Qualcomm は年次イベント「Snapdragon Summit」において、2026 年に登場するプレミアムスマートフォン向けの新しいプロセッサを発表しました。
最上位モデルとなる「Snapdragon 8 Elite Gen 5」に加え、新たに標準モデルの「Snapdragon 8 Gen 5」が登場し、同社のフラッグシップ製品が 2 層化されることが明らかになりました。
Apple に倣った 2 チップ戦略
Qualcomm はこれまで、フラッグシップ向けには単一の「Snapdragon 8」シリーズを展開してきましたが、今回初めて「Elite」モデルと標準モデルの 2 種類をラインナップしました。
Qualcomm の幹部である Alex Katouzian 氏は、この新しいアプローチが Apple の戦略を参考にしたものであると説明しています。
Apple は近年、iPhone の標準モデルと Pro モデルで異なるチップ(例: A19 と A19 Pro)を搭載し、性能に明確な差を設けています。Qualcomm も同様に、スマートフォンメーカーがプレミアム帯の製品で、より柔軟な価格設定や性能の差別化を行えるように選択肢を提供することを目的としています。
Katouzian 氏によると、これまでは自社コアの効率が非常に高かったため、このような製品分割は行ってきませんでしたが、ユーザーからの要求が高まるにつれて、性能に応じた製品展開が必要になったと述べています。
Snapdragon 8 Gen 5 の判明している仕様
イベント後に、Qualcomm は「Snapdragon 8 Gen 5」のいくつかの技術的な詳細を明らかにしました。
- プロセス: TSMC 製 3nm プロセス
- CPU: カスタム Oryon CPU コア
- CPU構成: 1+7 構成
- 3.80GHz (Prime コア) × 1
- 3.32GHz (Performance コア) × 7
このチップは、最上位の「Snapdragon 8 Elite Gen 5」が採用する 2+6 構成とは異なり、1+7 の CPU 構成を採用しています。これにより、高性能を維持しつつ、消費電力や発熱を抑え、より幅広いハイエンドデバイスへの搭載が期待されます。
GPU については「次世代 Adreno GPU」、NPU は「強力な NPU」、カメラ機能については「優れた AI-ISP 搭載カメラ」と説明されていますが、具体的な性能や Elite モデルとの違いに関する詳細はまだ明らかにされていません。
OnePlus が最初の搭載スマートフォンを投入予定
この新しい「Snapdragon 8 Gen 5」について、OnePlus China の社長である Li Jie Louis 氏は、同社が世界で初めてこのチップを搭載したスマートフォンを発売すると発表しました。
まとめ
Qualcomm が発表した「Snapdragon 8 Gen 5」は、単なる新製品ではなく、同社のフラッグシップ戦略における大きな転換点を示すものです。
Apple の成功事例に倣い、Android スマートフォン市場においても、メーカーはより多様な性能と価格帯のフラッグシップモデルを開発しやすくなります。
これにより、ユーザーはハイエンドスマートフォンを、より広い選択肢の中から選べるようになる可能性があります。