Alliance for Open Media (AOMedia) は、新しいビデオコーデック「AV2」を 2025 年末までにリリースする見込みであることを発表しました。
このアップデートは、現在主流の AV1 からの大きな飛躍となり、YouTube や Netflix といった主要なストリーミングプラットフォームで、より高画質な映像を快適に視聴できる可能性があります。
新しいビデオコーデック「AV2」とは?
AV2 は、現在広く利用されているビデオコーデック AV1 の後継として開発されています。AOMedia によると、AV2 は AV1 と比較して圧縮性能が大幅に向上しており、より少ないデータで高品質な映像配信が可能になります。
AV2 の主な改善点
AOMedia は AV2 の具体的な仕様をまだ公開していませんが、以下のような改善点が含まれるとしています。
- 圧縮性能の向上: AV1 よりも少ないデータ量で、同等以上の画質を実現します。これにより、高解像度ストリーミング時のネットワーク負荷が軽減され、バッファリングが少なくなることが期待されます。
- AR/VR のサポート強化: 拡張現実 (AR) や仮想現実 (VR) といった新しいアプリケーションへのサポートが強化されます。
- 分割画面配信: スポーツ中継やライブイベントなどで、複数の映像を一つの画面で配信する機能の向上が見込まれます。
- 幅広い画質範囲での動作: より高い解像度から低い解像度まで、幅広い品質でのストリーミングに対応します。
なぜ AV2 は重要なのか?
AV1 は 2018 年にリリースされ、YouTube、Netflix、Twitch といった多くの大手プラットフォームで採用されています。また、Android と iOS は AV1 をネイティブでサポートしています。
AV2 を推進する AOMedia には、Google、Apple、Microsoft、Amazon、Netflix、Samsung といった巨大テック企業が名を連ねています。
AOMedia は、加盟メンバーの 53% が 12 ヶ月以内に、88% が 2 年以内に AV2 を採用するとの見通しを示しており、主要なサービスやデバイスへの普及が期待されます。
今後の見通し
過去に AV1 が業界で広く採用されるまでには時間がかかりましたが、AOMedia の声明は、AV2 がより速いペースで普及する可能性を示唆しています。
例えば、Samsung が開発中とされる XR ヘッドセット「Project Moohan」(Galaxy XR との噂もあります)などが、AV2 をサポートする最初のデバイスの一つになるかもしれません。
まとめ
新しいビデオコーデック AV2 の登場は、私たちのストリーミング視聴を大きく変える可能性があります。
より少ないデータ通信量で、より高画質で安定した動画視聴できるようになることも期待されます。