものがあります。
- 三体問題のシミュレーション表示: 変数を操作しながら物理挙動を確認できるインタラクティブな要素を生成。
- 住宅ローン比較ツールの自動生成: 複数のローンを比較し、将来的な金額差などを確認できる計算ツールをその場で構築。
必要に応じてコード自体も生成され、応答内に直接配置される点が特徴です。

高品質コンテンツへのリンクは従来通り維持
生成 UI によってビジュアルやツールが追加されても、回答には必ずウェブ上の高品質コンテンツへのリンクが表示されます。
AI のまとめのみで完結させず、情報源や詳細情報へスムーズにアクセスできるよう配慮されています。
まとめ
Google 検索に Gemini 3 が加わることで、AI モードの回答精度と柔軟性が大きく向上します。
推論性能の強化、クエリ ファンアウトの進化、自動モデル選択の改善、生成 UI の追加により、Google 検索全体がより使いやすくなることが期待されます。
ただし、現時点では米国のみの展開となっており、日本でいつ利用可能になるかは分かりません。
AI モードは便利ではあるものの、あくまで検索結果をベースに収集してくるだけで、必ずしも意図したような回答が得られるわけではありません。現状では、Gemini アプリと使い分けが必要があります。


