Google は今後リリースを予定している ChromeOS 143 にて、これまで管理者向けに提供されていた Chromebook の充電上限を 80% に制限する設定を、ユーザーが直接設定できるようにする予定であることを明らかにしました。
これは Google が公開した ChromeOS 140 管理者向けリリースノートの「今後の変更」として記載されています。
ユーザーが直接選択できる充電最適化オプション
ChromeOS 143 以降は、Chromebook の設定アプリから [システム環境設定] > [電源] へと進み、[バッテリー充電の最適化] の項目で、ユーザーが直接以下のオプションを選択できるようになります。
- 充電制限 (新規追加): バッテリーの最大充電量を 80% に制限することで、バッテリーの劣化を抑え、寿命を最大限に延ばします。これは、管理コンソールで「制限付き充電」として提供されていた機能に相当します。
- アダプティブ充電: これは従来と変わらず、バッテリーを 80% 前後に保ち、ユーザーの使用習慣に合わせて必要になる直前で 100% まで充電する機能です。

これまでの設定との違い
これまで、エンドユーザーは Chromebook の設定で「アダプティブ充電」をオンまたはオフにすることしかできませんでした。
一方で、管理者向けには、Google 管理コンソールを通じて「アダプティブ充電」や「80% の充電制限 (ポリシー名: 制限付き充電)」を管理下のデバイスに強制適用するポリシーが別途存在していました。
そのため、80% の充電制限が ChromeOS で導入された際にも話題になりましたが、管理対象デバイスではない(Google Workspace アカウントでログインしていない)と、この設定を利用することができず、ユーザー側では変更することもできませんでした。

しかし、ChromeOS 143 からは、管理者向けだった「80% の充電制限」が正式にユーザー向け機能となり、既存の「アダプティブ充電」と並ぶ選択肢として提供されるようになります。
まとめ
ChromeOS 143 で新たに追加される「充電制限」オプションは、積極的にバッテリーの健康を維持したいユーザー、とくに自宅やオフィスで電源や給電機能付きモニターに接続しっぱなしのユーザーにとっては大歓迎の設定です。
既存の「アダプティブ充電」と合わせて、より明確な形で充電方法を選択できるようになり、Chromebook をより長く快適に利用するための助けとなります。
ただし、現時点では ChromeOS 143 で「導入予定」の機能であり、管理者向けポリシーと同様に予定のリリースから遅れる可能性もあることに注意が必要です。
なお、Google Pixel デバイス (Android) にも昨年の Android 15 QPR 1 のアップデートで同様の機能が展開されたばかりです。