Google は2025 年 9 月 17 日 (現地時間)、Pixel デバイス向けに Android 16 の新しいベータ版となる「Android 16 QPR2 Beta 2」の配信を開始しました。
このアップデートでは、カスタムアプリアイコン形状のサポートが追加されたほか、セキュリティ強化やパフォーマンス向上に関する複数の改善が含まれています。
四半期ごとのプラットフォームリリース (QPR) は、毎月のセキュリティアップデートよりも大きな変更を提供するアップデートです。今回の QPR2 の正式リリースは、2025 年 12 月に予定されています。
Android 16 QPR2 Beta 2 の新機能
このベータ版には、主に以下の 5 つの新機能や改善点が含まれています。
カスタムアプリアイコンの形状
Android 16 QPR2 では、ユーザーがホーム画面のアイコン形状をリストから選択できるようになりました。
この設定は、すべてのアプリアイコンとフォルダのプレビューに適用され、よりパーソナライズされたホーム画面の作成が可能になります。
デベロッパーの確認のテスト
悪意のある開発者による被害の拡散を困難にするための新しい要件「Android developer verification (Android デベロッパーの確認)」が導入されました。
このベータ版では、開発者がこの機能をテストするための新しい API が追加されています。
SMS OTP 保護機能の強化
ワンタイムパスワード (OTP) の乗っ取りを防ぐため、「SMS retriever hash」を含むメッセージの配信が、ほとんどのアプリで 3 時間遅延されるようになります。
ただし、アプリは引き続き「SMS retriever API」を使用することで、意図されたメッセージにタイムリーにアクセスすることが可能です。
ガベージコレクションの効率化
Android ランタイム (ART) に、新しいガベージコレクタ「Generational Concurrent Mark-Compact (CMC)」が導入されました。これにより、不要になったオブジェクトの収集が効率化され、CPU 使用率の削減、UI のスムーズ化、バッテリー効率の向上が期待されます。
「ヘルスコネクト」のアップデート
「ヘルスコネクト」がデバイスのセンサーを使用して歩数を自動的に追跡できるようになりました。
また、運動セグメントとセッションのデータタイプが更新され、アプリが体重、セット指数、自覚的運動強度 (RPE) などを記録・読み取りできるようになります。
対象デバイスとインストール方法
Android 16 QPR2 Beta 2 (ビルド番号: BP41.250822.010) は、2025 年 9 月のセキュリティパッチを含んでおり、以下のデバイスで利用可能です。
- Pixel 6 / 6 Pro
- Pixel 7 / 7 Pro / 7a
- Pixel Tablet
- Pixel Fold
- Pixel 8 / 8 Pro / 8a
- Pixel 9 / 9 Pro / 9 Pro XL / 9 Pro Fold / 9a
- Pixel 10 / 10 Pro / 10 Pro XL
- Android Emulator
アップデートは Android ベータプログラムを通じて OTA で配信されるほか、ファクトリーイメージの書き込みやサイドロードによってもインストールできます。
記事執筆時点で、HelenTech の Pixel 9 Pro Fold への最新ベータ版の展開を確認しています。
問題を発見した場合は、アプリアイコンやクイック設定からアクセスできる Android Beta Feedback アプリを通じて報告が可能です。
安定性とリリース予定
Android 16 QPR2 Beta 2 は「プラットフォームの安定版 (Platform stability)」に到達しており、アプリ開発者にとってはアプリの最終的な動作を確認できる段階となります。
ただし、Google は「まだ開発中であり、システムやアプリが期待通りに動作しない可能性がある」と注意を促しています。
Android 16 QPR2 の安定版は、2025 年 12 月にリリースされる予定です。