Google は、ビデオ会議ツール Google Meet に新しい AI アシスタント機能「Gemini に相談 (Ask Gemini)」を導入することを発表しました。
この機能は、進行中の会議内容を要約したり、重要な決定事項を特定したり、途中参加した場合でも議論に追いついたりすることを可能にします。
まずは一部の Google Workspace ユーザー向けに提供が開始されます。
「Gemini に相談」の主な機能
Google Meet の「Gemini に相談」を使用すると、会議中に非公開で質問したり、会議の重要なポイントを把握したりできます。
- 会議の要約: 進行中の会話の要点をまとめたり、特定の参加者の発言を要約したりできます。
- 重要なポイントをリストアップ: 会議から得られた重要なポイント、決定事項、今後のアクションアイテムを特定し、会議をより実りあるものにします。
- 聞き逃し内容を把握: 会議に遅れて参加した場合でも、それまでの議論の内容を把握できます。ただし、この機能を利用するには、参加前に他のユーザーによって「自動メモ作成」機能が有効にされている必要があります。

プライバシーと機能の仕組み
ユーザーと Gemini のやりとりは、そのユーザーのみが見ることができるプライベートなものとなっています。
回答は、会議のキャプション、ユーザーがアクセス権を持つ Google Workspace のリソース (ドキュメント、スプレッドシート、スライドなど)、Gmail、そして Google 検索や公開ウェブサイトの情報を参照して生成されます。
会議が終了した後は、キャプションやその他の会議データが保存されることはありません。
利用上の注意点と制限
「Gemini に相談」 の利用にあたっては、いくつかの注意点と制限事項があります。
- 参加前の議論: 自分が参加する前の議論については、「自動メモ作成」が有効でない限り質問に答えることはできません。
- 対応言語: 現在は英語の会議のみをサポートしています。他の言語への対応も今後予定されています。
- 利用環境: デスクトップ版の Google Meet でのみ利用可能です。
- ブレイクアウトルーム: 現時点では、ブレイクアウトルームでは利用できません。
- 出力内容の確認: Gemini は人物に関する情報を含め、誤った情報を生成する可能性があります。そのため、出力された内容は必ず確認する必要があります。
設定と利用開始までの流れ
管理者、主催者、参加者それぞれの立場で設定や通知が異なります。
管理者
「Gemini に相談」はデフォルトで有効 (ON) になっています。管理者は、管理コンソールの [アプリ] > [Google Workspace] > [Google Meet] > [Gemini の設定] から、ドメイン、組織部門 (OU)、グループ単位で設定を無効 (OFF) に変更できます。

会議の主催者
主催者と共同主催者は、すべての参加者に対してこの機能を無効にすることができます。
設定は、Google カレンダーの予定から、または会議中に Gemini アイコンのメニューやホスト用コントロールから変更可能です。
会議の参加者
機能が有効な会議に参加すると、同意を求めるバナーが表示されます。電話で参加した場合は、音声でアナウンスが流れます。また、スマート機能が無効になっている参加者は「Gemini に相談」を利用できません。
リリース時期と対象プラン
管理者向け設定は、Enterprise Plus、Enterprise (Standard)、Business Plus、Business Standard などのプランで既に利用可能です。
エンドユーザーへの提供は、以下のスケジュールで段階的に展開されます。
- 即時リリースドメイン: 2025 年 9 月 29 日以降、最大 15 日間かけて展開されます。
- 計画的リリースドメイン: 2025 年 10 月に展開を開始し、10 月 17 日までに完了する予定です。
現時点での対象プランは Google Workspace Business Plus のユーザーです。
Enterprise Standard、Enterprise Plus などの他のプランについては、ユーザーからのフィードバックを反映させた後、2025 年後半から 2026 年初頭に提供が開始される予定です。
早期アクセスを希望する場合は、「Google Workspace Gemini Alpha」プログラムに参加することで利用できます。
まとめ
「Gemini に相談」の登場により、Google Meet での会議がより効率的になることが期待されます。
特に、長時間の会議の要点を素早く把握したり、途中参加でもスムーズに議論に合流できる点は大きなメリットです。
とはいえ、現時点ではまだ英語の会議にのみ対応しているため、今後日本語などへの展開に期待です。
出典: Google, Google Meet ヘルプ