Google は、 Intel N150 および N250 を含む「Intel Twin Lake (TWL)」プロセッサを採用した Chromebook リファレンスボード「Trulo」シリーズの開発を進めています。
このボードをベースにしたモデル「Uldernite (Dell Chromebook 11 CC11260)」はすでに発表されましたが、さらに Pujjocento、Pujjolo、Kaladin と呼ばれる 3 機種の開発が確認されています。
この記事では、リファレンスボード 「Trulo」 ベースとなる、Twin Lake プロセッサを搭載した新しい Chromebook の開発状況と確認できた仕様についてまとめます。
Trulo シリーズとは
Trulo は、Intel の省電力チップセット「Twin Lake (TWL)」を採用する Chromebook 向けの開発プラットフォームです。
Twin Lake 世代では、CPU の処理効率や GPU 性能の向上、電力効率の最適化などが進められています。
前世代の Alder Lake-N (N100 / N200) を採用していた「Nissa」シリーズの後継にあたり、エントリーからミドルレンジ帯を中心に設計されていますが、最上位は Chromebook Plus デバイスにも使用される Core 3 N355 があります。

特に GPU は Xe-LPG (Alchemist 系) に刷新され、グラフィック性能の改善が期待されるほか、動作周波数やキャッシュ構成の見直しによってマルチスレッド性能も向上しています。また、電力制御やメモリ帯域の最適化が進み、バッテリー駆動時間の延長にも寄与すると見られます。
これらの改良により、従来の N100 / N200 搭載モデルよりも動作の軽快さと省電力性能の両立が期待されます。
なお、すでに日本で発売されている Chromebook では、「ASUS Chromebook CB14」や「ASUS Chromebook CX14 CX1405」、「ASUS Chromebook 315 (CB315-6H)」といった機種に搭載されています。
Twin Lake 世代最上位の Core 3 N355 を搭載するモデルには「Acer Chromebook Plus 514 (CB514-6HT-N38Q)」があります(日本発売済み)。
開発が確認されている 3 機種
Trulo をベースにした開発ボードは複数存在し、そのうち以下の 3 機種が現在開発中であることが確認されています。
ボード名 | 想定フォームファクタ | 主な構成 |
---|---|---|
Pujjocento | クラムシェル | ・USB-C ×2 ・キーボードバックライト有無あり |
Pujjolo | コンバーチブル | ・USB-C ×2 ・テンキー有無あり |
Kaladin | コンバーチブル | ・USB-C ×2 ・USB-A ×1 ・日本語配列対応キーボード |
いずれのモデルも共通して 最大 65W(20V / 3.25A)の USB PD に対応し、複数メーカーのスマートバッテリーをサポートする柔軟な設計となっています。
特に注目すべきは「Kaladin」で、日本語配列対応キーボードの開発が進められていることから、日本市場向けの製品が登場する可能性は高いと考えられます。

また、Pujjolo は SKU によってテンキーの有無があるため、13 ~ 14 インチのテンキー無しモデルと、15.6 インチクラスのテンキーありモデルに分かれる可能性があります。
今後の展開
これらのボードはすでに開発が進んでおり、ファームウェアや EC の定義も安定化しています。
すでに「Uldernite」が発表されたことを踏まえると、今年後半から 2026 年前半にもこれらの Chromebook が登場する可能性があります。
ちなみに、前述の「Uldernite」同様に Twin Lake 世代を搭載していても「Nissa」ベースとして表示される可能性も高いことに注意してください(Trulo が Nissa から派生したため)。
まとめ
今後、Trulo シリーズをベースにした Twin Lake 搭載 Chromebook が各メーカーから登場する可能性がありますが、現時点ではどの企業が製品化を担当するかは明らかになっていません。
クラムシェル型からコンバーチブル型まで複数のリファレンス設計が並行して開発されており、少なくとも引き続きエントリーからミドルレンジの Chromebook のラインナップが拡充されていくことを示しています。
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出典: Chromium Gerrit