Google は、AI アシスタント「Gemini for Education」が米国の大学・教育機関 1,000 校以上で利用されており、1,000 万人を超える学生に提供されていることを明らかにしました。
現在開催中の EDUCAUSE 2025 にあわせて、教育現場における具体的な活用例や新機能が紹介されています。
学生と教職員が Gemini を活用する 10 の方法
Gemini for Education は、教育現場での学習支援や研究効率化を目的とした AI ツール群で、NotebookLM や Canvas といった機能が統合されています。
Google によると、米国の Brown 大学、MIT、ミシガン大学、オハイオ州立大学などで導入が進んでおり、授業・研究の両面で成果が上がっているといいます。
主な活用例として、以下のような取り組みが紹介されています。
- ガイド付き学習 を利用して、単なる回答ではなく理解を深める学習支援を実現
- 個別最適化されたクイズやフラッシュカード で試験対策をサポート
- Chrome に統合された Gemini で複数のタブから情報を要約・分析し、研究や助成金申請を効率化
- NotebookLM を活用し、複数の音声概要を作成して外出先でも学習
- Gemini の Canvas 機能 で物理・数学の問題セットを生成し、LaTeX 形式で整ったレポートを PDF 出力
- Canvas 連携機能 により、教員が学生へ直接 Notebook を配布可能
- スライド生成機能 により、数秒で Google スライド形式のプレゼン資料を作成
- 画像生成ツール を使い、寮の模様替えやプロフィール写真などを生成
- 学校発行アカウント利用時のラベル表示(右上に EDU ロゴを表示)で混同を防止
これらのツールは、学生が授業や研究をより深く理解し、効率的に成果を出すことを目指しています。
Gemini for Education の利用方法
Gemini for Education および NotebookLM は、教育機関向けに無償で提供されています。Google Workspace for Education を導入していない学校でも利用でき、管理者がドメイン登録を行い、学内アカウントにアクセス権を設定することで導入可能です。
また、米国の認定非営利大学は「Google AI for Education Accelerator」プログラムに参加でき、学生全員に AI トレーニングや Google Career Certificates の無償提供を受けることができます。a
日本での提供状況と今後の展開
日本では、Gemini や NotebookLM の日本語対応が進んでおり、一部の教育機関ではすでに試験導入が始まっています。ただし、米国のように全国規模での無償導入や「AI for Education Accelerator」プログラムは現時点で正式には展開されていません。
国内で導入を検討する場合は、Google Workspace for Education の契約形態や利用ポリシー、データ保護の方針を確認する必要があります。
Gemini がもたらす学習支援・研究支援の仕組みは、教職員の業務効率化だけでなく、学生一人ひとりの理解深化にも貢献するものです。今後、日本の教育現場でもこうした AI 活用が一般化していくことが期待されます。
出典: Google


