Google は 2025 年 9 月 11 日(米国時間)、ChromeOS 140 の安定版 (Stable) に関する企業および教育機関の管理者向けのリリースノートを公開しました。
このリリースノートには、ChromeOS 140 での変更点や今後のアップデートで実装される機能、ポリシーの更新に関する情報が含まれています。Chromebook などの ChromeOS デバイスを管理する企業や教育機関の担当者の方は、内容を確認し、今後の展開に備えることが推奨されます。
ChromeOS 140 の主な変更点
今回のアップデートでは、管理者向けに位置情報サービスを制御する新しいポリシーが導入されたほか、特定のアプリで画面収録時の通知を制御する機能などが追加されました。
Google 位置情報サービス有効化ポリシー
2025 年初頭に導入された、システム全体の位置情報アクセス設定に関する新しい管理ポリシー GoogleLocationServicesEnabled が適用されます。
管理者は、管理下のデバイスの位置情報アクセスを「許可」、「システムサービスのみ許可」、「オフ」のいずれかに強制、またはユーザーが変更可能なデフォルト値を設定できます。
アプリや拡張機能がデバイスの位置情報に依存して動作する場合、管理者はこのポリシーを「許可」に設定する必要があります。 設定しない場合、アプリ等は正確な IP アドレスに基づく位置情報しか取得できなくなる可能性があります。
画面収録の通知
信頼されたアプリケーションに対して、getAllScreens Media API を利用した画面収録時の通知をバイパスできる許可リストが導入されました。これにより、指定したアプリでは通知を表示させることなく画面収録が可能になります。
分離 Web アプリ (IWA) の Device Attributes API
管理対象デバイス上の分離 Web アプリ (IWA) において、Device Attributes API の権限を取得する方法が変更され、新しい権限ポリシーが導入されました。
今後の変更点
リリースノートでは、今後予定されているユーザー向けの新機能や教育現場向けの機能強化についても言及されています。
バッテリー充電制限設定の UI 追加
デバイスのバッテリー寿命を延ばすため、ユーザーが充電方法を直接設定できる UI が追加される予定です。 この機能は、[設定] > [システム環境設定] > [電源] の「最適化された充電」から変更できます。
選択可能なオプションは以下の 2 つです。
- アダプティブ充電: デバイスを 80% まで充電したら、ユーザーの毎日の利用パターンに基づき、必要になる直前まで 100% への充電を遅らせます。
- 充電制限: バッテリーの最大充電量を 80% に制限し、バッテリーの劣化を抑えます。
なお、管理者が DevicePowerBatteryChargingOptimization ポリシーを設定している場合、その設定がユーザーの選択よりも優先されます。
Class Tools のリモート画面ミラーリング
ChromeOS 143 以降、教育機関向けの Class Tools に、キオスクモードで利用できる画面ミラーリング機能が追加される予定です。
この機能により、教師は自分の Chromebook や生徒の Chromebook の画面を、教室のメインディスプレイに接続された別の ChromeOS デバイス(Chromebook, Chromebox, ChromeOS Flex デバイスなど)にワイヤレスでミラーリングできるようになります。
まとめ
ChromeOS 140 のアップデートでは、主に管理者向けのポリシー強化が行われ、特に位置情報サービスの制御は、アプリの動作に影響を与える可能性があるため注意が必要です。
また、今後のアップデートで追加されるバッテリー充電制限の UI は、ユーザーが直接デバイスのバッテリー寿命を管理できる便利な機能となるでしょう。教育現場向けの画面ミラーリング機能も、授業の効率化に貢献することが期待されます。
管理者の方は、今回のリリースノートの内容、特に位置情報に関するポリシーの変更点を確認し、管理下のデバイスへの影響に備えることをお勧めします。