Google ドライブの標準機能であるドキュメントスキャナーが、AI を活用して大幅に高速化されるアップデートをテスト中であることが明らかになりました。
新しい UI と完全自動のスキャン機能により、複数ページの取り込みが高速になります。
Google Workspace Labs で提供される AI スキャナー
この新機能は、現在 Google Workspace Labs の一部として一部のユーザーに提供されています。
Google ドライブアプリや Android のカメラアプリからスキャナーを起動すると、AI を活用した新しいスキャナ機能への切り替えを促すポップアップが表示される場合があります。
UI の刷新と完全自動スキャン
今回のアップデートでは、ユーザーインターフェース (UI) が全面的に見直され、操作性が向上しています。
Material 3 Expressive デザインの採用
新しいスキャナーの UI は Material 3 Expressive デザインに基づいており、より鮮やかな配色と新しいボタン配置が特徴です。
ギャラリーからのアップロードボタンは従来の位置にありますが、撮影ボタンは右側に移動しています。
手動・自動の切り替えが不要に
従来の手動・自動キャプチャを切り替えるスライダーは廃止され、カメラをかざすだけでスキャンが自動的に開始されます。自動スキャンを一時停止するための停止ボタンも新たに配置されました。

また、スキャン対象の書類の輪郭は緑と青の線で表示され、Samsung の Galaxy スマートフォンのような見た目になっています。
複数ページのスキャンが高速に
新機能の最大の利点は、複数ページにわたる書類のスキャン速度です。AI が自動でページを認識するため、ユーザーは次々とページをめくってカメラの前に置くだけで、連続してスキャンが行われます。これまでのように、1ページごとに「+」ボタンを押してページを追加する必要はありません。
9to5Google の報告によると、Pixel 10 Pro XL で大量の法的文書をスキャンした際、通常は数分かかる作業がわずか数秒で完了したとのことです。AI が新しいページを正確に認識し、順番通りにファイルに追加していったとされています。
スキャン後は、新しくなったエディタで書類の微調整が可能です。編集したファイルは、ダウンロードまたは Google ドライブに直接アップロードできます。
今後の展開
この AI スキャナー機能は、現在段階的に展開されているようです。
Google ドライブのスキャナーを開いた際に、Google Workspace Lab に関する案内カードが表示された場合は、この新機能を試せる可能性があります。
現時点では、この機能の正式リリース時期はわからず、一般ユーザー向けのリリースには、まだ時間がかかる見込みです。
今回のアップデートは、Google ドライブのドキュメントスキャナーをより実用的で強力なツールへと進化させるものです。特に日本では配布されるプリントや紙ベースの古い書類など、大量の紙文書を扱うユーザーにとって、作業効率の大幅な向上が期待されます。
出典: 9to5Google