Google 傘下の Fitbit は、Gemini を活用した新しい「パーソナルヘルスコーチ (Personal Health Coach)」機能のパブリックプレビュー提供を開始しました。
まずは米国の Fitbit Premium 契約者(Android ユーザー)を対象に展開され、Pixel Watch や Fitbit デバイスから利用できます。
この機能は、AI による会話を通じて、フィットネス、睡眠、健康管理の目標達成を支援するものです。従来のトラッキングに加え、ユーザーの習慣や状態に合わせたアドバイスをリアルタイムに得ることができます。
Gemini 搭載の AI コーチが健康管理をサポート
Fitbit のパーソナルヘルスコーチは、Gemini モデルを活用し、ユーザーのデータに基づいた対話型のヘルスガイドを提供します。
初回設定では、生活習慣や目標を 5 〜 10 分の会話で確認し、その情報をもとに個別プランを生成します。
主な機能は以下の 4 つのタブに整理されています。
- Today:起床時や運動後、就寝前などの重要なタイミングで、状態や進捗に関するインサイトを提示。
- Fitness:1 週間の運動計画や有酸素運動量、歩数などをトラッキングし、トレーニング内容を自動調整。
- Sleep:最新のアルゴリズムで睡眠の質や規則性を解析し、改善ポイントを提案。
- Health:心拍変動(HRV)、安静時心拍数、血中酸素濃度などの主要指標を一括管理。
アプリには新たに「Ask Coach (コーチに質問)」ボタンが追加され、いつでも Gemini に質問したり、トレーニング内容を変更したりできます。
目的や体調に応じて柔軟に提案を最適化
Gemini によるヘルスコーチは、自然言語で指示や質問が可能です。たとえば次のような操作に対応します。
- 「今週は上半身中心の 30 分トレーニングを作って」
- 「旅行中だけ睡眠リズムを整える方法を教えて」
- 「膝を痛めたので運動計画を調整して」
これらの指示に対して、AI がユーザーのデータや状況に基づき即座にプランを再設計。フィットネスだけでなく、睡眠改善や栄養面、健康全般の質問にも応じます。
Fitbit アプリのデザインも刷新
今回のプレビュー提供に合わせて、Fitbit アプリ全体も再設計され、新デザインでは、これまでの「日次記録」中心から「長期的な健康トレンド」重視へと移行しています。
週単位のデータやフォーカスメトリクスを確認でき、より包括的に健康を把握できるようになりました。また、各画面にはフィードバックボタンが追加され、ユーザーの意見を反映して継続的に改善が行われます。
今後の展開と利用条件
現時点では米国の Fitbit Premium ユーザー(Android 限定)が対象で、iOS 向けは近日対応予定です。
Google は今後もユーザーのフィードバックをもとに機能を拡張し、来年リリースする予定であることを明らかにしていますが、具体的なリリース時期についてはまだ不明です。
このプレビューは医療診断を目的としたものではなく、一般的なウェルネス支援に焦点を当てて設計されています。
なお、Fitbitの製品責任者である Andy Abramson 氏は、新しい Fitbit ハードウェアが2026 年に登場し、この機能対応する予定であることも明らかにしました。
まとめ
Fitbit のパーソナルヘルスコーチは、Gemini による AI 対話を通じて、運動・睡眠・健康のデータを一体化し、よりパーソナライズされた健康サポートを実現する試みです。Google が掲げる「AI とウェアラブルの統合」が本格的に形になり始めたとも言えます。
正式版の登場することで、日本の Fitbit Premium ユーザーや Pixel Watch ユーザーも同様の機能が可能になることが期待されます。
- 関連記事:
出典: Google, Fitbit Community







