Intel Wildcat Lake プロセッサ搭載 Chromebook が開発中か。2つのリファレンスボードが登場

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Chromebook のロゴ

現在、水面下では様々なチップセットに対応する Chromebook の開発が進められていますが、今回は Intel の次世代モバイルプロセッサとされる「Wildcat Lake (WCL)」をサポートする Chromebook の開発に取り組まれていることが示唆されました。

これは Chromium Gerrit の開発コードなどから確認したもので、現在 Google は、Wildcat Lake SoC を搭載する「matsu」と「ojal」という 2 つの新しいリファレンスボードの開発に取り組んでいることが分かりました。

目次

Wildcat Lake サポートを示すコミット

Chromebook の開発に使われるプログラムコードの中で、Intel の次世代プロセッサ「Wildcat Lake」に対応するための変更が複数見つかっています。

このうち最も分かりやすいものとして、「Ocelot」と呼ばれるリファレンスボードが「Wildcat Lake のサポートを追加」することが示されています。

Chromebook で ocelot が Wlidcat Lake をサポートすることを示すコミットのスクリーンショット
ocelot が Wlidcat Lake をサポートすることを示すコミット

ドライバのサポートなどでも、Wildcat Lake に対応するためのコード追加が進められていることが確認されています。これらのコードは、新しいプロセッサを搭載した Chromebook の開発が着実に進んでいることを示すものです。

ちなみに「Ocelot」は、今年後半から出荷が見込まれる「Panther Lake」搭載 Chromebook のリファレンスボードを元にして作られています。

これは、新しい Wildcat Lake 搭載機の開発が、直近の Panther Lake の設計をベースに進められていることを示唆しています。

「Ojal」と「Matsu」の仕様

今回、その「Ocelot」をベースにして、さらに「Ojal」と「Matsu」と呼ばれる  2 つのリファレンスボード(量産前に使用する設計基盤)の開発に取り組まれていることが確認されました。

そのため、これら 2 つのボードも Wildcat Lake を搭載することになります。

どちらの Chromebook も Wildcat Lake (WCL) を搭載することを示すコードのスクリーンショット
どちらも Wildcat Lake (WCL) を搭載する

現時点では、両者の詳しい仕様については確認できていませんが、設定ファイルなどから次のような仕様を備えることが読み取れます。

Ojal 系統の特長

  • クラムシェル(ノート PC)タイプの Chromebook
  • キーボードバックライト
  • 1 種類のバッテリーに対応 (aec_598855)
  • USB-C ×2
  • Realtek 製 EC (rtk5915) 採用

Ojal は、クラムシェルタイプになると予想され、2 つの USB-C ポートやキーボードバックライトに対応することが確認できました。バッテリーは単一のメーカーのものとなっており、今後追加される可能性があります。

Matsu 系統の特長

  • クラムシェル(ノート PC)タイプの Chromebook
  • 最大 65W 充電に対応
  • キーボードバックライト
  • 複数の異なるメーカー製のバッテリーに対応
  • USB-C ×2、USB-A ×1
  • ITE 製 EC (it82002) を採用

Matsu は、クラムシェルタイプ Chromebook で、最大 65W 充電に対応した 2 つの USB-C ポートを搭載し、USB-A ポートも 1つ備えています。また、複数のメーカー製バッテリーに対応できる設計になっています。

記事執筆時点でも両者の開発は進んでおり、これらの情報から、Wildcat Lake プロセッサを採用した Chromebook は少なくとも 2 種類が登場する可能性が高いと言えます。

Intel Wildcat Lake とは?

Intel の「Wildcat Lake」は、次期ローミッドレンジモバイル向けプロセッサという位置づけで、2026 年第 1 四半期にリリース予定であると言われています。タイミングとしては、CES 2026 で発表される可能性が示唆されています。

現時点では、Intel から公式な発表はありませんが、Wildcat Lake プロセッサは 2 つのパフォーマンスコア(P コア)と 4 つの低消費電力効率コア(LP-E コア)を備えた 6 コア構成になると予想されています。

また、2 つの Xe コアを搭載した統合グラフィックスと、18 TOPS の NPU も搭載されると言われています。

まとめ

ChromeOS の開発コードから明らかになった「Wildcat Lake」への対応や、「matsu」と「ojal」という 2 つの試作機の存在は、次世代 Chromebook への期待を高めるものです。

プロセッサの素性から、現行 Intel N シリーズの後継となる可能性が高く、Chromebook においても手頃な価格帯からミッドレンジクラスのデバイスに搭載されるものと考えられます。

いずれにしても、現状では Wildcat Lake を搭載する Chromebook はまだ開発段階であり、今後の進展に期待です。

出典: Chromium Gerrit, wccftech

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著者情報

HelenTech の運営をしている 尾村 真英 です。これまでに 50台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動中で、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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